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2020/5/1 17:00

おかえり。ホームボタン! 5万円弱のiPhone SEを買う前に考えておきたいこと

第2世代の「iPhone SE」——。iPhone 8の筐体をベースに、チップセットに「A13 Bionic」を搭載したモデルです。久しぶりにホームボタンを備えているので、Touch IDを使い続けたかった人には朗報ですね。

 

さらに、Apple Storeの価格で、税込4万9280円〜というお手頃さも、インパクトがあります。Androidのミッドレンジモデルを検討していた人にとっては、悩ましいライバルが登場したといったところ。さっそく同機を数日間使ってみましたので、本稿ではiPhone SEについて購入を検討する際にチェックしたい部分を書いてみたいと思います。

↑iPhone SE(第2世代)のブラック

 

まず、4.7型を選んで本当に良いのかは決断しよう

iPhone SEのサイズは4.7インチ——。もちろん、「iPhone 5s」シリーズの筐体をベースにした第1世代と比べれば大きいのですが、最近のスマートフォンとしてはかなり小さい方です。

 

iPhohe 11/11 Pro/11 Pro Maxなら、それぞれ6.1/5.8/6.5インチあります。また、2020年発売の5G対応Androidは6.5インチくらいが標準的になりました。これから大画面向けのコンテンツが増えるうえで、本当に4.7型で良いのかは考える必要があるでしょう。上下の「ベゼル」が太いデザインも、人によっては気になるかもしれません。

↑とは言え、実際に握ってみると画面が小さくて困るということはあまりなさそう

 

その上で、「画面サイズ、4.7型で全然OKだよ!」という人には狙い目の機種です。第1世代のSEとか、6、7あたりをまだ使い続けていて、そろそろ変えようかなんて場合には、馴染みあるTouch IDを使い続けられるのは魅力的。

↑ホームボタン(Touch ID内蔵)搭載モデルは久しぶり

 

ディスプレイのスペックを見ても、「P3」の色域に対応し、最大輝度は625ニト(標準)あります。そして「True Tone」や「触覚タッチ」もサポート。実際、写真や動画の色味も忠実に再現されていましたし、普段使いの操作性でも困るようなことはまずないです。

↑側面はアルミフレーム。丸みもあり、ステンレススチールに比べるとちょっと滑りやすいので注意。ケースは必須だろう

 

↑ポートの左右の穴は線対象

 

カメラは単眼だけど綺麗ですよ

iPhone SEは、背面にシングルカメラを搭載します。超広角カメラに切り替えられるiPhone 11や、さらに望遠カメラも備えるiPhone 11 Proと比べると、見劣りする部分はあります。しかし、シングルカメラとしての性能はなかなか良いです。

↑背面にはシングルカメラ(1200万画素、f/1.8)を搭載

 

例えば、単眼深度推定という仕組みによって、ポートレートモードの撮影が行えますし、4K・60fpsでの動画撮影も可能。光学式手ブレ補正も対応します。また、スマートHDRに対応しており、逆光下でも綺麗に撮れます。

↑iPhone SEで撮影。記事掲載用に写真をサイズダウンしているのでわかりづらいが、暗い部分でもディティールが潰れていない

 

↑「ゼロシャッターラグ」に対応しているので、動いている被写体でもハイライトとシャドウを美しく再現できる。小川の水面も美しくとらえた

 

↑ポートレートモード&ポートレートライティングに対応。写真は「ハイキー証明(モノ)」を選択した例

 

A13 Bionicチップを搭載した恩恵としては、こうした撮影機能を自然に使えるというのが大きいでしょう。iPhone 11 Proを使い慣れた筆者としても、思った以上に綺麗に撮影できたので、カメラの満足度は高めでした。そのほか、4K動画を撮影して、標準の写真アプリで編集するような操作も問題なくこなせました。

 

↑iPhone SEの公式ページでは「アップグレードする理由」というページが用意されており、手持ちの旧機種と性能差を数値で比較できる

 

購入時は安さだけを追求するのは注意

さて、冒頭でも軽く触れたように、Apple Storeにおける新しいiPhone SEの一括価格は他モデルと比べて割安です。64GBモデルが4万9280円(税込、以下同)、128GBが5万4780円、256GBが6万6800円。

 

一方、大手3キャリアでの端末価格と割引があるプログラム適用時の負担額は、下記のようになりました。

●iPhone SEの価格(割引適用前)

NTTドコモauソフトバンク
256GB7万5240円7万5215円7万8480円
128GB6万2568円6万1250円6万4080円
64GB5万7024円5万5270円5万7600円

↑割引前の価格はApp Storeの方が安い

 

●iPhone SEの割引適用後の負担額

NTTドコモauソフトバンク
スマホおかえしプログラム利用時の負担額(MNP)スマホおかえしプログラム利用時の負担額(新規/機種変更)かえトクプログラム利用時の負担額トクするサポート+利用時の負担額
256GB3万5504円5万160円3万9215円3万9240円
128GB2万7056円4万1712円3万1970円3万2040円
64GB2万3360円3万8016円2万8750円2万8800円

↑一定期間利用後の端末返却や、定期的な買い替えを前提にして良いなら、割引プログラムの適用を想定して大事に使っておくと、64GBなら負担額を大体3万円弱に抑えられる

 

一番安い64GBモデルなら、3万円弱で入手できるのは魅力的に思えます。しかし、数年利用することを考えると、この容量ではちょっと不安です。

 

昨今は、ゲームアプリの容量も大きくなってきましたし、4K画質で動画を撮影しようものなら、64GBは数ヶ月でいっぱいになる可能性が高いでしょう。格安SIMで運用コストを下げつつ、アプリやカメラ利用も最低限に……、という場合には、64GBをApp Storeで購入するのはありかもしれません。

 

しかし、大手キャリアで契約して、写真や動画を日常的に頻繁に撮影するという場合には、最低でも128GBを選択しておいた方が安心です。割引利用時なら差額は3000円ちょっとですから、追加で外部ストレージを購入したり、クラウドサービスを運用するコストや手間と天秤に掛けると、先に支払っておいた方が良い代金だと思います。

 

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