2020年の「お家時間」に関わる【お掃除アイテム】【キッチンアイテム】【室内DIYアイテム】の3カテゴリーの売れた商品を、カインズに聞く本シリーズも今回で最終回。【室内DIYアイテム】で2020年売れた商品を6つ紹介します。
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2020年は、それまでオフの空間だったはずの「自宅」でリモートワーク、オンライン会議などを行う必要に迫られた人は多かったと思います。つまり、オン・オフを同じ自宅で行うことが多かったわけですが、空間を合理的に、より良く過ごせるようDIYで自宅をアレンジされた方も多かったようです。ということで最終回【室内DIYアイテム編】を、カインズ昭島店・立野 武店長に紹介してもらいます!
【今年売れた室内DIYアイテム①】フリース壁紙&ウォールペーパー
立野 武店長(以下、立野) 今年は壁紙がずっと好調です。理由は、リモートワークのオンライン会議などで、「自分の背景を綺麗に見せたい」という人が多かったことが一つ。そして、もう一つが、巣ごもりで長時間過ごす自分の空間をより良くしたい人が多かったことだと思います。
カインズではいくつかのDIY用の壁紙を扱っていますが、大別して、はくり紙をはがしてすぐ貼れるもの(フリース壁紙)、裏側にノリがついていないもの(ウォールペーパー)の2つがあります。はくり紙をはがして貼るタイプは、すでに家の中に貼られているビニール製壁紙の上に簡易的に貼ることもでき、また剥がしやすいもので、前述のオンライン会議の背景などに使われることが多かったようです。また、裏側にノリがついていないタイプは、簡易的に貼る場合、はがしやすい壁紙用両面テープなどを使って貼ります。本格的に貼りたい方は壁紙専用ノリを使って貼ります。このように、簡易的・本格的両方のニーズに応えられたところも、売れた理由ではないかと思っています。
【今年売れた室内DIYアイテム②】室内装飾用マスキングテープ各種
立野 壁紙もそうでしたが、もっと気軽に家の中を装飾されたい方に人気があったのが装飾用のマスキングテープ類です。幅、柄とも様々なものを用意しており、センスや空間に合わせて選んでいただけるようにしていますが、柄によっては今でも売り切れが出たりしています。好調の理由はやはり巣ごもりで、「お部屋・空間を良くしたい」というニーズによるところが大きいと思います。中にはガラスに貼れるマスキングテープもあり、こちらも好調に売れ続けていますね。
【今年売れた室内DIYアイテム③】塗装していない木材に塗れる塗料類
立野 室内で使用しても安全な食品衛生法に適合した塗料・ステインカラーズも好調でした。自宅の装飾をより自分らしく飾りたい女性からのニーズが多く、室内にある木材などに使われることが多かったように思います。200mlの塗料で塗れる面積は1回塗りで約4平方メートル、2回塗りで約2平方メートルと、ちょっとした小物なら十分な容量です。このことも支持を得られた理由だと思っています。
【今年売れた室内DIYアイテム④】ペンタイプの塗料
立野 前述の塗料を、さらに使いやすくした商品です。蓋を開けたらすぐに使えるペンタイプのもの。匂いも少なく、こちらも女性のお客さまからのニーズが多い商品でした。もちろん、食品衛生法に適合し、安全に使っていただける点は前述の塗料同様です。
【今年売れた室内DIYアイテム⑤】釘やネジが要らない六角ラック
立野 作業用の手袋とゴムハンマーさえあれば、釘やネジを使わずに組み立て・解体・増設ができる針葉樹合板製の六角形ラックも好調でした。自由に組み換えられるほか、拡張していけるので、使う人にとってアレンジできるアイテムです。もちろん、前述の塗料類を使えば、より個性的なアイテムに仕上げられると思います。
【今年売れた室内DIYアイテム⑥】耐久力のあるACタップ
立野 室内用ではありながらも、スチール製で足で踏んでも壊れないくらい耐久性に優れたACタップもよく売れました。雷サージに対応しているほか、使用電力がオーバーすると自動で電源オフになる点が特徴です。
【まとめ】コロナ禍によって従来の顧客以外の来店者が増加
ーーカインズのDIY商品のうち、特に室内用のものについて特徴をお聞かせください。
立野 室内用のDIY商品のうち、特に扱いやすくしているブランドがKumimokuで、DIY初心者の方、女性の方でも扱いやすいものばかりを取り揃えています。経験がなく特別な道具を持っていなくても、すぐにDIYをしていただけるラインナップですが、今年は特に女性のお客さまに支持をいただきました。
特に20~30代の方が多く、これまでのカインズの顧客層とはまた違う層の方にご来店いただけたのは嬉しいことでした。やはり顧客層は広いほうが良いですので。
また、こういった室内でDIYを楽しんでいただいた後、「自分で装飾をすると、意外と楽しいな」「家の修繕も自分でできるかもしれないな」と、さらに深くDIYを行っていただける可能性もありますので、これからもこういった初心者向けDIYアイテムは注力していきたいと思っています。
ーー一般的に流通している商品も数多く取り揃えているカインズですが、こういったナショナルブランドと、カインズのプライベートブランドとの差別化はどのように考えておられますか。
立野 カインズではナショナルブランドの商品を数多く取り扱っており、各商品の優れた点を熟知しています。こういった商品を扱いながら、機能・価格面で「もっと良い商品ができないか」と常々考え、新しい商品に展開しているのがカインズのプライベートブランドです。
ですから、一般的なナショナルブランドのメーカーが「製造業」であるのに対し、カインズは「製造小売業」なんですね。製造だけでなく小売もする。小売だけでなく製造もする。そこがナショナルブランドとカインズのプライベートブランドの違いです。
また、カインズではお客さまの声を生で聞く機会が多く、社内スタッフが家庭で感じている困りごとを、常に吸い上げて開発しています。こういったことも、カインズのプライベートブランドに「使いやすく」「他にない」商品を多く展開できている理由だと考えています。ナショナルブランドでも良いものはたくさんありますが、ぜひ見比べてお選びいただければと思っています。
ーー最後に2021年以降のカインズの思いをお聞かせください。
立野 ホームセンターと言うと、もう何十年も前から、どこか泥臭いイメージがあります。でも、今年のコロナ禍で、それまではホームセンターに来られたことがないお客さまも多くご来店くださいました。こういったニーズをありがたく思いながら、来年以降もより幅広い商品・サービスをご提供し、地域でのご支持を継続していけるよう努力していきたいと思っています。
カインズで2020年売れた室内DIYアイテムは、コロナ禍によって、それまでにDIYに触れたことがないお客さんからの支持が強く影響したようでした。3回にわたって紹介した「カインズでよく売れた商品」も今回で終わりですが、2021年以降の売れ行き動向はどうなるのでしょうか。2021年の今頃、2020年との差を見られると良いなと思っています。
撮影/黒飛光樹
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