Twitterの共同創業者で前CEOのジャック・ドーシー氏が支援する分散型SNS「Bluesky」のiOSアプリが、App Storeに公開されました。アプリは誰でもダウンロードできますが、利用するには招待コードが必要となります。
Blueskyは2019年末、もともとドーシー氏が分散型SNSプロトコル「Authenticated Data eXperiment(ADX)」を開発するために立ち上げたプロジェクトでした。ソーシャルメディアのオープンで分散化された標準を開発するとされ、最終的にはTwitterが標準クライアントになることを目指すとされていました。
しかし、2022年5月にドーシー氏はTwitterを退社。さらに同年10月にはADXを「ATプロトコル」に改称し、プロジェクトと同名の分散型SNS「Bluesky」の開発を発表したところ、48時間でウェイトリスト(招待状の待ちリスト)に3万人を集めていました。
Wow. 30k signups for our app’s waiting list in the last two days! Thanks for the overwhelming interest, we’ll do our best to get you in soon. ?
— bluesky (@bluesky) October 20, 2022
Bluesky公式サイトにはSNSの趣旨や機能に関する詳細はほとんど書かれていません。現段階でできるのは、ウェイトリストにメールアドレスを登録することだけです。
その一方、App Storeページでは画面のスクリーンショットもあり、その概要がわかります。基本的には投稿、リプライ、リツイートのような転載機能もあり、Twitterの簡易版といったところでしょう。
しかし、その背後にあるATプロトコルは、最近Twitterからの引越先として注目されたMastodonの分散型プロトコル「ActivityPub」に似ています。
従来のSNSは中央集権型サーバーに依存していましたが、分散型SNSは複数あるSNSの連合からなり、各サイトのユーザーが互いに連絡を取り合うことが可能。つまり、ある会社なり経営者の判断に左右されにくいのです。
Twitterがイーロン・マスク氏に買収されて以来、ユーザーやアプリ開発者は振り回されてきた印象があります。例えば、サードパーティークライアントのAPI利用が禁止され、TweetbotやTwitterrificなど人気アプリが消滅してしまいました。
またドーシー氏は、別の分散型SNSプロトコル「Nostr」や対応アプリ「Damus」(2つ合わせてノストラダムス)にも開発資金を援助しています。Twitterが混乱気味のなか、これらの対抗勢力が多くのユーザーを集めるかもしれません。
Source:App Store
via:TechCrunch