もうすぐクリスマスですが、サンタクロース追跡サイトとアプリがあるのをご存知ですか? 北アメリカ航空宇宙防衛司令部(通称、NORAD)がサンタクロースの居場所を追跡しており、この取り組みは今年で65周年を迎えています。クリスマス本番を迎える前に、世界中の子どもたちに夢を与えている「NORAD TRACKS SANTA(ノーラッド・トラックス・サンタ)」をチェックしてみましょう。
北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、冷戦時代にアメリカとカナダが北米上空の観測や監視を行うために設立した組織です。そんな機関がサンタクロースの追跡を始めたきっかけは、子どもからの間違い電話でした。1955年、アメリカの百貨店が「サンタさん直通電話」を載せた新聞広告を出したのですが、その電話番号には誤りがあり、電話をかけると、NORADの前身の大陸防空司令部(CONAD)にかかってしまったのです。おかげでCONADにはサンタクロースと話をしたい子どもたちから次々と電話がかかってきましたが、CONADは子どもたちにサンタクロースの現在地を伝えることにしました。
それ以来、NORADはクリスマスの時期になると毎年サンタクロースの現在位置を追跡しています。同司令部には「サンタクロース・ホットライン」が設けられ、ボランティアの人たちがそこで働き、世界中の子どもたちにサンタクロースの居場所を伝えています。近年では、インターネットの普及に伴い、NORAD TRACKS SANTAというサイトも開設。現在は、英語のほか、日本語や中国語、フランス語、イタリア語など8か国に対応し、スマートフォン向けアプリもリリースされています(Apple StoreやGoogle Playで入手可能)。
サンタクロースの追跡は、人工衛星やジェット戦闘機の最新鋭システムなどを使ってリアルタイムで行われるそう。サンタクロースが世界をまわるルートは、南太平洋の日付の早い国から始まります。ニュージーランド、オーストラリアの次に日本へ到着。アジアのほかの国々もまわり、ヨーロッパに行き、その後にカナダとアメリカを経て、南アメリカへ飛びます。
新幹線の100倍も速く移動すると言われるサンタは、24時間以内に世界中の子どもたちのもとを回っていくそう。ただしサンタクロースのルートは、その日の天候に影響を受けるため予想するのが難しいとNORADは述べています。しかし、だからこそ役に立つのが追跡アプリ。NORADは、サンタクロースが12月24日の午後9時から深夜0時(各国の現地時間)までの間に子どもたち一人ひとりの家に到着すると発表しています。
面白いことに、北米ではサンタクロースをNORADの戦闘機がガイド役になってエスコートするとのこと。さらに、2020年は国際宇宙ステーションに人類が滞在し続けて20年目となることから、サンタクロースがISSから飛び出すパフォーマンスもあるのだとか。アプリならISSの現在地も確認することができるそうです。ちなみに、今年のサンタはマスクもしているそう。
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このサンタクロースの追跡は、アメリカ東部標準時間で12月24日の午前4時(日本時間で12月24日の午後6時)からスタート。アプリとサイトで随時サンタクロースの現在地を確認しながら、ワクワクしたクリスマスイブを過ごしてみてはいかがでしょうか?