グルメ
2020/5/26 21:00

スタバVS.タリーズーー2大コーヒーショップの6銘柄の「豆比べ&味比べ」徹底解説

サードウェーブコーヒーのブームから早数年。街には気鋭の焙煎所やコーヒースタンド、カフェなどが増え、こだわりのおいしいコーヒーは身近なものになりました。そしてその余“波”が、ついにイエナカにも。サードウェーブクオリティのコーヒーを家で楽しむための商品が続々と登場しています。GetNaviではこの動きを“フォースウェーブ”と定義し、その乗りこなし方を伝授します!

 

本記事ではシアトル系の2大カフェ「スターバックス」と「タリーズ」をピックアップ。コーヒー豆も人気で、農園の個性を生かしたシングルオリジンを多数揃えます。両社のこの春の注目豆を、オススメの飲用シーンとともに紹介!

●1杯あたりの価格は、10gのコーヒー豆で抽出したとして計算

 

テストした人

フードアナリスト

中山秀明さん

GetNavi/GetNavi webで幅広くグルメ関連コンテンツを執筆。コーヒーマシンでは、電動ミルとエスプレッソマシンを所持。ドリップも好きで、今回はペーパードリップ式でくらべました。

 

【スターバックス編】

コーヒーショップの大定番。最近では、2019年に焙煎所を併設した「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」をオープン。コーヒー豆のラインナップやクオリティがより強化されました。

 

【その1】ケニアらしさがあふれるジューシーでブライトな味/朝向け

マウント ケニア バラグウィ

2808円(250g)

ケニア中央部のキリヤンガという高地で栽培された豆を使用。ジューシーでブライトながら奥深さもある複雑な味わい。カシスやハイビスカスを思わせるフレーバーに加え、心地良いコクと甘味を感じられます。

【豆の情報】●生産地:ケニア(バラグウィ)●処理方法:ウォッシュド●焙煎度合い:─●1杯あたり約112.3円

 

【味の特徴をレビュー】バランスが良く淹れ方を選ばない万能系

「ボディがふくよかながら、余韻はすっきり抜けていき、好バランス。ドリップでもエスプレッソでもおいしいです。合わせるならペストリーやスイーツがオススメ」

 

【その2】複雑ながら洗練されていて酸味とコクのバランスが良い/全時間帯向き

グアテマラ アンティグア

1339円(250g)

100年の歴史を誇る農園が作る豆。チョコレートや、かすかにスパイス、レモンを感じる上品な酸味が幾重にも重なり、洗練された味を楽しめます。酸味とコクのバランスが良くココアパウダーのような舌触りも好印象。

【豆の情報】●生豆生産地:グアテマラ(アンティグア)●処理方法:ウォッシュド●焙煎度合い:中煎り●1杯あたり約53.6円

 

【味の特徴をレビュー】エレガントながらすっきりしたキレも魅力

「こっくり&どっしりしたボリュームがあって、そこから広がる甘く香ばしい風味がエレガント。それでいてスッキリとした後味も楽しめます。味わいにキレがありますね」

 

【その3】コク深く滑らかな口当たりにハーブのような風味が漂う/夜向け

スマトラ

1231円(250g)

深みのあるしっかりとしたコクと滑らかな口当たり、ハーブや大地を思わせる風味が特徴。メープルやシナモンを使ったスイーツ、チーズやバターを使ったコクのある料理などと合わせるのがオススメです。きのこ料理との相性も◎。

【豆の情報】●生豆生産地:インドネシア(スマトラ)●処理方法:セミウォッシュド●焙煎度合い:深煎り●1杯あたり約49.2円

 

【味の特徴をレビュー】エスプレッソやビターなアイスコーヒーに

「口当たりはスムースながら、ボトムがしっかりしていてコクも十分。ミルクとの相性が良くエスプレッソにオススメ。ビターなアイスコーヒーにも◎」

 

 

【タリーズコーヒー編】

世界のコーヒー産地で様々な取り組みを行うタリーズ。グァテマラではカッピングコンテスト、ブラジルでは農園とのパートナーシップなど活動は幅広い。

 

【その1】甘く爽やかな明るい酸味がもたらす心地良い余韻/朝向け

キリマンジャロ イロンバ

1231円(200g)

フローラルやシトラスを感じさせる爽やかなアロマと、ブラウンシュガーを思わせる風味が特徴。後味に残る甘さが楽しめ、爽やかで明るい酸味が、心地良い余韻をもたらしてくれます。

【豆の情報】●生豆生産地:タンザニア(ソングェマリア)●処理方法:フーリーウォッシュド●焙煎度合い:─●1杯あたり約66.4円

 

【味の特徴をレビュー】酸味と香ばしい甘味が和菓子にオススメ

「柑橘のような鮮やかな酸味の奥に香ばしい甘味が漂い、後味はスッキリ。春だけでなく夏にも飲みたくなる風味です。黒糖を使った和菓子に合いそう」

 

【その2】ナッティで深い甘味が絶品!パートナー農園との定番コラボ/全時間帯向け

タリーズ ブラジル ファゼンダバウ

1047円(200g)

ブラジルのパートナー「バウ農園」と作った、タリーズの定番シングルオリジン。適度なボディがあり、ほど良くスッキリしています。ナッツのような香ばしさと、凝縮された深い甘味が特徴です。

【豆の情報】●生豆生産地:ブラジル(ミナスジェライス州セラード パトスデ ミナスバウ農園)●処理方法:ナチュラル●焙煎度合い:─●1杯あたり約47.0円

 

【味の特徴をレビュー】アイスで飲むなら朝がイチオシ!

「口当たりはまろやかでボリューミーですが、ミドルノートからラストにかけてはフルーティですっきり。全時間帯にオススメですが、アイスなら朝に飲みたい」

 

【その3】香りが華やかでフルーティな有機カフェインレスコーヒー/夜向け

オーガニック デカフェ エチオピアモカ

1285円(200g)

カフェインを95%以上除去したやさしい有機コーヒー豆。エチオピアのコーヒー豆らしい、華やかな香りとフルーティな酸味が特徴で、アフターフレーバーには、滑らかな甘味が心地良く広がります。

【豆の情報】●生豆生産地:エチオピア(タデGGハイランド農園)●処理方法:ナチュラル●焙煎度合い:─●1杯あたり約64.3円

 

【味の特徴をレビュー】南国フルーツ系のトロピカルな酸味

「マンゴーなど、南国系の果実を思わせるフルーティな酸味がスゴくイイ! 通常のコーヒーとの味の違和感や物足りなさは皆無です。爽やかで、アイスもオススメ」

 

●本記事内で紹介している商品を取り扱うコーヒーショップのなかには、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、営業時間を変更、もしくは休業している店舗も含まれます。

 

文/中山秀明、鈴木翔子(本誌) 撮影/高原マサキ(TK.c) イラスト/勝間田しげる 撮影協力/UTUWA