グルメ
お酒
2022/10/22 21:15

女子受け間違いナシ! ロゼワインの楽しみ方

人と暮らしをワインで結ぶライフスタイルメディア「WINE OPENER」から、ワインが楽しくなる基礎知識をお届けします。

ワインには白と赤のほかに「ロゼ」があります。名前のとおりバラ色のワインで、ピンク色の透き通った色合いには思わず目を奪われてしまいそうです。
そんなロゼワインの特長や美味しい飲み方を紹介します!

 

 

 

ロゼワインの特長とは

ロゼワインは赤ワインと白ワインの製法をミックスして造られたもの。白ワインのフレッシュさと赤ワインの飲み応えを楽しめます。両方の良さを併せ持ったロゼワインはジャンルを問わず、どんな料理にも合わせられるのが特長です。ロゼワインは、白ワインと同様に辛口・甘口で味わいを表記します。

ロゼワインには主に3つの製法があります。

 

・セニエ法
赤ワインを造る際にも用いられる製法です。
原料は黒ブドウ。

まずは皮もついたままのブドウを軽くプレスしてつぶしてタンクに入れます。そして種や果皮を漬け込むところまでは赤ワインと同じ。

ただし赤ワインよりは早めに色がついたところで、タンク下から果汁だけを引き抜いて、発酵させるという製法。

ブドウの皮と接している時間が他の製法と比べると長いため、濃い目のロゼワインが完成します。

 

・直接圧搾法
こちらも原料は黒ブドウですが、製法は白ワインと同じです。

黒ブドウを皮がついたまま軽くプレスしてつぶしてから、果汁だけを絞り出し、発酵させます。黒ブドウをつぶす時に色が付きますが、ブドウの皮と接している時間は短いので、セニエ法よりは薄い色付きのロゼワインになります。

 

混醸法
黒ブドウと白ブドウをはじめから混ぜて、発酵させます。製法は白ワインと同じ。ドイツのロートリングが有名ですね!

基本的に赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインにすることはありません。

EUの規定でも禁じられていますが、唯一の例外がシャンパーニュ地方のロゼ。醸造過程で、白ワインに赤ワインを混ぜてから発酵させる製法が認められています。

 

ロゼワインの産地

ヨーロッパなど北半球のロゼワインの新ヴィンテージの出荷はいつかご存知ですか。実は春なんです。前年の秋に収穫したブドウを醸造して瓶詰されたできたてのフレッシュなロゼは春に楽しめるようになります。とにかくフレッシュなロゼを楽しみたい!というヨーロッパの方は春に新ヴィンテージをチェックするそうですよ。

ヨーロッパでロゼワインが一番楽しまれるのは、初夏。毎年、夏至にあたる6月には、第4金曜日が「ロゼワインの日」として親しまれています。近年はヨーロッパに限らず、香港やマイアミなど世界各地でロゼワインの日にちなんだイベントが開催されるほど、身近なものになってきました。

そんなロゼワインの有名な産地は、南フランスのプロヴァンス地方。フランスで生産されているロゼワインのうち、実に4割もの生産量を占めています。毎年夏至が訪れると、特産品のロゼワインを、地域をあげてみんなで楽しむのが古くからの慣習です。

プロヴァンスはヨーロッパの人たちにとっての憧れの避暑地の一つ。プロヴァンスのロゼワインといえば、夏のバカンスを象徴するイメージも持っているそうですよ。

プロヴァンス産のロゼワインの多くが、キリリとした辛口の味わいをしています。ロゼワインは甘口で初心者向きの飲みやすいワイン、というイメージを持っている日本人にとっては、意外性があるのではないでしょうか。

 

ロゼワインの消費量

ロゼワインが世界でどれだけ親しまれているのか、詳しく解説します。

 

世界のロゼワイン消費量

1位 フランス
2位 アメリカ
3位 ドイツ

消費量のシェアはフランスが36%と圧倒的に多く、次いでアメリカが15%、ドイツが7%を占めています。

出典:Observatoire internatiounal du Rose CIVP/FranceAgriMer-Dowel strategie ,2018

2017年のロゼワインの消費量は2340万ヘクトリットル(hl)で、同年の生産量2020万hlを大きく上回りました。これだけ見ても、ロゼワインが世界的にはブームになっていることが分かるでしょう。

2002年から2017年の15年間で、世界のロゼワインの消費量は30%も伸びてきていますので、このブームは一過性のものというわけではありません。

フランスでは、1990年以降ロゼワインの消費量は年々増加を続け、今ではワイン全体の30%を占めるまでになっています。白ワインの消費量は17%なので、ロゼワインが白ワインよりもかなり売れているということです。

アメリカでもロゼワインの売上は年々伸びてきていて、2017年には前年比で53%もの増加を記録しています。

大幅な伸びをしてはいるものの、テーブルワイン市場でロゼワインが占める割合はアメリカではまだ低いので、これからさらに伸びることが予想されます。

フランス、アメリカに限らず、カナダ・イギリス・香港・スウェーデンといった国でも、ロゼワインの消費量は大幅に伸びてきています。

 

世界ではロゼワインがブーム!

ロゼワインのブームは、1980年~2005年にかけて生まれたミレニアル世代が火付け役になったといわれています。

ミレニアル世代は、10代のころからインスタグラムやツイッター、フェイスブックといったSNSを使いこなしてきた世代。

ロゼワインの色合いがインスタ映えしやすいという要素もあり、ミレニアル世代の女性たちがロゼワインの写真を拡散したことで、一気に人気が広がりました。

また、赤ワインや白ワインとは違い、気軽に楽しめる雰囲気がロゼワインにあったのも、ブームになった要因のひとつです。

ニューヨークでブームとなった「フロゼ」(フローズンとロゼを組み合わせた飲み物)はその象徴といえます。

フランスでは、夏場は昼からよく冷えたロゼワインを飲むことがちょっとした流行になっていて、気軽に飲める雰囲気が形成されてきているようです。こうした変化も、消費量が増えている理由なのかもしれません。

赤ワインや白ワインよりも、ワインの知識がなくても自由に楽しめるというイメージがあるのがロゼワイン。人生を楽しもうとする最近のトレンドとロゼワインの気軽さがしっくりはまったのが、ブームを巻き起こしたといえるかもしれませんね。

 

ロゼワインの美味しい飲み方

ロゼワインを美味しく飲むには温度とグラスがポイント。ロゼワインの適温の目安は6~10℃。辛口の白ワインと同じくらいです。

ワインクーラーに氷水を入れて15分くらい、冷蔵庫では3~4時間冷やしましょう。

甘口ほど冷やした方がすっきりし飲みやすくなります。グラスは気温の影響を受けにくいボウルが小さいタイプを。ステム(持ち手)が長ければ手の熱が伝わりにくくなりますよ。

ロゼワインはそのままでも美味しいですが、飲み方によって違った味わいを楽しめます。

例えばオン・ザ・ロック。氷が解けるにつれて微妙に口当たりや香りが変化します。光を反射したロゼ色の氷は宝石のようです。

カクテルにするならサングリアみたいにフルーツを加えてみましょう。赤いイチゴやラズベリーがぴったり!

グラスの中で潰したら柑橘系のジュースを30mlほど注ぎ、ロゼワインでグラスを満たします。

甘味が欲しければガムシロップを。ジュースの代わりにピンクグレープフルーツを絞ると、ピンク色が強調されてほんのりビターな味わいになります。

ロゼワインと色合いが近い梅酒と同量ずつ割っても彩りがきれいでほのかに甘いカクテルができます。

 

ロゼワインに合う料理とは

赤ワインなら肉料理、白ワインなら魚料理が定番ですが、ロゼワインは肉料理にも魚料理にも合わせられるのが特長です。さらに日本食や洋食、中華など幅広い料理に向いています。逆に合わない料理を探すのが難しいくらいです。

特に相性がいいのは味噌や醤油、トマト、チーズなど旨み成分が豊富な調味料や食材。発酵食品との相性も抜群です!

お刺身や味噌田楽、酢豚、ピザ、漬物(ピクルス)などのお供にすれば両方の味わいが引き立ちます。同じロゼワインでも脂っこい料理なら辛口、スパイシーな料理には甘口がオススメです。

初心者さんは、ロゼワインの色合いに合わせて料理を選ぶのが、料理にピッタリのロゼワインを選ぶコツ。

色の淡いロゼワインは、白ワインのように爽やかな口当たりをしています。なので、魚料理やサラダ、スイーツなどと合わせると間違いないでしょう。

逆に、色の濃いロゼワインは、渋みや香りが強く感じられるので、肉料理や中華料理など、味つけの濃い料理と合わせていただくのがベストです。

また、ロゼワインの発祥地、プロヴァンスの南仏料理に合わせてみるのもいいでしょう。

トマトやツナ、アンチョビなどを使ったニースサラダや、魚介類のエキスたっぷりのブイヤベースは、ロゼワインとの相性が抜群です。トマトベースのスープに野菜がたっぷりと入ったラタトゥイユと、ロゼワインとの組み合わせもなかなかいけます。

さすがにステーキやビーフシチューのようながっつりした牛肉料理は赤ワイン、カルパッチョや昆布締めのようなさっぱり薄味に仕上げた魚料理は白ワインに軍配が上がります。その中間ならロゼワイン1本で満足できるでしょう。

料理に合わせるワインに困ったときの強い味方になりそうです。

 

ロゼワインに合う料理のレシピを紹介

・牛肉とピーマンのしょうがオイスター炒め

材料(4人分)

牛切り落とし肉 400g
しょうが 100g
パプリカ 1個
ピーマン 4個
サラダ油 大さじ4
粗挽き黒こしょう 適量

●A
酒 大さじ2
塩 小さじ1
片栗粉 大さじ2

●B
オイスターソース 大さじ2
酒 大さじ2
砂糖 小さじ1

 

作り方

1.幅1センチの細切りにした切り落とし肉をボウルに入れて、Aを加えて混ぜます。皮をむいたしょうがは、幅2、3ミリの細切りにして塩をまぶしておきます。しんなりしてきたら水で洗い水気を切ってください。パプリカ、ピーマンは種を取ってから、幅5、6ミリになるように縦に切ります。

 

2.フライパンにサラダ油大さじ2入れて、しょうがを中火で炒め、香りが出てきたらパプリカとピーマンを入れて炒めます。

 

3.野菜を端に寄せて、空いたところにサラダ油大さじ2を入れて、牛肉をほぐしながら炒めていきます。肉に火が通ってきたら、Bを加えて全体的になじませましょう。お皿に盛ってから、仕上げに粗挽き黒こしょうを適量かけてできあがり。

 

・はまぐりのクリームソース

材料(4~5人分)

はまぐり(砂抜きしたもの) 600g
玉ねぎ 1個
にんじん 2/3本
白ワイン 200ml
バター 40g
生クリーム 400ml
塩 適量
こしょう 適量
パセリ 大さじ4

 

作り方

1.殻と殻をこすり合わせるようにしてはまぐりを洗います。洗い終わったあとは、水気を切っておきましょう。玉ねぎ、にんじんはみじん切り(5ミリ角くらい)にします。

 

2.はまぐりを鍋に並べ、玉ねぎとにんじんを上にのせます。白ワインを回し入れて、バターを加えます。フタをして、はまぐりの口が開くまで中火にかけて蒸し煮にします。

 

3.生クリームを加え、塩・こしょうで味のバランスを整えます。お皿に盛ってから、仕上げにパセリを振りかけましょう。

 

まとめ

ロゼワインは赤ワインと白ワインの良さを併せ持っているので、ワイン好きならすぐに馴染めるはず。

赤ワインより軽く、白ワインよりしっかりした味わいはどんな料理にでも合わせられます。そのまま飲んでも、カクテルにしても見た目の美しさも際立ちますね。いろんな飲み方や料理との組み合わせを楽しんでみましょう。