今月より日本から海外人気地域への渡航規制が緩和され、航空会社の海外線、国内線ともに旅行客は戻りつつある。ところが、国内はまだしも、海外旅行は記録的な円安や燃油サーチャージ高騰のダブルパンチ。コロナ前よりも旅行費用は大幅にアップしている現状がある。そんななか、「よりお得に海外旅行へ行きたい」と考える人たちから、がぜん注目を集めているのが、“実質0円”で空の旅を楽しめる“マイル旅”だ。
果たして、どうしたら効率的にマイルを貯め、その恩恵にあずかれるのか? 航空機搭乗以外の“陸マイラー”活動だけでも年間に大量のANAマイルを獲得しているという筋金入りのマイラー、堀川知之さんに、ビギナーでも短期間で達成できるマイル貯蓄の極意を聞いた。
カード決済を見直すだけで年間1万2000マイル貯まる
マイラーのほとんどが旅行好き、もしくは飛行機好きだ。堀川さんも旅行が趣味で、コロナ前は年2回海外旅行に出かけていたという。しかし、マイラー歴は約5年と、意外なほど浅い。
「旅行は好きでもマイルへの関心は低く、マイルを意識する以前は、貯まったマイル数を見ても『なんとなく貯まっているな』程度の認識しかありませんでした。ところが、この無頓着がたたり、ある日、マイルの一部が失効するという痛恨のミスをしでかしました。ANAやJALのマイルに3年の有効期限があることを知らなかったのです。この失敗に学び、あらためてマイルの正しい価値や使い方を把握しようと調べ直したことが、マイルを貯める直接のきっかけになりました」(堀川さん)
貯めたマイルは、王道である国内線・国際線の特典航空券への交換に加え、国際線ではエコノミーからビジネスクラスへの座席のアップグレードに利用することもできる。特に堀川さんの興味をそそったのは、1マイルの価値が変動することだった。
「マイルのお得な使い方はやはり特典航空券への交換です。シーズンや出発時間帯にもよりますが、国内線特典航空券で利用する場合、1マイル当たり数円程度の価値になります。さらに、国際線特典航空券ではビジネスクラスで1マイル当たり5円程度、ファーストクラスでは10円以上の価値になるケースもあります。工夫次第ではより高価値でマイルが使えることがわかると、一気にマイルを貯める意欲が高まりました」(堀川さん)
目標を決めることでマイルを貯めるモチベーションが上がる
それでは、これからマイルを始める人に向け、具体的に、堀川さんが実践してきたマイルの貯め方を教えてもらおう。
「目標となるマイル数があったほうが貯めやすいので、まずはどこに行きたいかをベンチマークしました。私はハワイ往復分相当の4万マイルが第一目標でした。ハードルを下げて早く目標に到達したいという人は国内線で場所を設定するのがいいですね。リゾート派なら、羽田―沖縄は往復約1万4000マイル(ローシーズン)と、比較的貯めやすいと思います」(堀川さん)
最も気になる陸マイラーが効率よくマイルを貯めるコツとしては、取りこぼしを少しでも抑える方法を挙げる。
「ショッピングや公共料金など日常の決済を、すべてANAカードに集約。ふるさと納税もマイルが付与される『ANAのふるさと納税』を活用しています。またANAカードは、セブン-イレブン、スターバックス、マツモトキヨシといった身近にあるANAカードマイルプラス加盟店でANAカードで支払うと、利用金額に応じてマイルが加算されるので、マイルのために、店まで多少距離があってもANAカードマイルプラス加盟店で買い物をする努力をしています(笑)。インターネットショッピングも、Yahoo!ショッピングやAmazonなどの加盟店に、ANAマイレージモール経由でアクセスをして買い物をすれば、マイルが貯まるのでお得です」(堀川さん)
カードの刷新やネットアンケートでもチリツモでマイル数がアップ!
さらなるマイル獲得のため、堀川さんは、クレカを一般的なANAカードから、マイラーにはおなじみの『ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード』に変更した。このカードは利用額に応じ、1ポイントにつき1マイルに交換できるポイントで付与される。優秀なのは、有効期限がポイントをマイルに交換してからカウントされること。マイルに換えなければ実質無期限になるので、使う時だけマイルに交換すれば、有効期間切れの心配が解消されるというわけだ。
「獲得マイルの増えるキャンペーンや、カードの継続時に付与されるボーナスマイルなど機能が充実しています。ショッピングでも通常のANAカードの0.5%に対し1%付与されるので毎月約10万円の決済で年間1万2000マイルの獲得が可能になりました。年会費は3万4100円しますが、このカードにしてからより取りこぼしが減り、マイルが右肩上がりで増えていきました。さらに1枚で2名まで空港のANA専用ラウンジを利用が可能で、手荷物1個を無料で自宅まで届けてくれるなど、旅行時に便利な実用的な機能も気に入っています! 」(堀川さん)
カード決済以外でも効率よくたまるマイル修行がある。
「ネットアンケートですね。ちりも積もればで1年間続けていけば数万ポイントが貯まるので、それをマイルに交換します。私が行っているネットアンケートでは、通常ポイント数の50%がマイルになりますが、複数のポイントプログラムを経由することで約70%まで交換率を高めています。」(堀川さん)
ダメ押しはコレ。
「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」の外貨預金で年4万マイルを突破!
しかし、ここで満足しないのがマイラースピリッツ! 堀川さんが大いなるマイル増量計画の切り札として導入したのが、年会費無料のVisa デビット付きキャッシュカード「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」だ。同カードの保有者は毎月末の外貨預金残高と投資信託残高に応じてマイルが貯まるほか、預金利息のほかにマイルを受け取ることのできる「ANAマイル付き外貨定期預金」が利用できる。
「外貨預金は為替レートによって元本割れが生じるリスクがありますが、日本円に比べて高金利のため資産分散・通貨分散の観点からもおすすめできます。さらに、外貨預金と投資信託の月末の残高に応じてマイルを積算するので、資産運用をしながらマイルを貯められることもポイント。私は南アフリカランドと米ドルでANAマイル付き外貨定期預金を利用していますが、これだけで年間に約3万マイル。公共料金やショッピングのカード決済分を加えると、1年で4万マイル以上を貯めることに成功しました。それまで目標到達に少なくとも3~4年かかると思っていたので大幅な期間短縮ですね」(堀川さん)
『ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET』とANAのカードを2枚持ちして、それぞれをうまく使い分けすることが、大量マイル獲得の早道だと結論付ける。
「やはり劇的に貯まるようになったのは『ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET』でANAマイル付き外貨定期預金をスタートしてからです。年1万2000マイルから4万マイル台になりましたから。獲得した総マイル数も5年で優に20万マイルを超えました。これまでに貯めたマイルで出かけたのは羽田―那覇、羽田―石垣島、そして来年の1月には、コロナで先延ばしになっていたハワイにも行ってきます。今のペースで貯まっていけば毎年ハワイ旅行ができるかもしれません!」(堀川さん)
年間で10万マイルを貯める“ガチマイラー”には及ばないが、初心者にはむしろ、堀川さんの極意は真似しやすいはずだ。マイル貯蓄アップと、お得旅を楽しんでみてはいかがだろう。
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取材・文/安藤政弘 撮影/鈴木謙介