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2022/1/10 19:30

ディレクター用サインペン「フィラーレディレクション」は指示出しの全動作折込済みの隙のなさだった

ほとんどの業種において、コロナ禍で仕事の進め方が大きく変わった、というのはもはや疑いようのないところだろう。在宅ワーク・テレワークなんていうのはその最たるもので、これまでとは違うシステム下での働き方へと全体的にシフトしつつあるのは間違いない。とはいえ、流行の“DX”などということではなくて……シンプルに、“仕事用の文房具”もちょっと変わってきているよね、という話である。

 

例えば、最近は書類のファイリングツールに注目が集まっているのだが、これはオフィスではなく個人単位での書類管理の必要性が高まっている、ということだろう。

 

また、どっしり座って落ち着いて書きものをするのに最適な低重心のペン(先日紹介した300円帯ボールペンなど)の新製品が立て続けに出ているのも、実はそういう流れの中にあるのかもしれない。

 

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そういった中でまたひとつ、新しい仕事環境にフィットした面白い筆記具が登場したので、紹介してみたい。

 

部下に指示を出すならサインペンがいい! を体現するゼブラ「フィラーレ ディレクション」

ゼブラから発売された「フィラーレ ディレクション」は、ディレクション(=指示・指揮)の名の通り、管理職やグループリーダーなどの地位にある人が、部下に説明や指示をするのに最適! というサインペンである。

 

そういうポジションの人が使うものなので、もちろん見た目が安っぽいようでは話にならない。高級感があってどっしりした金属軸のツイスト式、という仕様だ。

ゼブラ
フィラーレ ディレクション
2200円(税込)

 

↑ボディをひねると、先端からサインペンのチップがニュッと現れる

 

そもそもこの「ツイスト式のサインペン」というのが、かなりユニーク。なにしろサインペンはボールペンよりもチップの表面積が大きいため、インクが乾燥しやすい。実際に思い返してもらえれば、皆さんがこれまで使っていたサインペンは、どれも密閉性の高いキャップ式だったはず。

 

しかしゼブラは、2019年に発売したノック式サインペン「クリッカート」で、大気中の湿気を自ら吸収して乾燥を防ぐ「モイストキープインク」という技術を開発している。ノック式ができるんだから、もちろんツイスト式サインペンだってなんの問題もなく作れちゃうのだ。

 

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↑ノック式の「クリッカート」(左)とは、同じモイストキープインクを搭載する兄弟のようなもの。ただし価格は20倍ほど違う

 

ところで、なぜ「説明や指示出しにサインペン」なのか? というと、これは簡単。筆記線がボールペンよりも圧倒的に太くてハッキリしているからだ。

 

例えば書類に指示書きをする場合でも、サインペンで太い文字を書いた方が伝わりやすいのは明らか。小さな文字をチマチマ書いていたら読み飛ばされるかもしれないし、なによりも長い文章は誤読の危険性もある。短いワードを大きくグイッと、が重要というわけ。もちろん、ビデオ会議でノートやスケッチブックに図を書いて見せるなどにも、太い線と大きい字の方が良いのは簡単に想像できるだろう。

↑画面内の小さなフレームでもきちんと読み取りやすいのが、サインペン字のメリット

 

トレンドに逆行⁉︎ 高重心の理由

さらに、この高級感のある金属軸にもちょっと面白い工夫がされている。握ってみると分かるが、このサインペンは重心がかなり上側に配置されているのだ。昨今の低重心筆記具ブームの中ではやや不思議な感じもするが、実はこれも意図があってのこと。

↑常識的にはかなり不自然な握り位置だが、「フィラーレ ディレクション」に限ってはこれが正解

 

試しにほどよくバランスの取れる部分を探っていくと、おそらく上写真のような持ち方になるはず。この持ち位置は先端が長くなる=移動量が大きくなるため、大きい字が書きやすいのだ。

↑この握りだと、自然と文字が大きく書けるのが面白い

 

ボールペンではNGとされる“寝かせ書き”のかたちになってしまうが、サインペンはチップが紙に触れていれば問題なくインクが出る。つまり、筆記にはなんの支障もないのである。

 

正しく重心バランスのとれる位置で持って書いてみると、安定して手に乗るためか、指先の操作に対する追随性も充分。スイスイと先端が軽く大きく動かせるので、思った以上に快適な書き味が得られた。これは本当に気持ちいい。

 

軸の先端にも隠された機能があった!

もうひとつ、軸のデザインに少し不思議な点があるのにお気づきだろうか。よく見ると、クリップや軸中のリングがシルバーなのに対して、先端だけがゴールドになっているのである。

 

実はこれにも理由がある。「フィラーレ ディレクション」を指示棒のようにして図表や文章を指し示すと、この先端のゴールドがキラッと非常に目立つのだ。

↑指示棒として使う際には、先端のゴールドパーツが視線を集める

 

しかも、前述の先端を長めに取る持ち方は、書きながら指し示す、というやり方にも最適。まったく、隅から隅までディレクションワークにフィットしたペンと言えるだろう。

 

リフィルの互換性に気づいてしまった……

↑専用の金属リフィルは交換も簡単。ところでこの形状とサイズ、どこかで見たような……?

 

モイストキープインクは、ペン先チップを収納した状態なら52週は乾燥知らず。うっかり放置してカスカスになる不愉快さを味わう機会もそうはなさそうだ。

 

また、インクが切れた場合は、専用リフィル(税込220円)と交換可能。用意されているインク色は黒と赤のみ……なんだけど、実はこのリフィル、金属軸である以外、径や長さは「クリッカート」のリフィルと同じ。つまり、互換性がある!

↑なんと「クリッカート」のリフィルと同じサイズ!

 

なんなら36色ある「クリッカート」から好きなインク色を選び放題ということで、より指示出しに目立つ色を模索してみるのも楽しいかもしれない。

 

 

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