資料をガッツリ読み込んで勉強しなきゃ……というときに頼りになるのが、ラインマーカー。気になったワードや覚えておきたい部分に上から線を引いておけば、二度三度と読み返す際の効率が高くなる。あとから単語を調べるにしても、検索がしやすくなる。だから、特に支障がない(借りた本などには当然NGだ)限り、ラインマーカーはガンガン使うほうが勉強になるのだ。
ただ、必須ツールであるラインマーカーには、インクが出過ぎて紙に裏抜けしやすいとか、キャップを外しておくと速攻でドライアップするなど、機能的な欠点がいくつかある。そこで今回は、そういった部分をうまくフォローできる固形タイプのマーカーを紹介してみたい。
ラインマーカーは固形インクが便利!
ラインマーカーは一般的に、軸内のインクが幅広の先端チップに伝わって書ける、という仕組み。インクが中綿に染ませてあるか、直液タンク式かの違いはあっても、「液体インクで書く」という点に違いはない。つまりインクが出過ぎるとか、ドライアップするという欠点は、「まぁ、液体インクだからしょうがないよね」という結論で飲み込むしかないのである。
サンスター文具
Cleep(全8色)
各180円(税別)
であれば、話は逆に簡単だ。液体インクではなくて固形(ゲル)インクを使えば解決するんじゃないか? 例えばサンスター文具から発売された最新固形マーカー「Cleep」などは、まさにそのあたりを確実にクリアできている。
書き味・使い勝手はどうか?
そもそも固形マーカーというのは、文字通りインクをゲル状の固形にして軸に搭載したもの。この固形インクを紙にこすりつけることで、筆跡が残るという仕組みである。ピンとこない場合は、クレヨンをちょっと柔らかくしたみたいなのを想像してもらうと、だいたい合ってるはずだ。
書き味も、クレヨンのヌルヌルした感触をより強めた感じ。ヌルヌルというより、ニュルニュルに近いかも。つまり、ハチャメチャになめらか。感触が極端なので、これが気持ちよいと感じる人がいる反面、苦手に思う人もいるだろう(筆者は正直、苦手なほう)。で、これでマーキングするべく文字の上から塗ってみると、こんな感じ。
マーカーの色としては全体的に白っぽく、かなりマイルド系な印象だ。目に優しく、それでいて、ちゃんと目立たせる機能はあるレベル。なにより、ゲルインクが紙の表面に乗っているだけなので、染み込んでの裏抜けが絶対に発生しない。これは固形マーカーを使う最大のメリットと言える。ちなみに固形マーカーといえば、ステッドラーの「テキストサーファーゲル」という逸品がすでにあるが、色味のソフトさや色数などである程度は棲み分けが可能だと思う。
従来のラインマーカーで「あっ、ちょっと線が引き足りなかったから追加で引こう」となると、どうしても線が重なった部分に塗りムラがでてしまう。ラインマーカー下手くそ勢にとってはそれもイライラする部分だったけど、固形マーカーなら大丈夫。どれだけ塗り重ねてもムラが出ないので、ラインがきれいに引きやすいのである。
もちろん、もともと固形だから乾燥の心配が無いのも大きい。しかも、ちょっとの間はキャップを閉め忘れても大丈夫……程度の話ではなく、そもそもキャップなんか最初から捨てちゃっても平気! ぐらい。とはいえ固形インク自体はかなり柔らかくて潰れやすいので、キャップは乾燥予防ではなく、インク保護用と捉えておくといいだろう。
逆に固形のデメリットとして挙げられるのが、塗り面の端に発生する、ポロポロのインクカス。これが紙を重ねたときに移って汚れの元になったりするので、見つけたらティッシュなどで押さえて取り除いてやってほしい。
インク染み・裏抜け・ドライアップといった不満が一気に片付く
実のところ、使ってみてハッキリと良くないなと感じたのは、このインクカス問題のみ。(ニュルニュル書き味もちょっと気にはなるけど)それ以外は「やっぱり固形インクのマーカー、便利だな」という点の方が多いほどで、特に、インク染み・裏抜け・ドライアップといった不満が一気に片付くのはデカい。普段からラインマーカーを多用している人であれば、まず試してみる価値はあると思う。