iPhone 14シリーズとApple Watch UltraやSeries 8、SE2に搭載された「衝突検出機能」は、激しい交通事故を自動的に検知して緊急電話をかける貴重な機能です。アップルは100万時間以上を超える衝突データでアルゴリズムを訓練したと説明していましたが、ジェットコースターに乗っているだけで誤作動したとの報告が相次いでいます。
米The Wall Street Journalのジョアンナ・スターン記者やジェットコースター情報誌Coaster101によると、ここ数週間、米国各地の遊園地では、iPhone 14や新型Apple Watchによるトラブルが起きているとのことです。
Apple Watch users, has this happened to you on a coaster? pic.twitter.com/GzfqnmjZ2J
— Coaster101.com (@Coaster101) September 28, 2022
たとえばオハイオ州のキングスアイランドでは少なくとも6回、ジェットコースターで衝突検出が間違って動作したことが確認されています。またテネシー州のドリウッドでは乗り物にデバイスを持ち込まない、あるいは電源を切るよう求める看板を出しているほどだそうです。
これまで実際にクルマをぶつけて衝突検出をテスト(非公式)した例は複数ありましたが、ボンネットがひしゃげるほどの衝撃でも発動せず、駐車していた車内にあるiPhoneは反応しないなど、なかなか苦戦していました。が、ジェットコースターは加速や気圧の変化、大きな音などアルゴリズムを騙せる大きな要素を備えているようです。
スターン氏はツイートで、ジェットコースターから発信されたiPhoneからの緊急電話(誤報)の音声を紹介しています。
Since the iPhone 14 went on sale, the 911 dispatch center near Kings Island amusement park has received at least six phones calls saying:
“The owner of this iPhone was in a severe car crash…”
Except, the owner was just on a roller coaster.
? by me: https://t.co/hp1fHZBIf6 pic.twitter.com/i0lZPoWzGz
— Joanna Stern (@JoannaStern) October 9, 2022
さらにスターン氏が問い合わせたところ、アップルの広報担当者は「この技術は安心を提供するものであり、アップルは時間をかけて改良を続けていく」と回答しています。あくまで最悪の事態を避けるための仕組みだがまだ完全ではなく、今後のアップデートをお待ちください、といったところでしょう。
今のところジェットコースターに乗るときは、iPhone 14と新型Apple Watchの機内モードをオンにするのが無難そうです。一日でも早く、アップルが修正アップデートを配信するよう望みたいところです。
Source:The Wall Street Journal ,Coaster101