4月7日、日本でも緊急事態宣言が発令されました。筆者が暮らすハワイでは、オアフ島の住民には3月23日から、ハワイ州全域で同月25日から4月末まで自宅待機令が出されています。ハワイでは4月7日時点で計410人の感染が確認されていますが、島からは観光客の姿が消えました。そんな状況になったハワイの現在の暮らしについてレポートします。
ビーチも閉鎖
3月26日から、ハワイを訪れるすべての人に14日間の自己検疫が義務付けられたため、日本を含む世界各地とハワイを結ぶ航空便に欠航が相次ぎ、現在のハワイでは観光客の姿がぱったりと消えています。また、スーパーや医療機関、銀行、郵便など必要不可欠と認められた事業を除き、業務を行うことは禁止され、ショッピングセンターを始め街中にあるほとんどの店が閉まった状態となっています。
それとあわせて公共の施設なども休館や閉鎖されており、ビーチで過ごすことさえも禁止。ワイキキビーチにも規制線が張られ、ローカルに人気のアラモアナパークの入口も、クルマが侵入できないようにフェンスが張られています。
ただ散歩やランニングなどの屋外活動については認められているため、ビーチではジョギングやウォーキングをする住民もちらほら。ビーチに腰をおろしてのんびりしたり、友達とBBQをしたりすることはできませんが、運動のためにサーフィンやスタンドアップパドルすることもOKとのこと。自宅待機ではどうしても見えないストレスが少しずつ蓄積していきますが、ビーチ沿いのランニングでリフレッシュできるだけでも、幸せと言えるのかもしれません。
スーパーの新しいルール
食料品を扱うスーパーは自宅待機令が発令されている期間でも営業を行う許可が出ていますが、ハワイ州では6フィート(約1.83m)以上の「社会的距離戦略(social distancing)」を取ることが要請されています。そのため、スーパーのなかには、レジに並ぶときでも前後の人との距離が2m近く空くように、足元に線を引くお店も。さらに、店内が混雑し過ぎるのを防ぐため、入場制限を行い、一定数のお客しか入店できないようにしているスーパーもあります。
2月末頃からハワイでも始まったトイレットペーパーや食料品の品薄問題は、現在でも続いており、シニアの顧客限定で1時間開店時間を早めるなど、住民に必要なものが行き届くように配慮しているお店も出ています。
ただ以前のような買い占め状態は少しずつですが落ち着きはじめ、空になった商品棚にもわずかずつですが、食料品などが戻ってきているように感じます。
予約制で接触回避
医療機関については、スーパーなどと同じように「必要不可欠な事業」と認められ、これまでと同じように診療が行われています。ハワイではほぼすべての診療が予約制になっていて、大学病院のような大きな病院でも各専門医の診察室に直接患者が出向くシステムです。そのため日本の病院のように、患者さんで混雑した待合室で待つようなリスクもありません。筆者は先日、比較的大きめのメディカルセンターに行く機会があったのですが、近距離ですれ違った人は片手で数えるほどで済みました。
また普段から利用している薬局には、透明の板がカウンターに設置され、さらにカウンターまで1mくらい近づけないようにロープまで張られる徹底ぶり。薬剤師や受付の人との会話でもお互いに飛沫を避けられるように工夫されていました。
これまでのアメリカは、新型コロナ対策で主に社会的距離戦略を取り、マスクを不要としていましたが、最近ではその考えを一転し、マスクの着用を推奨しています。日本とは異なるアプローチでしたが、アメリカでもマスクと社会的距離戦略の両方を使うことで、感染拡大を防ぐことが期待されます。