先日Amazon.co.jpで購入した約3000円の完全ワイヤレスイヤホンが「割と聴ける」音質だったことにショックを受け、低価格イヤホンもいよいよ無視できないレベルになってきたのかと、編集部のオーディオ担当として感慨深い思いに浸っていたところ、Twitterでさらに衝撃的なつぶやきを発見しました。
なんと、100円ショップのダイソーがネックケーブルタイプのBluetoothイヤホンを発売したというのです。価格はダイソーにしては高価な500円(税抜)となりますが、同様のタイプの一般的なBluetoothイヤホンは安いものでも3000円程度はしますから、破格の値段といってもいいでしょう。筆者は正直、「これで普通に聴ける音ならオーディオ市場はいよいよヤバいな……」と思いました。
これまで100円ショップの有線イヤホンを購入して使ってみたことはありましたが、そのときの音質はお世辞にも“イイ音”とは思えず、「イヤホンを忘れたから仕方なく」「ワイヤレスイヤホンのバッテリーが切れてしまったのでその場しのぎで」という場面以外で使おうとは思えませんでした。
しかし、Twitterのコメントを見ていると、「意外と悪くない音」というコメントも見受けられます。前述の完全ワイヤレスイヤホンの例もあることですし、もしかすると現在の100均イヤホンは音質が向上しているのかも……と考え、近所のダイソーへ走ったのでした。
質感・スペックは価格以上のクオリティ
発売されたばかりの商品のためか近所の小規模なダイソーには残念ながらまだ置いておらず、都心部の大規模店舗にてようやく見つけることができました。パッケージには「ブルートゥースイヤホン(マグネット式)」と書いてあり、カラーは黒と白の2色が用意されています。
さっそく購入しスペックをチェックしてみると、最新のBluetooth 5.0に対応しており、スマートフォンでハンズフリー通話もできるマイク付きリモコンまで備えています。充電用のマイクロUSBケーブルが付属しますが、交換用イヤーピースは同梱されません。
連続再生時間は2~3時間とかなり短め。他社の最新機種では10時間以上持つことがざらなことを考えれば、ここでコストダウンを図っているのかなという気がします。バッテリーは比較的高価なため、容量の少ないものにして原価を抑えているのでしょう。
ワイヤレスイヤホンの音質を左右する要素のひとつでもあるコーデックについては明記されていなく、おそらく標準のSBCのみサポートしているものと思われます。
イヤホンを取り出してみると、ハウジング部・ケーブルとも質感は悪くなく、これが500円とは……と唸るほど。ハウジングはアルミのメタリックな質感が生かされており、赤いラインがワンポイントになっています。ケーブルはフラットな“きしめん”タイプで、絡まりにくく強度も十分。
残念ながらイヤーピースはペラペラで、耳に入れるときに音がペコペコ鳴ってしまいます。フィット感はそれほど悪くないのですが、遮音性が低いため「あれ、音漏れしてる?」と心配になるほど。可能ならイヤーピースは替えたほうがよいでしょう。
ウリのひとつであるマグネット式は、ハウジング部分に磁石が内蔵されており、使わないときはイヤホン同士をくっつけておけて邪魔にならないというもの。市販されているもののなかには、イヤホンをくっつけると電源オフに、離すとオンになるオートオン/オフ機能を備えたものもありますが、さすがにこちらはそこまでの機能はありません。
ケーブル部分にはマイク付きリモコンを備えており、再生/一時停止や曲送り/曲戻し、音量調整、着信時の受話/終話など一通りの操作が可能。ボタン部分は少し突起しているので、慣れればブラインド操作もできそう。充電ポートもこの部分に備えていますが、カバーがついていないので水濡れには注意。