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カメラ
2022/5/7 19:30

約100年前から続く”世界水準”を受け継ぐライカの最新カメラ「ライカM11」

各ジャンルの有識者たちが「コレ押さえときゃ間違いない! 」と太鼓判をおす、“栄誉ある”金字塔的アイテムをフィーチャーする本企画。 今回は、生まれては姿を消していく商品が多いなかで、世代を超えて愛され、文化的価値さえ備えた一流のカメラである「ライカM」を紹介します。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです

 

<ライカM>約100年前にライカが塗り替えたカメラの“世界標準”は未来へと続く

ライカ

M11

118万8000円(ボディのみ)

JPEGだけでなくRAW(DNG)でも60MP、36MP、18MPの3種類から記録画素数を選べるトリプルレゾリューションテクノロジーを採用。本体背面には高精細230万ドットのタッチパネル式液晶モニターを搭載しています。

SPEC●撮像素子:有効6030万画素35mm判フルサイズ●マウント:ライカMバヨネットマウント●ISO感度:ISO64〜50000●サイズ/質量:約W139×H80×D38.5mm/約530g(ブラックペイント)

 

フィルムカメラの最高峰は最新M11に受け継がれる

デジカメ撮像センサーのフルサイズ基準は、35mm判フィルムの1コマ24×36mmの大きさ。ライカ判とも言われ、約100年前のライカ製カメラがいまも世界標準となっています。その地位を確固たるものにしたのが、1954年に革新的な技術を採用したフィルムカメラ、ライカM3。距離計(ピント)と構図をひとつのファインダーで見られるように改良し、レバーでフィルムを巻き上げできるなど、完成度の高さはフィルムカメラの最高峰としてカメラ史に深く刻まれています。

 

今年1月、名機ライカM3の伝統を未来へつなぐデジタルカメラとしてライカM11が登場。構図やピント合わせにレンジファインダーを使う往年のスタイルを継承しています。一眼レフやミラーレスと異なり構図やピント合わせに慣れは必要ですが、ファインダーの視野範囲が広く、スナップ撮影で決定的瞬間を狙いやすいのも特徴です。

 

●DATA

初代モデル発売年:1954年
累計販売台数:非公表
現行ラインナップ数:6モデル

 

精細感と柔らかさが調和し上品なボケも魅力

↑午後の光に包まれたレースのカーテンを撮影。精細感と柔らかさの調和が生み出す日常の光景がアートに。開放絞りによるボケは上品だ。ズミルックス50mm f1.4 絞り開放 1/3000 ISO64

 

↑レンジファインダーは視野が広いため被写体がフレームインする予測がつく。シャッターを切った時にブラックアウトしない利点もある

 

↑ボディサイドの曲面形状はライカM3のデザインを継承している。ムダを排した機能美を感じさせるフォルムに、ドイツの合理的な精神が宿る

 

↑ボディ色のブラックは耐傷性に優れたペイントを採用。ベース感度はISO64になっており、プロ御用達のフィルム、コダクロームを彷彿とさせる