iPhoneをはじめとして、Appleの新製品が今秋続々と登場。円安の影響もあり全体的に価格が上昇したが、果たして性能はそれに見合うレベルに高められているのか? Apple製品に精通するプロが、各アイテムの進化ぶりに判定を下す!
※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです
私たちがJUDGEします!
iPhone 14/14 Plus
久しぶりに大画面の「Plus」が復活。チップはiPhone 13と同じA15 Bionicの採用となったが、Photonic Engineを搭載するなど、カメラ機能が一段と進化している。
衝突事故検出機能も加わりより安心して使える
iPhone 14
11万9800円〜
iPhone 14 Plus
13万4800円〜
カメラは1200万画素のメインと超広角のデュアル。新たに採用されたPhotonic Engineにより明るさが中程度から低度の写真の性能を大きく向上させている。自動車事故など大きな衝撃を検知した際に指定連絡先に自動で通話する「衝突事故検出」機能を搭載。
大きな進化はなかったが新たな進化軸をアピール
iPhone 14では「mini」がラインナップから外れ、6.7インチの大画面モデル「Plus」が復活。今回搭載チップはiPhone 13と同じA15 Bionicということで少々拍子抜けではあったが、カメラ機能は静止画、動画とも着実に進化している。注目は、自動車事故などで大きな衝撃を受けた際に自動的に指定の連絡先に発進する「衝突事故検出」機能の搭載だ。
「スマホの差別化が難しくなったなかで、事故対策など“安心・安全”をポイントにし始めたことを感じます。今日すぐに役立つものではないけれど“アップル製品を選び続けると安心”というメッセージでしょう」(西田さん)
またiPhone 14では、衛星にダイレクトで接続し、携帯の電波やWi-Fiが圏外の場所でも緊急メッセージが送信できる緊急SOS機能も搭載されている。
「圏外でも緊急メッセージを衛星経由で送れるようになったことは、通信機器の未来を感じさせるものでした。ただし、同機能はまずアメリカ・カナダでの提供であり、日本での提供は未定。せっかくの新機能が使えないのは少々残念に感じます」(井上さん)
iPhone 13ユーザーにとっては、iPhone 14に買い替えるメリットは正直小さい。だが、久しく機種変更していないiPhoneユーザーにとっては、進化したカメラ機能や衝突事故検出機能などは魅力的。より快適、安心に使えることを考慮すると、買い替えも視野に入れて良い。
【JUDGEMENT】
≪△≫ iPhone 13からの買い替えはオススメできない
「チップはA15 Bionicが踏襲されるなどiPhone 13から性能があまり変わっていないので、1年での買い替えはオススメしません。数年前から同じ機種を使い続けている人なら十分な進化を感じられるでしょう。Plusは、大型画面がPro Maxよりも安く手に入るという意味では、より選びやすい製品と言えます」(西田さん)
≪◎≫ 数年ぶりの購入なら電池持ちの伸びが買いの理由に
「ストリーミングでのビデオ再生の連続稼働時間を比べると、iPhone 11は最大10時間でしたが、iPhone 14では最大16時間まで増えたのは大きな進化と言えます。またカメラは光学式のズームインはないものの、画像処理の進化によりデジタルズームでもそこそこキレイに写るので、日常使いでは困りません」(井上さん)
■iPhoneシリーズ新旧スペック比較
14 Pro/14 Pro Maxのメインカメラのクワッドピクセルセンサー採用による4800画素へのアップが目を引く。iPhone 14 Plusは6.7型有機ELディスプレイを搭載。手軽に大画面を楽しみたい人にピッタリだ。