ボールペンやシャープペンシルというのは日常的に使用する頻度が高い。なので、いま使っている機種に「インクが合わない」「書き味が好みじゃない」などの不満があったら「次は別のペンを試してみよう」という考えになりやすい。対して、どことなく使いにくいなー……と思いつつも、ずっと同じものをダラダラ使い続けてしまう筆記具もある。それが蛍光マーカーだ。
どうしたってボールペンより使用頻度が低い。毎回使う時は具体的な不満を感じているのに、次に使うまで期間が空いてしまうので、その不満を忘れてしまうのだ。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とはこのことである。
そんな感じだから、みんな文房具店に行っても蛍光マーカーの棚なんか見ないのだろう。いつも使う度に感じてる不満を解消できるマーカーが出ているというのに、それを知らないのだ。あぁ、もったいない。
ということで、今回は一般的な蛍光マーカーの不満点を挙げつつ、「じゃあ、このマーカーを買えば解決!」という具体的なプランをご提案したい。
その1)乾きが遅いから手でこすって汚くしてしまう
プリントアウトした紙資料のあちこちにマーカーで線を引いていると、いつの間にか手の底にインク汚れがついている。知らぬ間にこすっているのだ。
あと、塗った部分を「乾いてるかな?」と思って指でこすってみると、やっぱり乾いてなくて指も紙も汚してしまう。我ながら「なぜわざわざこすった!バカか!」と情けない気持ちになったこと、あるだろう。違うのだ。それはこすったアナタがバカなんじゃない。乾かないインクがバカなのである。
三菱鉛筆
PROPAS WINDOW Q-DRY(全10色)
1本140円
三菱鉛筆の「PROPAS WINDOW Q-DRY」は、びっくりするほど早くインクが乾く速乾タイプの蛍光マーカーだ。もともと、先端チップの一部が透明の窓になっていて、文章がマーキングしやすい「PROPAS WINDOW」の速乾タイプとして昨年に発売されたもの。
このインクが、本当に驚くほど素早く乾く。線を引いた瞬間に指でこすってもまったく汚れない。メーカー公表値で、従来インクと比べて乾燥時間は1/3。もはやインクで手を汚すことはないだろうレベルだ。
従来のインクとは大きく違い、インクの染み込みが悪いツルツルしたコート紙(教科書の紙など)でもすぐ乾くので、マーキングがしやすい。書きやすい先端チップ窓&速乾インクの組み合わせは、蛍光マーカーの完成形のひとつと言ってもいいレベルだ。
その2)上手に線が引けない
蛍光マーカーの使いにくさの要因として、先端チップが固い、というのが挙げられる。よくある平型チップ(ヘラのような薄くて平たいペン先)だと、わずかに先端の角度が変わっただけで線の太さが変わってしまって、なんかカッコ悪い線になってしまった経験、あるだろう。そもそも、あの平型チップで均一な太さの線を引くのって、けっこう難しいのだ。
じゃあ、主な原因は自分じゃなくてチップじゃないか? それなら、呉竹の「ZIG BRUSH HILITE サッと」を使ってみて欲しい。
呉竹
ZIG BRUSH HILITE サッと(全5色)
1本97円
呉竹といえば、やはり筆ペンでお馴染みのメーカー。その呉竹が作ったんだから、もちろん蛍光マーカーも先端チップは筆ペンタイプ。筆ペンなので、チップと紙の角度とか気にすることなし。指の力加減だけで線の太い細いが思い通りだ。
穂先から根本までフルに使えば、一般的な蛍光マーカーよりも太い線が引けるので、高齢者向けの書籍で文字が大きなものもしっかりマーキング可能。とにかく失敗が少ないので“蛍光マーカーが下手だ”と自覚している人にぜひ試して欲しい。
その3)マーカーの色を変えるのが面倒くさい
資料や書籍に線を引いてマーキングする場合、「黄色は引用元、ピンクは後で調べる単語」など複数の色を使い分ける場合がある。
しかし、いちいちマーカーを持ち替えるのは正直面倒くさい。最終的にまとめてマーキングしようと思っても、あとからその文章の場所を探すのは面倒くさいし、だいたい忘れてしまうもの。
軸の前後2色振り分けタイプのマーカーもあるにはあるが、それすら面倒だ、という人にオススメしたいのがコクヨの「Beetle Tip dual color」である。
コクヨ
Beetle Tip dual color(全3タイプ)
1本162円
その名の通り、ペン先がカブトムシのツノのような形状になっており、枝分かれした先端がそれぞれ別の色のチップになっている。
例えば、黄色でマーキングしている最中にピンクを使いたいなと思ったら、手の中でペン軸を半回転させてやるだけ。簡単にマーカーの色変えができるのだ。
あまりにプリミティブ(原始的)な色変え方法に最初は戸惑うかもしれないが、慣れてしまえば効率的で使いやすい多色マーカーだ。また、手持ちのマーカーの本数を減らせるというメリットもある。
その4)キャップの開閉時に指をよく汚す
勢いよくマーカーのキャップを開けると、キャップを持った方の指の側面がチップに触れてインクが付くということがある。
「これはさすがに使い手の問題だろ、気をつけてキャップを開閉すればいいじゃん」というのが正論だが、それでは優しさが足りない。そういうところまでキチンと助けてくれる、優しさを持ったマーカーだって存在するのだ。
ゼブラ
OPTEX 1 EZ(全10色)
1本86円
ゼブラ「OPTEX 1 EZ」は、特殊なプッシュオープン式のEZキャップを搭載した蛍光マーカー。キャップの両サイドを軽くつまむだけで簡単に開けることができる。
開ける時に指にインクが付くのは、だいたいの場合はキャップを深く握りすぎるのが原因。キャップを軽くつまむだけのOPTEX EZなら、指がインクで汚れる心配はまったくない。
あとOPTEX EZのインクもかなり速乾性が高く、インクこすれで手を汚すことが少ない。キャップ開閉だけでなく、筆記こすれも安心。手を汚さない安心な蛍光マーカーといえるだろう。