人には誰しも苦手ジャンルがあり、いつかはなんとかしてマスターしたい……という課題がひとつやふたつはあるだろう。私の場合、そのひとつが「日本地図を読めるようになる」である。
自分の故郷である岐阜県はさすがにわかるが、その岐阜がどのように他の県と隣接しているかも、関東地方や九州地方の県の並びも、かなり怪しい。これは大人としてどうなのだろうか。
嘘だろ? たった3日で47都道府県を覚えただって!?
小4の息子が社会の授業で日本地図の勉強を始めたらしく、白地図の課題を持ち帰ってきた。マズイ。質問されたとき答えられないなんて、親の沽券に関わる問題だ。早めになんとかしなくては。そんなとき、奇しくも実家の母からこんなメールが届いた。
「日本地図の都道府県47個の形と場所を、たった3日間ですべて覚えました♪ 66歳にもなってそんな小学生でもわかることをいまさら……と思われそうだけど。書店である絵本を買ったところ、47都道府県のシルエットと場所までしっかり頭の中に入ってしまったのです。たまたまその数日後、テレビでシルエットクイズがあり、どれもこれもパッと見ただけで答えを口にし、ジージ(父)は驚きを隠せませんでした。エッヘン!」
なんというタイミング! そして、なんという気になるメール! ちょ、その絵本のタイトルは何! すぐさま母に連絡し、その絵本を購入した。建前は「子どもたちが覚えられるから」、本音は「私自身が覚えるため」に。
リピートアフターミー。「えびのかたちは あおもりけん」!
その絵本こそ、『1日10分でちずをおぼえる絵本』(あきやまかぜさぶろう・作/白泉社・刊)。なんでも、巷では「子ども地図の大発明」とかなり話題になっていて、すでに20万部超えの大ヒット絵本らしい。
47都道府県をそれぞれユニークなモノの形として捉え、楽しく覚えるというのが特徴だ。たとえば、北海道は「えい」、青森県は「えび」といった具合。そして、こう唱えるのだ。
「えいのかたちは ほっかいどう」「えびのかたちは あおもりけん」
この、なんともいえないリズミカルな感じ、不思議と頭に残る。気づくと私も頭の中で「ぼうしのかたちは かがわけん♪」と唱えている今日このごろだ。
「1日10分」の看板に偽りなし。親も勉強になる一冊!
3歳~小学生対象とあるが、我が家では長女(小1)と次女(5歳)にスマッシュヒット。毎日眺めて、唱えては、楽しみながら覚えている。
明日、私が奈良県に取材に行くと伝えると、「ぺんぎんのかたちは ならけん!」と即座に返ってきた(笑)。どうやら、「1日10分」は誇張ではなかったようだ。いや、66歳が3日で丸暗記したのだから、タイトル以上の効果ありか。
さらに、ページ下部には各都道府県の特産物や有名なものがピックアップされているので、形と場所を覚える以上の収穫がある。
ただ、すべてひらがなで書かれているためか、一番覚えさせたかった長男には「読みにくい!」といささか不評。残念。しかし、調べてみると『小学生版 1日10分日本地図をおぼえる本』もあるらしい。さすがは、あきやま先生。近々こちらも購入しようと目論んでいる。
脳が若い子どもたちには敵わないが、私自身もずいぶん都道府県の形や位置関係が頭に入ってきた。最近は、気象予報のニュースや地震速報などを目にすると、「あのあたりか!」とすぐさま見当がつくようになったのだから、私史上かなりすごいことである。
お子さんがいる方は、嘘だと思ってぜひ一緒に覚えてみてほしい。きっと「○○のかたちは ○○けん♪」というリズムの中毒性にハマること請け合いである。
【書籍紹介】
1日10分でちずをおぼえる絵本
著者:あきやまかぜさぶろう
発行:白泉社
子ども日本地図が大進化! みんなの県が動物や乗り物などゆかいに大変身! 改訂で鳥取県・島根県などが、さらに覚えやすく!! 3歳~小学生対象。