モバイルディスプレイをノートPCの上に配置するには、ディスプレイアームが必要だが、キッチンやリビングの机にはアームを固定するのは現実的ではない……。そんな時に活躍したのが、サンコーの「超安定モバイルディスプレイ&タブレットスプリングアームスタンド」(実売価格3980円)だった。
筆者はフリーライターとして在宅中心で仕事をしているが、約13インチのノートPCのディスプレイだけでは作業画面が小さすぎて足りず、サブディスプレイの利用が必須だ。もちろん書斎として機能する部屋には、専用のサブディスプレイをどんと据え置きしてあって、ケーブルを挿入するだけで快適な作業ができる。しかし、たまにはダイニングテーブルで息抜きしながら作業したくなる日もあって、そうした場合にはどうしても作業効率は下がってしまう。
こうした課題を解決するのがモバイルディスプレイだ。製品の組み合わせにもよるが、ノートPCにUSB Type-CーCケーブルを装着すれば、画面拡張もすぐ完了する。頻繁な移動を伴うフリーアドレス制のオフィスや、在宅勤務では非常に使い勝手がよい。
しかし、筆者には1点気になることもあった。実は、ノートPCの”横”にディスプレイを並べるのが苦手なのだ。書斎のデスクに設置しているサブディスプレイも、ノートPCのディスプレイの”上”に並ぶように配置していて、キーボードのホームポジションと、視線の動きは体の中心線に合わせたい。個人的に、この方が執筆業務や事務作業を長時間行ううえで、明らかに負担が少ないのと感じる。
では、ダイニングテーブルで作業する際に、これを実現するにはどうするか、と考えた時にサンコーの「超安定モバイルディスプレイ&タブレットスプリングアームスタンド」を見つけ、「これだ!」と思いすぐ購入した。
面倒な設置準備が不要で便利
同製品の特徴は、”机に固定せずに使える”モニターアームであることだ。万力のように机を挟んでネジをぐりぐりと締め上げる必要がないぶん、ダイニングテーブルや床など、どこにでも設置できる。まぁ、机にA4用紙くらいのサイズ感がある底板部分がどっしりと存在感を放っている点は気になるが、ひょいっと持ち上げてすぐに片付けられるので、非常に取り回しがよい。
固定できるディスプレイは、15.6インチまで、耐荷重は700gまでとなっており、 一般的な外付けモニターをつけるにはやや頼りない。しかし、モバイルディスプレイ用iPadシリーズなどのタブレットを固定するには十分な仕様だ。筆者は主に、アイリスオーヤマ製の15.6型ポータブルモニター「ILD-A1616MS-B」をこれに固定して使っている。また、iPadでMacBookの「Sidecar」機能を使うような場面でも便利だ。
「超安定モバイルディスプレイ&タブレットスプリングアームスタンド」の組み立て方はシンプルで、工具も必要としない。底板にアームを差し込み、ネジで固定する。アームの角度もネジで固定できる。ホルダー部分は、タブレット用とスマホ用の2サイズが同梱されているので、モバイルディスプレイを装着する場合には、前者を選択しよう。
ホルダー部に専用の金具をはめ込んで固定。そして、その金具をアーム部に用意された金具に差し込んで、ネジで固定すれば準備完了だ。あとはホルダーをグッと開き、ディスプレイを挟むようにして固定する。ディスプレイに触れる部分は柔らかくなっているので、デバイスを傷つける危険性も少ないだろう。なお、アームやディスプレイの角度調整は片手でも簡単に行えるほど、スムーズだ。
【取り付けの詳細はギャラリー形式で解説!画像をタップすると詳細が表示されます】
視点の移動が少ないので負担が激減
MacBook Proのディスプレイの上部にサブディスプレイが並ぶように配置すれば、ブラウザで調べ物をしながらの資料作成や、カレンダーを開きながらのメールチェックなどが容易になる。何より、先述した通り、首や体を左右にひねらずに済むので、心身ともに負担が少ないのが嬉しい。
また、書斎でもデュアルディスプレイで足りない場合に、これを使えば縦並びでトリプルディスプレイを配置できる。机の広さにもよるだろうが、常にアームで固定したいわけではないという人にとっても使いやすいかもしれない。
モバイルディスプレイやiPadでマルチディスプレイ化を試みてはみたものの、横並びではどうしてもしっくりこなかったという人はぜひこうしたアームで縦並びに挑戦してみて欲しい。なお、底板を含め、重さはそこそこあるので、小さなお子さんやペットなどがいる家庭では、転倒させないように気を配る必要はあるだろうが、配線などをうまく工夫すれば安全に使えると思う。
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