DENONからプリメインアンプの新作「PMA-900HNE」(13万2000円/税込)と、CDプレーヤー「DCD-900NE」(7万7000円/税込)が6月下旬に発売されます。「PMA-900HNE」はAVアンプではなく純粋なオーディオアンプで、ストリーミング配信などのネットワーク再生に対応するプリメインアンプとして開発されました。
音質向上のために新型増幅回路と電子ボリュームを搭載
「PMA-900HNE」は従来のパワーアンプにボリュームを付けたというシンプルな構成を改めて、上級機の「PMA-A110」と同じ2段構成にすることで、小音量再生時の雑音を減少させているそう。さらにアナログ方式だったボリュームも、左右で音量差のない新型電子ボリュームに変更して、信号経路の短縮化も実現しました。
デジタル音源の音質の決め手となるDACも新開発され、回路全体を制御するクロックをDACの間近に配置することでデジタルノイズを抑えています。また、デジタル回路全体をシールドケースに収めてアナログ回路への悪影響を防ぎ、デジタル専用電源の採用により、電源回路もアナログとデジタルで分離されています。
ピュアオーディオアンプにHEOSを採用
HEOSとはデノンとマランツのオーディオ機器に採用されているネットワークオーディオ機能で、スマホやタブレットの専用アプリを使ってストリーミング配信を楽しんだり、ワイヤレスマルチルーム機能が使えたりします。「Spotify」や「AWA」、「SoundCrowd」、「Amazon Music HD」など主要なストリーミングサービスに対応しており、いつでもどこでもワイヤレスで高品質な音楽が再生できるようになります。
また、「Amazon Alexa」を使った音声操作にも対応。音楽の再生、停止、スキップ、音量調整だけでなく、Amazon Musicの楽曲から曲名、年代、ジャンル、アーティスト名などを指定して、楽曲を再生できます。
Appleの「AirPlay 2」にも対応しており、iPhone、iPad、Macの音源をワイヤレスでPMA-900HNEに飛ばして再生できます。Bluetooth受信機能により、スマホやタブレット、PCのBluetooth対応モデルと最大8台までペアリングして音楽再生も可能です。
CDプレーヤーは音質重視で大型化
CPプレーヤー「DCD-900NE」は、時代を逆行するかのように上位モデルの「DCD-1600NE」と同じサイズの筐体を採用しました。これによって、デジタル部とアナログ部を完全分離し、お互いの悪影響を抑えているそうです。アンプと同様に新開発のDACを搭載して、USBメモリーなどに保存したハイレゾ音源の再生も可能。また、ハイエンドモデルに使われている高音質パーツ「SYコンデンサー」を大量投入するなどして、音質強化を図っています。
900シリーズの音は情報量が多く、低域の重心が下がった
短い時間ですが、前シリーズのプリメインアンプ「PMA-800NE」とCDプレーヤー「DCD-800NE」、新製品の「PMA-900HNE」と「DCD-900NE」の比較試聴の機会がありました。800シリーズの音は粒立ちが良く、濃密にして繊細でしたが、高域に神経質な所があり、女性ボーカルが刺々しくなる個所がありました。オーケストラは音場が広く、スピード感のある音が楽しめます。
900シリーズに交換すると、女性ボーカルの音像定位はやや奥まり、さらに細かい音が再生されました。刺々しさはなくなり、高域の透明感が増して、重心が下がって低域の厚みが増したように聴こえます。オーケストラでは800シリーズの良い部分が進化して、さらに立体的な音場感が得られ、低域のスピード感も増してティンパニーの緊張感が伝わってきました。音楽全体がより鮮明になった印象です。
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