春は転勤や進学など、さまざまな理由で引っ越しをする人が多い季節。新しい家で生活をスタートする大切な人へ、お祝いの気持ちを込めたギフトを贈りたい、そう思い立ったらどうすればいいでしょうか?
引っ越し時期はせわしなくなりますし、贈る物も喜ばれ、新居に華を添えるような物にしたいですよね。ギフトコンシェルジュの河野ひろこさんに、引っ越し祝いを贈るタイミング、ギフトを選ぶ時のポイント、おすすめのアイテムなどを教えていただきました。さらに、“お祝い返し”のマナーについても紹介します。
いつ、どんなギフトを贈ればいい? 引っ越し祝いのマナー
引っ越し祝いを贈る前に知っておきたいことを河野さんにうかがいました。まず、どのタイミングで贈ればいいのでしょうか?
「引っ越し祝いを贈るタイミングは、移動や荷ほどきが終わり、一息ついた頃がベストです」(ギフトコンシェルジュ・河野ひろ子さん、以下同)
では、どんなギフトが望ましいでしょうか?
「ギフトを選ぶ時は、相手との関係性や、家族構成といった状況を踏まえて考えることが大切です。また人によって引っ越しをする理由もさまざま。例えば、結婚を機に新居に移る人、大学入学に合わせて一人暮らしを始める人で、必要なものも異なります」
・仲がいい友人の場合
「お互いの趣味・趣向をある程度把握しているため、ギフト選びもしやすいですよね。親密な関係だからこそ、自分が使ってみてよかったものを贈っても良いかもしれません」
・同僚や上司など仕事関係者の場合
「必ず使える生活必需品や、食べ物など消費できるものを選ぶと失敗がありません。ちょっと高級なお肉やお酒、上質なバスアイテム、最近だと消毒ジェルなどの衛生用品も人気のアイテムです」
・結婚や転勤などを機に、まったく新しい地へ引っ越す人の場合
「慣れない土地で心身ともに疲弊しているはず。そんな疲れを癒す、バスグッズなどのリラックスアイテムがおすすめです」
せっかくのお祝いがタンスの肥やしになってしまうのは、貰った側と贈った側、双方にとって残念なことです。そんな事態を避けるためにも、あらかじめどんなものが必要か聞いてみるのも、手段のひとつです。
ギフトを選ぶときに気を付けて! 引っ越し祝いのNG 3
引っ越し祝いに贈るのを避けた方が良いものもあります。まず大前提として、お相手の趣味に沿わないものは選ばないということ。その上で、気を付けたいポイントが3つあるそうです。
1.住居の壁に穴を開けるもの
壁掛け時計や絵画といった、賃貸・持ち家を問わず、せっかくの新居に傷をつけてしまうものは、お相手の要望が無い限りは避けた方が良いでしょう。
2.場所をとる大きなもの
家具や大きな観葉植物など、部屋のレイアウトや収納を圧迫してしまうような、大きすぎるものもできれば控えましょう。
3.火を連想させるもの
火事と結びつく「火」を連想させるアイテムは、縁起が悪く引っ越し祝いには不適切だと考えられています。近年ではあまり気にしない人も多いマナーですが、目上の人や年配の方に贈るのは避けた方が良いでしょう。
「住環境が変わるということは、新しい暮らしへの期待感だけでなく、大きな労力やストレスを伴うものです。慣れない土地で不安な気持ちになる人もいるでしょう。引っ越し祝いは、『引っ越しをする人にとって新生活が快適で良いものになりますように』という応援の気持ちを込めて選ぶと良いと思います」
新居での特別なひと時を……
引っ越し祝いにピッタリなおすすめギフト
それでは具体的にどのような品を贈ればいいのでしょうか? 家族で楽しんでもらえる食べ物や飲み物から、暮らしを豊かにするアイテムまで、新たな門出をお祝いする特別なギフトを河野さんにセレクトしていただきました。
・スペシャルな気分が味わえる、オーダーカット和牛専門店のお肉
TOKYO COWBOY「和牛ステーキ各150g x 2種 和牛ローストビーフ【LIGHT】250g相当 オリジナルギフトボックス」1万2760円(税込)
「黒毛和牛オーダーカット専門店。切りたてで鮮度の高いお肉を部位ごとに販売しています。“しゃぶしゃぶ用”“ステーキ用”など、調理方法で商品を選べたり、お相手の家族構成によって量を調節できたりするのも便利なポイント。調理済みのローストビーフも絶品です」
・高級ホテル御用達の高級フルーツジュース
アラン・ミリア「ジュース・ネクター(330ml) 5本ギフトボックス)5500円~
※選ぶジュースの種類によって価格が異なります
「フランスのミシュラン4ツ星、5ツ星ホテルのほとんどで取り扱いがあるというリッチなフルーツジュース。大人から子どもまで楽しめるのも魅力のひとつです。数種類からセレクトした商品をギフトボックスに詰めて発送してもらえます。1本からでも購入可能です」
3.華やかなお祝い気分を盛り上げるシャンパンフラワーボックス
サンジョルディフラワーズ ザ・デコレーター「Champagne Box」9460円~2万1340円(税込/送料別)
「フラワーアレンジメントとシャンパンのギフトボックス。お相手のイメージに合わせてお花のカラーやサイズを選べます。ボックス入りなので花瓶を用意する必要がなく、負担がかからないのも嬉しいポイント。シャンパンでお祝いの乾杯もできて一石二鳥です」
4.新居でのおうち時間を快適にする、今治タオルケット
kontex「モクリネンタオルケット」1万5400円(税込)
「今治タオルのブランドが作った、コットン60%にリネンを40%織り込んださわやかな質感のタオルケット。どんなインテリアにもなじみやすいシックな色合いです。リビングのソファにかけておいたり、テーブルクロスにも応用できる便利なアイテムです」
5. 引っ越しで疲れた心と体に癒しのひと時をもたらすホームフレグランス
THREE「ホームフレグランス」全3種(オープンマインド/ポッシビリティ/レリーヴド)各74ml 3960円(税込)
「オーガニック、国産原料にこだわったスキンケアコスメブランドの、香りで空間を彩るアイテムです。使用場所やシーンに合わせた3種類のラインナップ。上質なフレグランスは気分をリフレッシュさせるだけでなく、引越し疲れを癒してくれるはずです」
6.縁起がよくて実用的なステンレス洋包丁
日本橋木屋「No.180 鎌型 エーデルワイス・ステンレス刃物鋼 180mm ポリアセタール樹脂柄」9900円(税込)
「包丁は『未来を切り開く』という意味から縁起が良い贈り物とされています。日本橋木屋オリジナルの『エーデルワイス』シリーズは、錆びにくい上に切れ味も抜群。初めて一人暮らしをする料理初心者にもおすすめです」
引っ越し祝いをもらったら、「内祝い」はどうしたらいい?
逆にお祝いを貰った時は、お礼の気持ちを込めてお返し(内祝い)をしましょう。内祝いとは、自分自身におめでたいことがあった際に、周囲の人達へ「幸せのお裾分け」として贈り物をする習慣のこと。内祝いを選ぶ際にも、気を付けた方が良いことがあるそうです。
「貰った品以上に高価なものをお返しするのは失礼にあたります。一般的に内祝いは貰った物の半分~3分の1程度の価格帯が適切だと言われており、食べ物やお酒といった消費できるものが人気です。お相手との関係性が深ければ、新居のお披露目も兼ねてお料理を振る舞うのも素敵ですよね。
お礼とともに、お祝いで貰った品の感想を一言添えると喜んでいただけると思います。『新生活を応援してくれてありがとう。これからもよろしくお願いします』という感謝の気持ちを込めてギフトを選んでみましょう」
最後に。「贈り物選びは大変ですが、お相手のことを大切に思っている気持ちを伝えるとても良い機会です。お相手の新たな門出に、祝福の気持ちを込めて是非ギフトを贈ってみてください。外出や対面での接触が制限される今だからこそ、ささやかなやりとりが気持ちを温かくし、ご縁をつなぎとめてくれるきっかけにもなるはずです」
【プロフィール】
ギフトコンシェルジュ / 河野ひろ子
ギフトコンシェルジュ、ウェブライター。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きと、ショップ巡りをライフワークにしている。
Instagram https://www.instagram.com/smile.label/