サードウェーブコーヒーのブームから早数年。街には気鋭の焙煎所やコーヒースタンド、カフェなどが増え、こだわりのおいしいコーヒーは身近なものになりました。そしてその余“波”が、ついにイエナカにも。サードウェーブクオリティのコーヒーを家で楽しむための商品が続々と登場しています。GetNaviではこの動きを“フォースウェーブ”と定義し、その乗りこなし方を伝授します!
本記事ではシアトル系の2大カフェ「スターバックス」と「タリーズ」をピックアップ。コーヒー豆も人気で、農園の個性を生かしたシングルオリジンを多数揃えます。両社のこの春の注目豆を、オススメの飲用シーンとともに紹介!
●1杯あたりの価格は、10gのコーヒー豆で抽出したとして計算
テストした人
【スターバックス編】
コーヒーショップの大定番。最近では、2019年に焙煎所を併設した「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」をオープン。コーヒー豆のラインナップやクオリティがより強化されました。
【その1】ケニアらしさがあふれるジューシーでブライトな味/朝向け
マウント ケニア バラグウィ
2808円(250g)
ケニア中央部のキリヤンガという高地で栽培された豆を使用。ジューシーでブライトながら奥深さもある複雑な味わい。カシスやハイビスカスを思わせるフレーバーに加え、心地良いコクと甘味を感じられます。
【豆の情報】●生産地:ケニア(バラグウィ)●処理方法:ウォッシュド●焙煎度合い:─●1杯あたり約112.3円
【味の特徴をレビュー】バランスが良く淹れ方を選ばない万能系
「ボディがふくよかながら、余韻はすっきり抜けていき、好バランス。ドリップでもエスプレッソでもおいしいです。合わせるならペストリーやスイーツがオススメ」
【その2】複雑ながら洗練されていて酸味とコクのバランスが良い/全時間帯向き
グアテマラ アンティグア
1339円(250g)
100年の歴史を誇る農園が作る豆。チョコレートや、かすかにスパイス、レモンを感じる上品な酸味が幾重にも重なり、洗練された味を楽しめます。酸味とコクのバランスが良くココアパウダーのような舌触りも好印象。
【豆の情報】●生豆生産地:グアテマラ(アンティグア)●処理方法:ウォッシュド●焙煎度合い:中煎り●1杯あたり約53.6円
【味の特徴をレビュー】エレガントながらすっきりしたキレも魅力
「こっくり&どっしりしたボリュームがあって、そこから広がる甘く香ばしい風味がエレガント。それでいてスッキリとした後味も楽しめます。味わいにキレがありますね」
【その3】コク深く滑らかな口当たりにハーブのような風味が漂う/夜向け
スマトラ
1231円(250g)
深みのあるしっかりとしたコクと滑らかな口当たり、ハーブや大地を思わせる風味が特徴。メープルやシナモンを使ったスイーツ、チーズやバターを使ったコクのある料理などと合わせるのがオススメです。きのこ料理との相性も◎。
【豆の情報】●生豆生産地:インドネシア(スマトラ)●処理方法:セミウォッシュド●焙煎度合い:深煎り●1杯あたり約49.2円
【味の特徴をレビュー】エスプレッソやビターなアイスコーヒーに
「口当たりはスムースながら、ボトムがしっかりしていてコクも十分。ミルクとの相性が良くエスプレッソにオススメ。ビターなアイスコーヒーにも◎」
【タリーズコーヒー編】
世界のコーヒー産地で様々な取り組みを行うタリーズ。グァテマラではカッピングコンテスト、ブラジルでは農園とのパートナーシップなど活動は幅広い。
【その1】甘く爽やかな明るい酸味がもたらす心地良い余韻/朝向け
キリマンジャロ イロンバ
1231円(200g)
フローラルやシトラスを感じさせる爽やかなアロマと、ブラウンシュガーを思わせる風味が特徴。後味に残る甘さが楽しめ、爽やかで明るい酸味が、心地良い余韻をもたらしてくれます。
【豆の情報】●生豆生産地:タンザニア(ソングェマリア)●処理方法:フーリーウォッシュド●焙煎度合い:─●1杯あたり約66.4円
【味の特徴をレビュー】酸味と香ばしい甘味が和菓子にオススメ
「柑橘のような鮮やかな酸味の奥に香ばしい甘味が漂い、後味はスッキリ。春だけでなく夏にも飲みたくなる風味です。黒糖を使った和菓子に合いそう」
【その2】ナッティで深い甘味が絶品!パートナー農園との定番コラボ/全時間帯向け
タリーズ ブラジル ファゼンダバウ
1047円(200g)
ブラジルのパートナー「バウ農園」と作った、タリーズの定番シングルオリジン。適度なボディがあり、ほど良くスッキリしています。ナッツのような香ばしさと、凝縮された深い甘味が特徴です。
【豆の情報】●生豆生産地:ブラジル(ミナスジェライス州セラード パトスデ ミナスバウ農園)●処理方法:ナチュラル●焙煎度合い:─●1杯あたり約47.0円
【味の特徴をレビュー】アイスで飲むなら朝がイチオシ!
「口当たりはまろやかでボリューミーですが、ミドルノートからラストにかけてはフルーティですっきり。全時間帯にオススメですが、アイスなら朝に飲みたい」
【その3】香りが華やかでフルーティな有機カフェインレスコーヒー/夜向け
オーガニック デカフェ エチオピアモカ
1285円(200g)
カフェインを95%以上除去したやさしい有機コーヒー豆。エチオピアのコーヒー豆らしい、華やかな香りとフルーティな酸味が特徴で、アフターフレーバーには、滑らかな甘味が心地良く広がります。
【豆の情報】●生豆生産地:エチオピア(タデGGハイランド農園)●処理方法:ナチュラル●焙煎度合い:─●1杯あたり約64.3円
【味の特徴をレビュー】南国フルーツ系のトロピカルな酸味
「マンゴーなど、南国系の果実を思わせるフルーティな酸味がスゴくイイ! 通常のコーヒーとの味の違和感や物足りなさは皆無です。爽やかで、アイスもオススメ」
●本記事内で紹介している商品を取り扱うコーヒーショップのなかには、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、営業時間を変更、もしくは休業している店舗も含まれます。
文/中山秀明、鈴木翔子(本誌) 撮影/高原マサキ(TK.c) イラスト/勝間田しげる 撮影協力/UTUWA