まもなく夏本番。久しぶりにエアコンの電源を入れると、何やら鼻をつくニオイが。原因は、室内機内部に発生したカビです。室内機内部に蓄積したホコリや水分を栄養源にカビが発生し、前面パネルを開けてみると、カビの黒い斑点がびっしり、なんて経験をしたことがある人も多いはず。では、どのように対策すればいいのでしょうか?
毎年、Twitterでエアコンについて注意喚起していることもあり、今回はシャープのエアコン担当者に、夏が来る前にやっておきたいことを聞いてみました。そのアドバイスを参考にしながら、エアコンを使い始める際の注意点を確認していきましょう。
ひとり暮らしをはじめた新社会人や新入生に私が贈る言葉は「先輩の自慢話は話半分で聞け、そんなことより部屋のエアコンの試運転をしろ、夏になったら詰むぞ」です。冷房18℃で10分。冷えなかったら大家さんか管理会社へ連絡。数多の悲劇を救ってきたエアコンメーカー先輩からのアドバイスだぞ
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) April 10, 2023
本格的に暑くなったときにエアコンを動かし始めたら「遅い」
ジメジメとした、うだるような暑さが続く日本の夏。暑さが本格的になり、慌ててエアコンの電源を入れる人は多いはずですが、残念ながら、これは「対応が遅い」と言わざるを得ません。エアコンメーカー各社では、暑さが本格的になる前に「試運転」を行ない、正常に運転するかどうか、確認することを推奨しています。気温が上昇すると、エアコンを使用する家庭が増加し、問い合わせが集中するため、試運転の時点で不具合が発生した場合でも、混雑によりすぐに修理の対応ができないケースが多いためです。
エアコンは、いまや熱中症対策に不可欠な存在となっているので、必要なときに使用できないという事態は避けたいところでしょう。そのための試運転は、設定温度を18度に設定し、冷房運転を約10分間行なうのが基本。下記の点を確認します。
- 電源が正常に入るか
- リモコンは反応するか
- 冷風が正常に出るか
- 異臭・異音はしないか
- ランプ点滅やエラー番号表示がないか
- 水漏れがないか
確認すべきは基本的な部分であり、何か特別な作業が必要になるわけではありません。夏がやってくる前に、週末のお休みや連休を使って確認しておきましょう。
試運転の前に室内機のお手入れが重要、ただし注意点も
試運転の前にチェックするべきことをシャープのエアコン担当者に問い合わせたところ、「日常生活の中で舞い上がったホコリなどがエアコンのフィルターに蓄積する場合があります。それにより、夏場にエアコンを使い始めた際に、エアコンが効きにくくなることがありますので、シーズンを迎える前に、1度フィルターのメンテナンスをおすすめいたします」とのこと。
室内機のお手入れできる部分は、前面パネルや吹き出し口、ダストボックス、エアフィルター、掃除アシストブラシなど。前面パネルやエアフィルターといった、取り外して水洗いできるパーツもありますが、室内機の心臓部とも言える熱交換器をはじめ、ユーザー自身ではお手入れできない部分もあるので注意が必要です。
エアコンの分解や、電装部に水や洗浄スプレーをかけると、故障の原因となることがあり、「取扱説明書でご案内している箇所以外は、お客様ご自身でお手入れしないようにお願いいたします」とシャープ担当者は説明します。「すべて自分の手でキレイにしたい」というユーザーも少なくないと思いますが、お手入れはホコリの拭き取り掃除などに留めておき、本格的な内部洗浄は、メーカーサポートや、専門のクリーニング業者に依頼したほうがよさそうです。
最新機種に買い替えも手、夏が来る前に備えるのがポイント
最新のエアコンには、フィルターの自動掃除機能やエアコン内部のカビやホコリを抑制する機能、パーツを簡単に取り外せてお手入れできる清潔構造などが付与されており、お手入れの省力化は年々進んでいます。エアコンの清潔性が気になる人は、そうした最新の製品に買い替えるのも有効な手段でしょう。
もちろん、最新のエアコンを導入したからといって、ホコリの付着やカビの発生を100%防げるわけではなく、定期的なお手入れや、シーズン前の試運転が重要であることには変わりません。
シーズン前に、前面パネルやフラップ、ルーバーに付着したホコリを落とし、試運転を実施し、場合によっては、専門のクリーニング業者に本格的な内部洗浄を依頼する。時間のある週末などにこれだけ済ませておけば、いざ夏本番となったときに、安心してエアコンを使用できます。蒸し暑い夏を快適に過ごすためにも、今の時期から備えておくことが肝要です。
【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)