日本では5月8日に新型コロナウイルスが5類に移行しましたが、5月11日にはアメリカでも国家非常事態宣言が解除されました。これに伴い、本日12日よりアメリカに入国する外国人に義務付けられていたワクチン接種証明の提示が不要になります。しかし、そんなアメリカでいま、日本ではあまり考えられないような事態が起きています。
新型コロナに関連する入国規制は国によってさまざまですが、アメリカでは2021年11月8日から、アメリカに入国する外国人に対し、ワクチン接種を完了していることを求めていました。しかしホワイトハウスは、新型コロナウイルスの死者は2021年1月以降で95%、入院患者数は91%にそれぞれ減っていることから、国家非常事態宣言を5月11日で解除することを発表。5月12日からは外国人がアメリカに入国する際、ワクチン接種を証明する必要もなくなったのです。
これによって影響が出るとみられているのが、海外からの旅行客の増加ではなく、移民の大量流入。バイデン大統領が5月1日に国家非常事態宣言を解除することを発表していたことに加えて、不法移民を即時送還できる「タイトル42」という措置も同時に失効することが明らかにされていました。そのため、アメリカへの移住を希望する人々がアメリカとメキシコの国境付近に押し寄せています。
5月3日の現地報道によると、すでに1日で7500人ほどが国境付近に押し寄せており、その数はさらに増加する見込み。バイデン政権は1500人の軍隊をメキシコとの国境に追加で派遣する計画と発表しています。
新型コロナの5類移行で社会・経済活動が活性化すると見られている日本。一方、アメリカでは、1年近く前からマスク無しの生活は当たり前。国家非常事態宣言の解除によって現地の人々の生活に大きな変化があるとは考えられませんが、その代わりに移民の急増という古くて新しい問題に対処しなければなりません。
【主な参考記事】
CNN. Plans set in motion as Biden administration eyes end of Covid-era border restriction. May 3 2023