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2020/10/22 19:30

どっちが買い? Google初の5Gスマホ「Pixel 5」と「Pixel 4a(5G)」をじっくり比べた

Googleが初めての5Gスマホ「Google Pixel 5」と「Google Pixel 4a(5G)」の販売を開始しました。Google PlayストアではSIMフリーモデルを取り扱い、Pixel 5はauとソフトバンク、Pixel 4a(5G)はソフトバンクも取り扱います。販売価格は下記の通り。

 

Google Pixel 5
SIMフリー版:7万4800円
au:7万9935円(「かえトクプログラム」利用時は4万3815円)
ソフトバンク:8万7840円(「トクするサポート+」利用時は4万3920円)

Google Pixel 4a(5G)
SIMフリー版:6万500円
ソフトバンク:6万5520円(「トクするサポート+」利用時は3万2760円)

↑左がPixel 4a(5G)、右がPixel 5

 

両モデルともに、物理SIMに加えてeSIMが使えるデュアルSIM仕様ですが、キャリア版は購入時にはSIMロックがかかっているので注意が必要です。

↑SIMは1枚しか挿せないが、SIMフリー版またはSIMロックを解除した端末であればeSIMを追加でき、2回線を併用できる

 

↑ただし、デュアルSIMを使う場合は4Gしか利用できず、5Gに接続したい場合は、どちらかのSIMをオフにする必要がある

 

Pixel 5は、昨年10月に発売されたPixel 4の後継にあたるフラッグシップモデル。Pixel 4a(5G)は、そのPixel 4の廉価版として今年8月に発売されたPixel 4aの5G対応モデルです。ということは、Pixel 5がハイエンドで、Pixel 4a(5G)はミッドレンジと考えてよさそうなんですが、そうではないんです。

 

Pixel 4は、Snapdragon 855(最大2.84GHz)を採用する正真正銘のハイエンドモデルでしたが、Pixel 5はひとつグレードを下げたSnapdragon 765G(最大2.4GHz)を採用しています。Pixel 4の目玉機能だった「Motion Sense」という、画面に触れずに操作できる機能も省かれています。一方、Pixel 4a(5G)もただ単にPixel 4に5Gのアンテナやチップを追加しただけではありません。Pixel 5と同じSnapdragon 765Gを搭載し、Pixel 4aではシングルレンズだったアウトカメラも、Pixel 5と同じデュアルカメラへと機能を拡張しています。つまり、どっちも「ミドルハイ」なんですよ。

 

どちらを選ぶべきか? 筆者がいち早く使い比べたインプレッションを参考にしていただけると幸いです。

 

まずはPixel 5とPixel 4a(5G)の違いをチェック!

まず、両モデルの大きな差分を抑えておきましょう。

 

Google Pixel 5
ディスプレイ:6.0インチ(432ppi)
リフレッシュレート:60Hz/90Hz
メモリー(RAM):8GB
バッテリー:4080mAh
ワイヤレス充電:対応
イヤホンジャック:なし
防水・防塵:対応
カラー:Just Black、Sorta Sage
サイズ/質量:70.4×144.7×8.0mm/151g

Google Pixel 4a(5G)
ディスプレイ:6.2インチ(413ppi)
リフレッシュレート:60Hz
メモリー(RAM):6GB
バッテリー:3885mAh
ワイヤレス充電:非対応
イヤホンジャック:あり
防水・防塵:非対応
カラー:Just Black
サイズ/質量:74×153.9×8.2mm/168g

 

Pixel 5のほうがひと回り小さくて、片手での操作性を重視する人には適している印象。残影感を抑えた90Hzの「スムーズディスプレイ」に対応し、ワイヤレス充電と防水・防塵に対応していることも大きなメリットです。

 

↑Pixel 5はボディ幅が70.4mmとスリムで、片手で操作しやすいことが利点。画質にはほとんど差はないが、Pixel 5は最大90Hzのなめらかな表示を得られる

 

一方、Pixel 4a(5G)ならではのメリットといえば、3.5mm穴のイヤホンジャックを備えていること。イヤホンは同梱されませんが、有線イヤホンを使いたい人には、充電しながら音声を聴くことができるので便利です。

↑Pixel 4a(5G)は底部のUSB Type-Cポートとは別に、上部に独立したイヤホンジャックを搭載。充電しながら、有線イヤホンで音楽やゲームの音声を聴くことが可能

 

手にしたときの質感は、それぞれ異なる

前面のデザインは両モデル共通で、パンチホールにインカメラを搭載することで、高い画面占有率を実現しています。ただし、Pixel 5のほうがベゼル(画面縁)が狭く、先進的な印象。横幅が70.4mmに抑えられているので、ほとんどの操作を片手でこなせそうです。

↑Pixel 5は左右のベゼルのみならず、上下のベゼルが細いことも特徴。片手操作で画面のほとんどの場所に指先が届く

 

Pixel 4a(5G)の横幅は74mmで、決して太くはないのですが、スマホケースに入れて持つと、いまどきの大画面スマホという印象で、片手での操作には制約が生じそうです。

↑Pixel 4a(5G)にGoogle純正のケース(Pixel 5用、Pixel 4a(5G)用のどちらも5280円)を付けた状態

 

背面パネルは、それぞれ素材と触感が異なります。Pixel 5は、100%リサイクルのアルミニウム素材を使っていて、サンドブラスト加工のようなザラザラとした手触り。滑りにくく、指紋が付きにくいことが利点です。

↑Pixel 5の筐体にはリサイクルしたアルミニウムが用いられているが、硬質な印象はなく、特殊な塗装を施したような質感に仕上がっている

 

Pixel 4a(5G)は、従来モデルでも採用されていたソフトタッチポリカーボネートを使い、すりガラスのようなサラサラとした質感です。Pixel 5に比べると、指の脂が付着しやすいかもしれません。

↑Pixel 4a(5G)は、光沢を抑えたマットな質感

 

背面には指紋センサーが搭載されています。Pixel 4には指紋センサーはなく、顔認証だけだったのですが、Pixel 5で復活しました。新型コロナウイルスの感染防止のためにマスクを着用することが多い時世なので、顔認証よりは指紋認証のほうが便利でしょう。反応が良く、スピーディーにアンロックできます。

 

指紋センサーには、なぞって通知パネルを表示する機能を割り当てることもできます。Pixel 5はコンパクトとはいえ、片手で画面上端からスワイプするには難しいので、非常に便利な機能だと感じました。

 

↑指紋センサーで通知を表示できるほか、電源ボタンを2回押してカメラを起動できるなど、搭載されているジェスチャー機能は役立ちそうなものばかり

 

カメラの性能は共通。超広角レンズを搭載し、動画機能も着実に進化

Pixel 4はメイン+望遠のデュアルカメラを搭載していましたが、Pixel 5はメイン+超広角になりました。メインカメラは12.2メガピクセルで、1つの画素に2つのフォトダイオードを持つ「デュアルピクセル」を採用し、ピント合わせが速く、明るく撮れることが特徴。新たに搭載された超広角カメラは16メガピクセルです。なお、Pixel 4a(5G)のカメラのスペックも共通です。

↑Pixel 4a(5G)のアウトカメラ。スペックはPixel 5と共通

 

これまでのPixelでは撮影できなかった超広角で撮れるようになったことは、素直に喜びたい進化点。望遠カメラはなくなりましたが、超解像ズームで7倍程度くらいまでなら、画質劣化がさほど気にならずに撮影できます。

↑超広角(視野107°)で撮影した作例

 

↑メイン(視野77°)で撮影した作例

 

↑デジタル2倍ズームで撮影。画質はほとんど劣化しない

 

↑デジタルズームは最大7倍にできるが、7倍でもかなり鮮明な画質が得られる

 

撮影した日があいにくの曇り空だったので、どんよりとした雰囲気の写真になってしまいましたが、ナチュラルな色合いで、細部までくっきり写ることを確認できました。

↑超広角で夜景を撮影した作例

 

↑メインで夜景を撮影した作例

 

↑料理もナチュラルな色で、美味しそうに撮れた

 

↑ポートレートモードで撮影すると、背景をぼかした写真とぼかさない写真の両方が保存される

 

↑明るさとコントラストを別々に調整できる「デュアル露出補正」機能も健在

 

2モデルでいろいろな被写体を撮り比べてみましたが、画質に差はなかったので、カメラについては、どちらを選ぶかを迷う必要はないでしょう。

 

動画は撮り慣れておらず、公開できるような作例は撮れませんでしたが、手ブレ補正が有効で、音声をクリアに録音できることを確認しました。4Kビデオのフレームレートは60fpsを選択できるようになり、撮影シーンに応じた手ブレ補正を設定できるなど、動画撮影機能は、かなり進化している印象を受けました。「YouTube」などの動画を撮る人は、選択肢の1つとして考えてもいいかもしれません。

↑フルHDでは最大240fps、4Kでは最大60fpsで撮影可能

 

↑パン動作を遅くする「シネマティック撮影」など、新しい機能も追加された

 

Pixel 5に向く人、Pixel 4a(5G)に向く人

Pixel 5とPixel 4a(5G)のどちらを買うべきか? 短い期間ながら、2台を使い比べた筆者の意見を述べさせてください。

 

Pixel 5は片手での操作性を重視し、なおかつ「ワイヤレス充電は必須」と考える人に適していると思います。手にしただけでコンパクトさと軽さを実感できることがこの端末の最大の魅力。されど、画面サイズは6.0インチで、決して小さくはないんですよね。ワイヤレス充電は、Qi対応のワイヤレスチャージャーから充電できるだけでなく、Pixel 5からQi対応デバイスに給電できる「リバースワイヤレス充電」にも初対応しました。Pixel Budsなど、Qi対応のワイヤレスイヤホンを持っている人には非常に便利な機能だと思います。

 

↑Pixel 5には、Qi対応のデバイスに給電できる「電池の共有」機能が追加された

 

Pixel 4a(5G)のアドバンテージは価格にあります。Pixel 5に近いスペックを供えつつ、6万500円という価格は、いま日本で買える5Gスマホの中では、かなりお買い得です。ワイヤレス充電が不要で、画面の大きさを重視するなら、Pixel 4a(5G)を選ぶのが得策でしょう。ボディがひと回り大きいからでしょうか、内蔵のステレオスピーカーの音質もPixel 5よりも若干良いように感じました。

↑左がPixel 4a(5G)で、右がPixel 5。画面が大きく、1画面に多くの情報を表示できることは、シンプルにPixel 4a(5G)のメリットと言えよう

 

さて、あなたならどちらを選びますか? それとも、Pixel 5よりもさらに小さいiPhone 12 miniを待ちますか?

 

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