三菱電機は2月22日、ユーザーの生活全般をサポートする会員制ポータルサイト「くらし×おトク+サイト」をオープンしました。家電製品の賢い使い方からメンテナンス情報、さらに外部サービスと提携した調理レシピやフードデリバリーなどをワンストップで提供するものです。三菱電機製品のユーザーだけでなく誰でも利用できるのが特徴で、同社としては2025年までに50万人の登録を目指しているそうです。
↑三菱電機が新たに立ち上げた「くらし×おトク+サイト」のトップ画面
暮らしに役立つ情報からフードデリバリーまで、生活を豊かにするコンテンツを配信
「くらし×おトク+サイト」が提供するコンテンツは、大きく3つのジャンルに分かれます。それぞれの内容を見ていきましょう。
①毎日の暮らしに役立つ情報の発信
1つは、毎日のくらしに役立つ情報の発信。電子レンジやレンジフードのお手入れといった家電製品の使い方やメンテナンス情報だけでなく、シンクやお風呂の掃除など、生活全般に役立つ情報をコラム形式で提供します。
さらに、レシピサービスの「Nadia(ナディア)」と提携し、三菱家電ファンサイトも立ち上げ。ナディア所属の4人のプロ料理家が三菱家電アンバサダーとなり、三菱の調理家電を使ったレシピを紹介するものです。
②コミュニティサービス
2つめが、コミュニティサービス。会員同士が情報や意見を交換しあったり、三菱サイドに意見や要望を伝えられる場となります。こちらはサイトローンチには間に合いませんでしたが、近日中にオープン予定とのことです。
③豊かな暮らしをサポートするサービス
3つめが豊かなくらしをサポートするサービスで、内1つが有機野菜・無添加食品やミールキットの宅配サービス「Oisix(オイシックス)」と連携した、フードデリバリーサービスとなっています。当初は、オイシックスの既存商品の一部を期間限定(3月31日まで)で特別価格(30~40%割引)にて販売します。将来的には、三菱電機の調理家電がもつ特徴を活かせる食品や、専用のミールキットの販売を予定しているとのことです。
加えて、ハウスクリーニングサービスも提供。申し込みから訪問日の確定まで、すべてウェブ上で完結するワンストップサービスとなっています。当初は三菱電機製のエアコンクリーニングが対象となっており、関東1都3県の一部地域からのスタートですが、今後対象エリアを拡大してく予定です。さらにレンジフードなど、他のクリーニングサービスも展開予定です。
「くらし×おトク+サイト」は20個程度のコンテンツでスタートしましたが、三菱としては3月末までには100までコンテンツを増やしたいとのことです。
「コロナ禍で生活が一変した。家事の負担が増えたり、フードデリバリー需要が伸びたりと、人々の生活スタイルはさらに多様化している。その中で、従来どおりの家電機器単独訴求ではユーザーを満足させることは難しい。日々の生活の中で発生するストレス、困りごと、ニーズを解決する情報やサービスを提供することでユーザーから評価を得て、必要とされる存在になりたい」と、三菱電機リビング・デジタルメディア事業本部家電映情事業部の清水 勉事業部長は説明します。“モノからコトへ”を実践することで、三菱のファンを増やし、それを製品販売へとつなげたい考えです。
自社のIoT家電を管理するアプリとの連携を狙う
なお同社は現在、自社のIoT家電を一元管理するスマホアプリ「MyMU」を運営しており、2022年度中には「くらし×おトク+サイト」とアカウントを統合し、両サービス間で連携していくとしています。例えば、エアコンの稼働状況に合わせたお手入れ方法の指南やクリーニングサービスへの誘導、故障の際の受け付けを一元管理したり、炊飯器を使った自動調理レシピを検索したら、その温度や時間の設定を自動的に炊飯器にダウンロードしたり、といったことができるようになります。
ただ、三菱ではすでに会員制サイト「CLUB MITSUBISHI ELECTRIC(CME)」を運営しています。こちらは三菱電機の家電製品を購入したユーザーを主なターゲットとしており、「くらし×おトク+サイト」とは切り分けていくとしていますが、「くらし×おトク+サイト」もエアコンクリーニングやレシピのように三菱ユーザーをターゲットにしており、2つのサイトの関係性が少々分かりづらい側面があります。生活家電も今や、IoTを使ったソリューションが不可欠な時代に突入しています。三菱電機が今後、どのようにIoTサービスを整理・統合・進化させ、同時に家電製品そのものも進化させることで、われわれの生活を豊かにしてくれるか、注目していきたいところです。