英語を使えるようになりたいと願う日本人中高年層は少なくありません。けれど「単語をおぼえるにはもう記憶力がなくて」と言い訳をして逃げ腰になる人がかなりいます。50代以上が英語力を伸ばすには、どうしたらいいのでしょうか。
50代でオンライン英語
先日、50代の私はオンライン英会話を無料体験しました。最近は、なんと1か月以上もの期間無料でお試し学習させてくれるサイトが複数あり、とてもありがたいのですが、私は少し試しては挫折することを繰り返していました。それは、うまく単語が出てこなくて恥ずかしいからです。
今回もかなり苦戦しました。私の単語力は中卒程度なので、先生に「ホラー映画は好き?」と尋ねられ、「心臓がドキドキするので苦手」と答えたいのにうまく言えません。しかたなくジェスチャーで胸のドキドキを表現してごまかしました。
単語をおぼえられない
中高年の英語学習者の悩みのひとつが、なかなか単語がおぼえられないということ。私も毎週10個と決めておぼえてみたのですが、翌週になるともう忘れています。忘却曲線に従って何度も復習を繰り返し、脳に刷り込んだつもりでも、すぐに消えてしまうのです。
単語ひとつまともにおぼえられないし、やはりこの年齢からの英語は無理なのかも、と気持ちが萎えてしまいがちだったのですが『50歳から始める英語』(清涼院流水・著/幻冬舎・刊)という本を見つけました。もしかしたら、まだ希望はあるのでしょうか。
50代男性学習者が多い理由
著者である清涼院流水さんの公開学習会にする参加する男性は、50代が圧倒的に多いのだそうです。女性の参加年代はバラけているのに男性だけこの傾向があるのは、グローバル化により、英語を仕事で使う必要性が出てきたからではないかと推測されています。
清涼院さんは、本の中で、何歳からでも英語学習は伸ばすことができると断言しています。ただし、それは、正しい勉強法で学習していることが必要なのだそうです。では、その正しい学習法とはどのようなものなのでしょうか。
本当の単語のおぼえかた
本書によると、単語を忘れてしまうのは「おぼえたつもり」であって、本当におぼえているわけではないからとのこと。私は英単語とその意味だけを機械的に繰り返し眺めて暗記していたのですが、このようなやりかたは「おぼえたつもり」なだけだったのです。
英単語をただ見るだけではなく、手を動かして紙に書き、口を動かして発音したほうが、より深く脳に記憶させることができるのだとか。試してみると、確かにそのほうがよく頭に入りました。中学生の時のように、一語一語丁寧に取り組む必要があったのですね。
毎日の積み重ね
英語は学習時間の積み重ねだと言う人がいますが本当にそうです。習得するには一朝一夕ではどうにもならないほどの膨大な時間がかかります。ということは逆に言えば、毎日少しでも時間を見つけて学習する習慣をつければじりじり前進できるのかもしれないのです。
本にも「英語学習において、一番難しいのは、”継続すること”」とありました。そこで私は毎日10分オンライン英会話を続け、英語学習系の5分ほどのYouTubeを鑑賞し、そこで新しく学んだ単語を書き出すということを1か月続けました。1日の総学習時間は20分未満でしたが、それでも効果は少しずつ出始めていて、英会話のラリーも続くようになったのです。
中学英語から一歩ずつ
毎日英語と接することで、何より英語への苦手意識が薄まってきました。先生の話がかなり聞き取れるようになり、憂鬱だった英会話の時間を楽しみに思えるようになってきたのです。50代でも遅くないかもしれない、と、希望と意欲が湧いてきました。
本書では英語がわからない場合は中学英語から再学習することも勧められていました。私もそれが必要なレベルだと思います。英語をさらに伸ばしたくなってきたので、本で推奨されている英文法の学習メニューも今後は少しずつ取り入れていくつもりです。
【書籍紹介】
50歳から始める英語
著者:清涼院流水
発行:幻冬舎
生まれてこの方ずっと身近にある外国語は英語。なのに字幕なしで映画鑑賞はおろか海外旅行での簡単な会話すらままならず、諦め続けている人は多い。しかし英語を習得するなら時間とお金に余裕があり経験豊富な50歳からがいい。この期に及んで同時通訳を目指したり欧米企業に勤めるわけじゃない今だからこそ、誰からも強制されない英語学習は楽しく、人生をも豊かにする。TOEICテストを活用すれば自らの成長を数値化できてさらに愉快。今すぐ無性に英語を始めたい! という人に贈る−人生100年時代−の正しい英語勉強法。