ペンケースに入っているモノと言えば、まずはボールペンやシャープペンシルといった筆記具類。あとは消しゴムとか定規とか……文房具いろいろ、という感じではないだろうか。当たり前といえば当たり前だ。ところが、「ペンケースに“文房具以外”で何か入れてる?」と聞くと、話がちょっと面白くなってくる。
今までにいろいろな人から見せてもらった例で言うと、「眼鏡用ドライバー」「小銭」「常備薬」「あめ玉」「デンタルフロス」「SIMピン」「ポプリ」「のりたま(ふりかけ)の小袋」「糸はんだ」などなど、何に使うのか分かるものから意味不明なものまで、バラエティ豊富である。要するに、ペンケースを“ポーチ”代わりにして、日常的に使うモノを入れている人は少なからずいるということだ。
筆者が文房具以外で日常的に持ち歩いているモノといえば、汗ふきシート。大判のウェットシートがポケットティッシュのように収まっているアレである。とにかく汗かきなもので、冬以外の3シーズンはだいたいカバンに放り込んである(今年もそろそろ出番だ)。
ただ、あの手のウェットシートが入っているアルミ蒸着の袋というと、取り出し口の封がシール1枚だけなので、カバンの中で勝手に開いてることがしばしば。そうなると、いざ使う時には水分が飛んでカッサカサで、まったく使い物にならない。一応ウェットシート専用ケースも市販されているが、カバンの容量を考えると、ペンケース以外に袋ものは増やしたくない……。じゃあもういっそ、ペンケースとウェットシートケースが一体化すればいいのに。
新型コロナ対策にも! ウェットシートが内蔵できるポーチ
そう、まさにそれ! という製品が、サンスター文具「seepo(シーポ)」。ウェットシート(ウェットティッシュ)が内蔵できるポーチだ。基本的にはメイク道具などを入れるポーチとして作られているようだが、もちろんペンケースとして使ったって問題はないだろう。
サンスター文具
seepo(シーポ)
1500円(税別)
外見的に気になる部分はあるだろうが、そこはひとまず置いておいて、まずは中を確認してみよう。内部はマチが広く取られており、容量的にはまず不満が出ないレベル。その気になればステープラーなどの大物も充分に飲み込めるだろう。
ここでポイントとなるのが、メインの収納部と仕分けられた、PP系ジッパー付きの透明ポケット。ここにポケットタイプのウェットシートを収納するというわけだ。
あらかじめウェットシートの取り出し口シールを取り去ったら、この透明ポケットにセット。ジッパーで密閉してしまえば、中の乾燥も防げるようになっている。
あとは本体外側の「seepo」ロゴが入ったフタをパカッと開けると……この通り、いつでもしっとりしたシートがどこでも簡単に取り出せるという寸法だ。
使い終わったらフタを閉めるだけ。いちいちシートが挟まらないように気をつかってシールを貼り直す、みたいな手間がないのも嬉しい。専用ケースそのもののような使い勝手である。
透明ポケットに収まるサイズと厚みなら、入れるウェットシートはもちろん何でもOK。メイク拭き取りシートだろうが汗ふきシートだろうが問題なし。今この時期であれば、新型コロナウイルス対策として、除菌ウェットティッシュを入れておくのも便利だろう(入手が困難だが……)。
ちなみに、透明ポケットにもそれなりにマチがあり、メーカー公称では40枚入りのシートまで対応とされている。大判サイズのメンズ汗ふきシートなら、20枚入りぐらいがちょうど良さそうだ。当然のことだが、ここで厚みのあるものを入れてしまうと、ポーチ側の容量とトレードオフとなる。
基本的には、最初に述べた通り化粧ポーチとしての使い道が前提なので、色柄は花柄やイチゴ、ハート柄など、ほぼ女性向けのファニー系。今回、筆者が撮影に使っているブラックが、唯一メンズっぽく使えるかなー、的な選択肢だ。
女性はメイク落としなどでウェットシートを使う機会も多いわけで、やはりこれは女性向けにしか作られていないのだろう。逆にラインナップにひとつでも男性が使いやすい色を入れてくれた、というだけで御の字なのかもしれない。
だからといって、我ら汗かきメンズが使わないのはもったいないくらいに便利なのも確か。なによりこれから暑くなるシーズンだし、汗ふきシートが本格稼働する前に、もう1つ追加で買っておくか……と思っている次第である。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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