本・書籍
2020/8/19 21:45

このスーパーポジティブさ、突き抜けてて爽快! 手越祐也のフォトエッセイ『AVALANCHE~雪崩~』を読んでみた。

長男がお腹にいるとき、NEWSの曲をよく聴いていた。安定期のころには、ライブにも行った。ちょうどチケットがとれたということもあったが、彼らの曲とハーモニーはとても美しく、なかなか胎教に良かったからだ。

 

なかでも手越くんの伸びやかな歌声は、不安定な妊婦の心を穏やかに落ち着かせてくれる魅力があった。

 

あれから10年ほどの月日が過ぎ、まさか、彼がこんなにもお騒がせBoyになろうとは。

 

良い意味でも悪い意味でも話題沸騰中の『AVALANCHE~雪崩~』(手越祐也・著/双葉社・刊)を恐る恐る手にとって、読んでみた。

真っ直ぐにしか生きられない男・手越祐也 

発売前から「暴露本」と随分騒がれていたが、実際に読んでみると若干拍子抜けというか、想像していたほどアケスケな暴露話はなかったというのが率直な感想だ。

 

いや、もちろん、彼と関わってきた数多のタレントの名前やエピソードは描かれている。そしてそのことが、この本の評価を二分している所以のひとつではないかと思う。

 

たとえば、あるタレントのファンは「手越くん、○○くんのことをそんなふうに思っていてくれてありがとう!」と感謝して高評価。はたまた「ちょっと手越くん! ○○くんの本心はそうじゃないと思う!」と反発する別のタレントのファンもいる。

 

ことNEWSファンにしてみれば、ちょっと複雑な内容もあったに違いない。過去の出来事一つひとつの真相(あくまでも、手越くんサイドの見方だが)を、まるで答え合わせするように解説されると、裏話が聞けてうれしい反面、そんな確執があったなんて知りたくなかった……とショックを受ける人もいるものだ。

 

スーパーポジティブ男・手越祐也

そんなマイナス面も多々あることは否めないが、やはり彼がジャニーズ事務所に入所してからの物語はおもしろい。ジャニーズJr.として長い下積み時代を経験したアイドルたちが多い中、手越くんは事務所入所からわずか9か月でNEWSとしてデビューという華々しい経歴を持つ。おそらくV6の岡田准一くんに次ぐ、最短デビューだろう。

 

そのため、準備期間もままならない中で表舞台に立ったことで、場数が少ないからこその悔しい想いもしたようだ。なぜ、自分がセンターじゃないんだという憤りも。

 

けれど、そのままでは終わらないのが手越祐也という男。「どうやったらNEWSのセンターを取れるか?」ばかりを毎日考え、行き着いたのが自分の得意とする歌で勝負することだった。日々ボイストレーニングを重ねて、歌に関しては誰にも負けないというレベルまで追求し、ついには「星をめざして」という曲で山Pとのダブルセンターの座を獲得したのだ。

 

ほかにも、彼のスーパーポジティブ思考は、本書の至るところからビシバシと伝わってくる。チャラいというレッテルすらも最強の武器と捉える。フラフラしているようで、影では努力を欠かさない。そんな意外な一面が垣間見られた。

 

これからもなにかやらかしてくれる男・手越祐也

手越くんといえば、かつてレギュラーで出演していた『世界の果てまでイッテQ!』だろう。うちの娘たちもイッテQが大好きで、一時期「きゃー! 手越くん♡」とテレビに映るたびに騒いでいたので、「まさか手越くんがタイプとは……先行き不安……」と苦笑していたものだ。それくらい影響力が大きく、彼の名を一躍世間に広めたきっかけとなった番組であった。

 

残念ながら現在はイッテQレギュラーではなくなってしまったが、YouTubeの手越祐也チャンネルを覗いてみると、「チャラ男の無人島生活」といったユニークな企画が進んでいた。ちょっとイッテQを彷彿とさせる。多くの視聴者を楽しませていた独特なことばのチョイスと間合いは健在であった。

 

やいのやいの言われ、なにかとバッシングを受けがちな彼だが、チャンネル登録数152万人という数字を見るに、やはりスターなのだなと認めざるを得ないだろう。

 

目立つ存在であるがゆえ批判的な声も多かろうが、「想定内! ティ!」と余裕で受け止めて、我が道を突き進んでほしい。

 

なお、購入者全員サービスの「プレミアム特典動画」も拝見したが、手越くんファンの子猫ちゃんたちにとって鼻血もののサービス特典であったに違いない。ぜひ、私の推しでも見てみたい。今後、アイドルやアーティストのフォトブック特典のデフォルトになれば良いのに! と切に願う。

 

【書籍紹介】

AVALANCHE 〜雪崩〜

著者:手越祐也
発行:双葉社

アイドルグループNEWSを電撃脱退したメンバー・手越祐也の初となるファンブックの決定版「フォトエッセイ」。「NEWSメンバーへの直筆の言葉」入り。

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