三菱電機は、スマートフォンと連動する新機能を搭載したIH ジャー炊飯器「備長炭 炭炊釜NJ-VA107 形」を、7 月21 日から発売します(スマホ用操作アプリは7 月8 日から提供を開始)。実売予想価格は6万5000円前後です。本機は視覚障がい者や弱視・老眼の方など、目に不自由を感じている人に使いやすい機能を持つとのこと。発売に先駆けて説明会が行われましたので、その機能の詳細をレポートいたします!
スマホの利用により面倒なボタン操作が不要に!
本機の大きな特徴は、スマホを使ったタッチ入力と業界初の音声入力に対応し、面倒なボタン操作なしで簡単に炊飯の設定ができること。また、スマホの音声確認機能を使えば、銘柄や炊きあがりの食感などの炊飯設定から炊飯状況まで、いつでもどこでも確認できます。
※対応機種はおサイフケータイFeliCaまたはNFCに対応する機種に限ります。iPhoneには対応していません(2016年7月現在)
視覚障がい者のイベントで着想を得る
同社によると、本機の着想は、2年前の11月に行われた視覚障がい者のイベントで得たものだといいます。イベントでは、同社の炊飯器を試した方から、「音声ナビはなぜフラッグシップ機にしかないのか?」「高すぎる。メーカーのエゴではないか?」などの厳しい意見が寄せられました。
同社の関係者は、大いに打ちのめされながらも、この意見に正面から向き合おうとしたのが本機の開発の始まり。やがて同社は、目に不自由を感じている方の多くがスマホを使用していること、さらに視覚障がい者はスマホの音声読み上げ機能「トークバック機能」を使用していることに着目。スマホを利用することで、高いユーザビリティを実現し、同時にコストも抑えられるということで、本機は開発されました。
「銘柄芳潤炊き」に対応し10銘柄に最適な炊き分けが可能
このほか、中位モデルながら、お米の銘柄に応じた最適な炊き方ができる「銘柄芳潤炊き」に対応するのも特徴。操作は、スマホアプリに表示された10銘柄から選び、炊飯器にタッチするだけとカンタンです。スマホを利用したネット連携も便利。レシピサイトに接続し、好みのレシピを選んで炊飯器にかざす&本体の炊飯(予約確定)ボタンを押すだけでOKです。
ごはんは和食に合うさっばりした味わい
ごはんに関しては、かまど炊きのおいしさを追求し、新「熱密封かまど構造」を採用しました。新「熱密封リング」で内釜の側面と本体との隙間をなくし、熱を逃さず効率よく加熱。内釜上部に空間を作り、ふきこぼれを抑制するとともに、火力を従来比で15%アップしました。
実際に、本機で炊いたごはんを試食してみました。印象的だったのが、米粒が一切崩れることなく、しっかり形を保っていた点。甘みと粘りは抑え気味で、透明感のあるさっぱりした味わいでした。同社の担当者に聞いたところによると、「和食に合う味を目指した」とのこと。確かに、この味わいなら、焼き魚やみそ汁などによく合いそうだと実感しました。
視覚障がい者の忌憚のない意見に応えるべく開発されただけあって、スマホでの操作はかなり快適。なぜ発表会でもっと大々的に発表しないんだろう? と思うくらいの画期的な製品でした。たとえば、親や祖父母など、目に不安を抱えている人にプレゼントしても喜ばれるのではないでしょうか。
【URL】
三菱電機 http://www.mitsubishielectric.co.jp/