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2020/10/2 21:45

成人の3人に1人が愛着障害!?–その譲れないこだわりには理由があった

コロナ禍で、デートをいつまで自粛するかで揉める恋人同士がかなり出ました。一刻も早く逢いたい女性と、安心できるようになってからと考える慎重な男性との間でケンカになるということもしばしば。お互いの考えが食い違う時、どうやってすりあわせていけばいいのでしょうか。

どちらの都合を優先したらいい?

人にはそれぞれのこだわりがあります。たとえば恋愛において「毎晩寝る前に恋人から『お休み』のLINEが来ないと心配で眠れない」という女性も多くいます。けれど彼氏が「忙しい時は連絡しなくてもいいや」という人だった場合、ケンカになってしまうのです。

 

彼女の「連絡が来ないと安心できない」という危機感に寄り添うと、彼氏は「毎日連絡しなくてはならない」というルールを背負うことになり、疲れてしまいます。けれど彼氏の「仕事に集中したい」という希望を優先すると、今後は彼女のほうが「連絡が来なくてもガマンしなくては」ならなくなり、苦しい思いをしてしまうのです。

 

譲れないこだわりには理由がある!?

マンガでわかる 愛着障害』(松本耳子 ・漫画、岡田尊司・監修/光文社・刊)にも同様のエピソードが描かれています。交際が始まったばかりのカップルですが、お互いの愛情表現に違いがあり、トラブルになってしまうのです。彼女のほうは「付き合った途端、彼が冷たくなった」と悩んでいましたが、彼は「感情的になるのは好きじゃないので気持ちを抑え」ることに必死だったのです。

 

恋人ができたら人前でもイチャイチャしたいタイプと、交際を秘密にしたいタイプとがいます。恋のスタンスが違うふたりが交際すると衝突が起きやすくなってしまいます。どちらも自分が望む恋愛を貫きたくて譲れない場合、そのことがきっかけで別れに至ることもあるのです。これは単に恋愛観の不一致で片付けられるのでしょうか。

 

成人の3人に1人が愛着障害!?

本書によると、喜怒哀楽などの感情を作る土台を「愛着」というそうです。乳幼児期の家庭環境の問題(たとえば虐待されたり両親の仲が悪かったりなど)が原因で、この土台に何らかのダメージを受けてしまった場合、この愛着が不安定になり、生きづらさを抱えてしまうこともあるとのこと。なんと成人の3分の1もが愛着不安定なのだとか。

 

愛着には幾つかのタイプがあり、マンガでは「彼の顔色を気にして一喜一憂しがち」な女性は「不安型」、そして「好きという愛情を素直に出せず抑えてしまう」男性は「回避型」に分類されました。愛着の型が違うと、望む愛情表現や交際パターンも違ってきます。今まで性格の違いで片付けられてきたことは、愛着の型の差だったのかもしれません。

 

自分のルールに縛られない

人は恋愛にマイルールを持ち込みがちです。そのため、「どうしても電話してほしい」「どうしても電話は面倒」という不毛の争いを延々繰り返し、疲れ果ててしまうこともあります。「なぜ自分は電話をしてもらえないと不安なのか」「なぜ自分は電話することを面倒に思うのか」と、自問自答すると何かに気づけそうな気がします。

 

マイルールだけを押し付けず、相手の希望を把握し、お互いに丁度いい状態にするにはどうしたらいいか、すり合わせを行う。たったそれだけの配慮で、ケンカは激減するのではないでしょうか。自分の愛着や執着を手放すことは簡単なことではありませんが、恋愛は相手あってのもの。

 

もしかして自分のワガママばかり押し付けてないだろうか、相手の迷惑になっていないだろうか。デートや電話の頻度で揉めた時は、自分の都合だけをゴリ押ししていないか、一度立ち止まって考えてみたいものです。

 

【書籍紹介】

マンガでわかる 愛着障害

著者:岡田尊司(監)、松本耳子(漫画)
発行:光文社

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