筆者は学生の頃から、暗記系が大の苦手。他人より記憶容量が少ないのか、覚えようとしたことがとにかく脳に残らないのである。特に、単語を覚えないと始まらない英語は完全に不得意科目になってしまい、後々大変な苦労(ネット翻訳がまだない時代に、海外から文房具を取り寄せるなど)をすることになるのだけれど。
ただ、あらためて思い返せば、当時は単に「自分の勉強のやり方が悪かった」からに他ならない。例えば単語カードを使って暗記するにしても、記憶にない単語に当たったら、思い出せるまでずっと同じカードに留まっていたり。なんとも効率の悪いことをしていたものである。
なので、アラフィフおじさんになった現在でも、暗記が効率的にできるツールを見かけると、ついつい「グギギ……あの頃の俺に買ってやりたい……!」と我が身を抱えてジタバタしてしまうのだ。つらい。
単語カードは片手でサクサクめくれば暗記効率アップ!?
今なら分かるのだが、暗記はテンポだ(※個人の感想です)。昔の筆者のように「思い出せるまで頑張って思い出す」なんていうのは最悪の方法。分からない部分はサッサとすっ飛ばして、覚えているものから順に脳に定着させていくのが、実は効率的で正しいのである。つまり暗記しやすい単語カードというのは、サクサクと素早くめくれるかどうか? にかかっているのではないだろうか。
クツワ
ワンハンド単語カード
大(上左)350円、小(上右)300円 (いずれも税別)
クツワの「ワンハンド単語カード」は、まさにその “サクサクめくり性能” を徹底的に高めた、新しいタイプの単語カードと言えるだろう。なによりユニークなのは、その名の通りワンハンド、片手でサクサクめくっていけるという特異な構造である。
そもそも単語カードといえば、長方形の紙に穴を開けてリングひとつで綴じただけの、コンパクトかつシンプルなもの。これをめくる場合は、左手で単語カードそのものがバラけないように支え持ちつつ、右手でカードを1枚ずつめくっていく……といったように、両手を使う動作になるのが普通だ。コンパクトな単語カードは電車やバスの中でも勉強できるのがメリットのひとつだが、その場合、立ったままで両手が塞がるのはよろしくない。
ところが「ワンハンド単語カード」をめくる場合は、表紙のスリットに人差し指を挿し込んだら、親指をカードの切り欠きから下に潜り込ませて、スイッと持ち上げるだけ。しかもリング2本でカードを綴じているので、片手……というか指二本だけで、驚くほど安定してスピーディーにめくることができるのだ。
動きを動画で見てみよう。
しかもこの切り欠きは、ページごとに上・下・上・下……と分かれているので、めくれるのは必ず1ページずつとなる。うっかりページをめくり飛ばしてしまう心配が少ないことから、心理的にも、テンポ良くサクサクとめくりやすいというわけ。
このめくり動作は、体感的には、スマホのフリック操作に近い。つまりスマホに慣れた中高生なら、初手からサクサクサクッ……とめくっていけるのではないか。不器用で鳴らしたアラフィフおじさんも、使い始めこそしばらくモタついたが、数分いじっているうちにきちんと慣れた。最終的には「はい、次」「はい、次」とかなりのハイテンポでめくれるようになったので、とても楽しいぞ。
実のところ、この「めくるのが楽しい」という感覚こそが、製品最大のポイントと言えそうだ。サクサクと気持ちよくめくりたいから、同じページにずっと滞留することがない。つまり、使うだけで半自動的にテンポ良く暗記学習ができる、という仕組みである。試験や受験の追い込みシーズンに、暗記系科目の最後のダメ押しとして導入してみるの、アリだと思う。