本日は東京・三ノ輪の「峠の蕎麦」を紹介します。なんとも牧歌的な店名が印象的ですが、もともとは現店主の父が立ち食いそば店を営んでおり、2003年に“ゆでたて揚げたて”のスタイルに一新。その当時に店名を「峠のそば」に改名したそうです。(さらに後に「峠の蕎麦」に改名)
コシのある麺と絶品つゆで立ち食いファンをおもてなし
そばは長野県茅野市の製麺所から仕入れる細身の生麺。注文を受けてからこれをゆで、冷水でしっかり締める。麺はかけそばでも十分コシがあるが、冷やしやもりそばだとさらにコシが増し、客によっては「ゴムのようだ」と驚く人もいるそうだ。
かつお節やさば節、宗田節で作るだしは濃厚なコクがあり、カエシの辛さ、甘みとのバランスも申し分ない。このつゆの味にハマる人は多く、夏でも温かいそばがよく出るのだとか。
天ぷらは基本的に揚げたてで提供。ゲソ天や舞茸天などは昼の混雑時でも注文を受けてから揚げる。また、裏人気メニューのドテ煮丼は2日半かけて仕込むなど、すべてのメニューにこだわりが感じられる。
店主はややいかつい風貌だが取材すると実に気さく。ただ、忙しいと料理に集中して無意識に“怖い顔”になっていることがあるのだそう。そんな少し不器用な店主が作るそばは、遠出してでも味わう価値のある一杯だ。