エコノミーの座席は、前の座席との間隔が狭く、両足を伸ばすことがなかなか難しいもの。そんな問題を解決しようと提案されているのが、高さが異なる座席を交互に並べたダブルデッカーの座席です。
この座席を提案しているのは、座席を設計する23歳のアレハンドロ・ヌニェス・ビセンテ。先日、ドイツで開催された「エアクラフト・インテリア・エキスポ」でこの座席スタイルを発表し、たちまち世界で話題を呼ぶことになったのです。
身長が188㎝と大柄のアレハンドロさんはエコノミー席を利用すると、いつも足元が窮屈で眠れずに過ごしたことが何度もあったそう。そこで、足元に余裕を持たせるために、このような座席を考えたのです。フランス語で「長い椅子」を意味する「Chaise Longue」と名付けられたことからも、その意図が伝わるでしょう。
座席は、高さの異なる2層式。数段のステップを上がって席につく上段と、ステップがなくそのまま座る下段が、交互になっているため、従来の形より足もとに余裕があります。すぐ後ろに人が座っているわけではないので、座席を後ろに倒しやすいメリットも。また、下段の座席は折りたためるため、そこを車いすの乗客のスペースとして利用することも可能。
従来のシートでは、前の座席の背面にディスプレイがついており、映画などのエンターテイメントを楽しむことができますが、それは乗客が持ち込むスマホなどのデバイスを利用することを想定しているそうです。
このニュースを見た海外ユーザーからは、「背が高い自分にはウェルカムだ!」「革新的なデザイン!」と歓迎する声が寄せられています。その一方で、「前の席の人のおならが近い……」と、下段に座った場合に上段に座った乗客のお尻が近くなることを懸念する声が少なくない模様。「もし前に座った人がおならをしたら、その臭いが直撃しそう……」と思うのかもしれません。
航空会社から見れば、この座席スタイルには座席数を増やせるメリットがあります。安全性の問題など、実現にはさまざまなハードルがあるようですが、もしこんな座席があったら利用したいと思いますか?
【主な参考記事】
CNN. The double-decker airplane seat is back. Here’s what it looks like now. June 6 2023