9月15日に開かれた2021年のApple Event。毎年イベント前になると、多くのユーザーの間でその年に発表される新作について噂が飛び交い、Appleへの期待が膨らみます。しかし今回は、米ワシントン・ポストが「わくわくするような内容ではなかった」と述べているように、「残念!」という声が多いようです。どの点がガッカリだったのか、欧米メディアの報道を中心に集めてみました。
1: USB-Cがない
今回発表されたiPhone 13シリーズでは、全4モデルに映画のような奥行き感のある映像を撮影できる「シネマティックモード」が搭載されます。カメラ機能が強化されたほか、1TBのストレージを備えるモデルが出るなど、さまざまな変化がありますが、外部接続端子はLightningのまま。USB-Cは、Androidのスマートフォンやタブレット、PCなどに幅広く採用されているため、これまでにもiPhoneにUSB-Cを望む声がありましたが、結局、今回もUSB-Cは採用されず。それにがっかりするユーザーが多かったようです。
2: 衛星通信は噂でしかなかった
今回のイベント前に、「iPhone 13では衛星通信での緊急通報ができるようになるらしい」という噂が流れていました。従来の4Gや5Gではなく、衛星通信ができるようになれば、圏外にいても救急や警察などへの緊急通報が可能になるとか。これまでにもAppleは衛星通信機能の搭載を目指していることが報じられており、今回の発表前には米ブルームバーグが、Appleアナリストの情報をもとに「iPhone 13には衛星通信が搭載される」と予測していたほど。しかし、ふたを開けてみると、衛星通信機能は搭載されなかったため、「噂は、ただの噂でしかなかった」という声がネットに溢れています。
3: 指紋認証がない
衛星通信と同じように、iPhone 13に期待される機能としてあったのが指紋認証です。iPhoneでは2017年に発表されたiPhone Xから顔認証機能が採用されているのですが、コロナ禍でのマスク生活が長期化し、指紋認証機能を望む人は多くいた模様。しかし、iPhone 13には指紋認証機能は搭載されず、これまた「やっぱりないのね……」と残念な声がネットで多く見られます。
4: ストリーミングサービスは?
「California Streaming(カリフォルニア・ストリーミング)」と名付けられていた今回のApple Event。ただし、ストリーミングサービスに関する発表内容は、サブスクリプション型オンライン・トレーニングサービス「Apple Fitness+」が2021年中に15か国で開始されるものぐらいでした。
コロナ禍ということで、今回のイベントは、Apple公式サイト内の特設ページやAppleのYouTubeチャンネルなどでライブストリーミング配信されました。そのためAppleは、ストリーミングサービスを目玉に紹介するのではなく、「このイベントをストリーミング配信する」という意図で、「California Streaming」というタイトルにしたのかもしれません。しかし、ストリーミングサービスへの期待が高まっていただけに、それほど多くのサービスが発表されたなかったことで、多くの人が落胆。米ワシントン・ポストは「Lots of dreaming, not much streaming(夢は多いが、ストリーミングはあまりない)」と皮肉って報じていました。
このような点を理由に、Appleファンたちからは「大したアップデートではなかった」などの声が多く上がっています。英BBCニュースは「今回アップデートされた内容は保守的で無難な内容だった」と述べつつ、同ニュースのテクノロジー担当記者は「Appleの評判といえば、革新的であることだが、今回のイベントから考えると、その評判はもはや古い」とやや辛辣に評しています。Apple製品は漸進的な変化を遂げていますが、人々の期待が大きい分だけ、失望も大きいようです。