大きな話題を呼んだ“老後2000万円問題”に加え、出口の見えない物価高に辟易する昨今。そんないまこそ本気で考えたいのが、資産形成だ。2024年施行の新しいNISAを活用した“ほったらかし投資”なら、大切なお金を守りながらコツコツと増やせる。資産運用に精通する経済ジャーナリスト・頼藤太希さんとともに、投資へ一歩踏み出そう!
こちらは「GetNavi」2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。
【私が教えます】
経済ジャーナリスト 頼藤太希さん
Money&You代表取締役、中央大学客員講師。19万部超のベストセラー「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、投資関連の著書多数。YouTube「Money&You TV」でもお金の情報を発信中。
時間を味方にすれば少額からでもラクに資産形成
投資は「難しそう」「損をしそう」と思われがちですが、ルールや戦略を学び実践すれば、お金を守りながら増やすことができます。今回は時間を味方につける“ほったらかし投資”を中心に伝授。無理なく少額から始めても、複利効果が手伝って数十年後には大きな資産となる可能性があります。
ほったらかし投資では、投資信託などを積立購入。堅実に増やす王道的な手法である「長期・分散・積立」投資ができるのです。しかも一度資産の分配や購入銘柄を決めてしまえば、あとはほとんど手がかかりません。NISAやiDeCoでも投資信託は対象になっていて、長期間ほったらかす資産の置き場所として最適。これらのおトクな制度も活用しましょう。
長期的に見れば、世界経済が成長する限り、投資には必ずリターンが生じます。早めに始めて、長期間の投資を実践しましょう!
投資の種類は
ひと口に投資と言っても、その種類は様々。それぞれリスクの大きさが異なるので、投資する資産にどんな特徴があるのかについても理解を深めよう。ほったらかし投資で初心者が運用しやすいのは、投資信託だ。
投資信託の種類は
各投資信託がどんな金融資産に投資するかは、銘柄によって異なる。外国のなかでも、先進国・新興国・全世界などと投資先は多岐にわたっている。複数の資産や複数の地域にまたがって投資するタイプもある。
知っておくべき〈複利のチカラ〉
利息を元本に含めて、これを新しい元本として投資に回して計算する方法。利息は雪だるま式に膨れ上がる。統合NISAを例にした下図では、元本を入れなくなると勾配が緩やかになるものの、指数関数的な増大が期待できる。
知っておくべき〈72の法則〉
複利の効果があるとはいえ、下記の例①のように、銀行預金並みの利息では元本を2倍にするのに途方もない年月が必要。しかし仮に②の年利3%で運用できれば、現実的な24年で2倍に。目標額や運用計画を決める際は参考にしよう。
投資の王道[長期]
景気は好況と不況が交互に訪れる。世界全体で見ると、その波を繰り返しながら経済活動は拡大し、株や不動産などの資産価値は上昇していく。長期にわたって投資を続けることで、利益を得られる期待は高くなるのだ。
<景気循環>
投資の王道[分散]
投資には「すべての卵をひとつのカゴに盛るな」という格言がある。投資資産の価値下落リスクを減らすため、資産を分散させるべきという意味だ。全世界株式などの投資信託を購入すれば、初心者でも簡単に分散投資できる。
<主な投資分散の種類>
投資の王道[積立]
投資で資産を減らさないコツのひとつは、一気に資金を投入するのではなく、同じ商品を定期的に同額で積立購入すること。価格下落時には同じ投資額で多くの口数を買え、資産価値の上昇時に大きなリターンを期待できる。
〈投資信託を購入した場合の例〉
※掲載している情報は、2023年3月13日までに編集部が入手したデータや、監修者および編集部の主観に基づきます。投資行為や資産運用による利益を、監修者および編集部が保証するものではありません。
すべての最終判断は個人の責任で、よく考えて行ってください。