世界中でどんどん開発が進む電気自転車。そのなかでも奇抜な形で一際注目を集めているのが、アメリカの「アプテラ」の電気自動車です。外観はまるで宇宙船ですが、予約開始からあっという間に330台が完売したとか。一体どんなクルマなのでしょうか?
電気自動車は環境に優しく、振動や騒音が少ないといったメリットがあることで知られていますが、デメリットもあります。その1つが充電時間で、ガソリン車なら給油は5~10分で終わりますが、電気自動車は最低でも30分程度の充電時間が必要。だからこそ、これからの電気自動車には充電にかかる時間は少なく、航続距離は長いものが求められています。しかし、そんな問題を少し変わった視点から解決したのが、アプテラの電気自動車です。
このクルマの最大の特徴はソーラーパネルを搭載していること。運転をしながら太陽光で充電でき、日常使い程度であれば十分その分の電力を補えるということで、ほとんど充電する必要がありません。しかもバッテリーは、従来型の電気自動車の5倍にあたる100kWhを備えており、航続距離は1600㎞にもなります。ここまでの航続距離が必要ないなら、60kWh、40kWh、25kWhの小型バッテリーを選ぶこともでき、航続距離はそれぞれ965㎞、644㎞、402㎞となります。
また、アプテラの電気自動車は独特なデザインにも注目しないわけにはいきません。フォーミュラ1からインスパイアされたというフォルムは空気抵抗の少ない流線形で、後部座席はなく、タイヤ3本で走行します。寸法は全長4.4m、横幅2.2m、高さ1.4mで、近未来的な装いをした2人乗り電気自動車となっています。
気になる販売価格は、2万5900ドル(約270万円)から。航続距離やオプションによって、最大で4万6000ドル(約480万円)になります。アプテラによると、3Dプリントの技術を用いており、構成部品はわずか4つだけ。そのため、製造プロセスを簡易化して短期間で低価格での製造が可能なのだそうです。
2021年の納車予定となっていた初回の330台は、予約を開始してからわずか24時間以内に完売となりました。12月11日からも予約を受け付けていますが、予約件数は3000件以上になっているのだとか。
いままでありそうでなかった、太陽光発電できる電気自動車。未来の街中には、こんなカタチの電気自動車もたくさん走っているかもしれません。