いま「メタバース」として認識されているサービスには、具体的にどんなものがあり、どんなトレンドがあるのか。今回はファッション分野におけるメタバースについて、概要と傾向をチェックしていきたい。
※こちらは「GetNavi」2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。
《ファッション分野》
3D空間でアバターが着る衣服「バーチャルウエア」が盛り上がっており、大手ブランドの参入やクリエイターの成功事例など話題にはこと欠かない。厳密な「メタバース」との関連性は低いが、投機的なNFTコレクションの展開も過熱する。
アバターのファッションが新たな金鉱となりつつある
メタバースにおける課金要素として、アバターが着る「バーチャルウエア」の注目度は高い。
バーチャルウエアはすでにアプリ内課金などの仕組みを用いて販売されている。例えば、韓国のNaver Z社が提供する3Dアバターソーシャルアプリ「ZEPETO(ゼペット)」では、ナイキやラルフローレンといった大手を筆頭に、様々なファッションブランドがアイテムを販売している。
また、ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)の認証技術を用い、アイテムに関連する「鑑定書/証明書」的情報を含めた販売が行われる方向性も加速する。最近ではアディダスが2021年末に、NFTアイテムを販売して話題となった。
名だたるブランドがメタバースに参入
【その1】adidas Originals
NFTコミュニティと連携した展開を進める
有名スポーツブランド「adidas(アディダス)」のアパレルラインであるadidas Originalsは2021年12月、NFTコレクションとなる「Into The Metaverse」をリリース。その売り上げは26億円に上ったと発表している。
【その2】NIKE
メタバース参入のための基盤を整えた
昨年11月に「Roblox」内で「NIKELAND」を開設。12月にはバーチャルスニーカーなどのNFTアイテム製作を手掛けるRTFKT(アーティファクト)スタジオを買収するなど、積極的なメタバース進出を図っている。
【その3】ラルフローレン
アプリ内バーチャルウェアを販売中
ファッションブランドのラルフローレンは2020年夏に、スナップチャット内のアバター機能「Bitmoji」用の服を発売。21年夏には「ZEPETO」内でバーチャルウエアを発売するなど、デジタル市場へ堅実に展開中だ。
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