キッチンや洗面所の流し台の下は、奥行きもあり、広々とした収納スペース。ところがパイプが出ているせいで使いづらく、棚やボックスを買ってもなかなかキレイにはまらないジレンマがあります。狭い家のなかで貴重な収納スペースは、なんとか有効活用したいもの。収納専門家の鈴木久美子さんの自宅へ伺い、キッチンのシンク下にピッタリ収まる収納アイデアを見せていただきました。
食器や食品はNG! シンク下には何を収納すればいい?
キッチンには、シンクの下に加え、ガスコンロの下や吊り戸棚など、いろいろな場所に収納があります。つい増えてしまうキッチン用品をどのようにしまったら、きちんと片づくのでしょうか?
「収納を上手に使うためには、グループごとの分類が必要です。しっかりと物を分類して定位置を決めると、どこに何があるか分かりやすくなります。我が家ではわかりやすく、シンク下は水のゾーン、コンロ下は火のゾーンというふうに分けています。
たとえばコンロ下の火のゾーンには、フライパンやお鍋など、コンロで使うものを入れています。一方、シンクの下には水回りの掃除用具やゴミ袋、不燃物のゴミ箱などをしまうのがおすすめです。水が通るパイプがあるので湿気が多く、ジメジメしやすい場所であることや、排水が通るパイプなので、においが発生する可能性も。食器や食品を入れるのは、衛生的におすすめできません」(収納専門家・鈴木久美子さん、以下同)
鈴木さん宅のシンク下に収納してあるもの
・不燃物用のゴミ箱(ゴミの日までここで保管)
・掃除用具
・ゴミ袋
・まな板シートや保存袋
・ゴム手袋
・他の場所には入らない大きなお鍋
引き出し式・可動式の棚がおすすめ。シンク下を使い切れる収納棚は?
鈴木さんがシンク下収納に使っているのは、右側の可動式で伸縮性のある棚と、左側の引き出せる収納棚。可動式の棚は幅と高さを調節できるので、パイプを避けて棚を作ることができます。
「いろいろな方のおうちへ収納のサポートに伺うと、よく見かけるのが、100円ショップで売っている棚をいくつか並べて収納している状態です。もちろん100円ショップにも非常に便利なものがたくさんありますが、好みのサイズに合わせられないので、結果的にデッドスペースを作りやすくなってしまいます。また、いくつも購入するなら、値段的にも安価とは言えません。
写真のシンク下専用の棚は、幅や棚の高さを変えることができるので、どんな場所にも合わせられ、スッキリと収納できます。また、シンクの下は意外と奥が深いので、奥の方に物を置いてしまうと取り出しにくい、ということもよくあります。写真左側の収納棚は、引き出しタイプ。これで奥まできちんと収納でき、取り出すことができるのです」
ファイルボックスでグループ分け。ひと目でわかる収納のコツは?
「引き出しタイプのほうには、ゴミ袋や洗剤などをしまっています。ファイルボックスに入れてグループ分けしてあるので、何が入っているのかひと目でわかりやすく、取り出しやすいので便利です」
「ゴミ袋はサイズや種類がいろいろあるので、ラベルをつけてファイルボックスに収納しています。上からパッと引き出すことができて、迷わずに取ることができます」
「隣のボックスには、キッチン周りで使う洗剤類が入っています。ボトルを詰め替えたり、真っ白いボトルに揃えたりする方もおられますが、間違えやすいのでわたしはしていません。ボトルのカラーで覚えているところもあるので、あまりにも詰め替えてしまうと危険が伴うこともあります。見た目がきれいなのも大切ですが、家族全員がわかりやすくて必要なときにすぐに取り出せる、ということも重要です」
基本のルールを知ったうえで、次のページでは鈴木さん宅のシンク下で見つけたアイデア収納を確認していきましょう。