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イヤホン
2021/9/25 19:00

デノンの音へのこだわりが詰まった初の完全ワイヤレス「AH-C830NCW/C630W」を聴いた

デノンは、ブランド初となる完全ワイヤレスイヤホン「AH-C830NCW」「AH-C630W」を10月中旬に発売します。実売予想価格は、アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を備えた上位モデル「AH-C830NCW」が1万9800円前後、シンプルモデルの「AH-C630W」が9800円前後となる見込み。それぞれブラックとホワイトの2色展開となります。

↑左がAH-C630C(ホワイト)、右がAH-830NCW(ブラック)

 

↑上位モデルのAH-C830NCW

 

↑AH-C630W

 

デノン初となる完全ワイヤレスイヤホンは、同社のサウンドマスターを務める山内慎一氏が音質を監修。Hi-Fiオーディオにも通じる「Vivid & Specious」をコンセプトにチューニングを施しており、「空間表現を感じ取れるような音」を目指した音作りとなっています。

↑音を監修したデノンのサウンドマスター山内慎一氏

 

音の要となるドライバーユニットには、完全ワイヤレスイヤホンとしては大型の振動板を採用。C830NCWは10×11mmの楕円形、C630Wは10mm径の円形の振動板を搭載しています。山内氏は、「C630Wは基本設計のよさが感じられる音、走りを楽しめる俊敏なスポーツカーのようなイメージ。C830NCWは、C630Wとプラットフォームは共通ながらエンジンや足回りを強化したレーシングカーのイメージで、音の輪郭がより際立つようにチューニングされている」と、両モデルの音の違いをコメントしています。

↑左がC830NCWの振動板、右はC630W

 

また、装着感にもこだわっており、24種類の形状サンプルを作成して社内で投票を実施し、最も好評だったものを製品化しているとのこと。イヤホンは片側で約5gと非常に軽く、長時間装着しても疲れにくい設計となっています。

↑装着感にもこだわった設計

 

上位モデルのC830NCWは、同社のノイズキャンセリング・ワイヤレスヘッドホン「AH-GC30」や「AH-GC25NC」で培った技術を生かし、新世代のアルゴリズムとフィードバック&フィードフォワードの2マイクで効果的に騒音を消去するノイズキャンセリング機能を搭載。駅構内や電車内でアナウンスを聞きたい時などに、本体のタッチ操作ですぐに有効にできる周囲音ミックス機能も備えています。

↑AH-C830NCWのイヤホンの内部構造

 

また、C830NCWは3つの内蔵マイクを用いたビームフォーミング技術やノイズ&エコーキャンセル技術により、クリアな音質でハンズフリー通話が可能。オンライン会議などでも、周囲の騒音を気にすることなく会話できます。

 

デザインは両モデルでほぼ共通ですが、C630Wはサラッとした手触りのマット仕上げ、C830NCWはツヤのある光沢仕上げでイヤホン部分にシルバーのワンポイントがあしらわれています。いずれもデュアルレイヤーシリコン素材の3サイズのイヤーピースが付属。また、イヤホン部分はIPX4の防滴設計となっています。

↑イヤホンはIPX4の防滴設計

 

いずれもBluetoothコーデックはSBC/AACをサポート。連続再生時間(イヤホン単体/充電ケース併用時)はC630Wが約4.5時間/約18時間、C830NCWのANCオフ時が約6時間/約24時間、ANCオン時が約4.8時間/約19時間。

 

Editor’s Eye

両モデルを試聴させて頂いたところ、どちらも音の広がりを重視したような音に仕上がっている印象でした。いくつか音源を変えながら聴いてみましたが、クラシックやジャズなどに抜群にマッチするサウンドだと思います。低音もしっかり出ているので、ロックやEDMなども楽しく聴けます。一方、ボーカルがあまり前に出ない感じなのでJ-POPなどを聴くと、ちょっと物足りないと感じる場面も。

C830NCWのノイズキャンセリング性能は高く、空調などのブーンという連続音はしっかり消えました。ぜひ電車の中やカフェなどでも試してみたいですね。また、イヤホンをつけたまま周囲の音も聴ける周囲音ミックス機能は、まるでイヤホンをしていないかのような自然な聴こえ方に驚きました。イヤホンを軽くタップするだけで瞬時に切り替えられるので、ちょっとした場面でも使える便利な機能となっています。

 

コモディティ化が進む完全ワイヤレスイヤホン市場ですが、老舗オーディオブランドらしい音へのこだわりが詰まったデノンの新モデルが、市場への新たな起爆剤となるのか注目です。

 

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