継続するアウトドア人気を受けて、メーカーもその動きを意識したモデルを送り出している。今回はスズキ「スペーシア ベース」をプロが診断する!
※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです
【私が診断します】
GetNavi乗り物担当・上岡 篤
宅ワークを軸にしつつ、取材などに飛び回る日々を送る。
作りこむのが楽しいクルマはアウトドアシーンでも大活躍
スズキ
スペーシア ベース
139万4800円〜166万7600円
ハイトワゴンと商用車の“ちょうど良い中間”を狙い開発されたモデル。登録としては商用車ながら乗り心地の良い足回りなど、乗用車としても十分な資質だ。標準で搭載される「マルチボード」で後席や荷室の幅広い活用が可能。
SPEC【XF・2WD】●全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm●車両重量:870kg●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHC●最高出力:52PS/6500rpm●最大トルク:6.1kg-m/4000rpm●WLTCモード燃費:21.2km/l
頭上にも小物を収納できるスペース
愛犬との同乗に便利な分割モードも可能
同社軽モデルの豊富な収納スペースが魅力
標準のマルチボードで後方空間が多彩に変化
【上岡’s Check】使い方はアイデア次第!作りこめば最高の一台に
「商用車はバンタイプが多く、使い方も限られてきました。ですが同車はオンでもオフでも活躍できるマルチな存在で、大きな可能性を秘めています。作りこめば最高の相棒です」
作りこんでいくのが楽しいDIY的なクルマ
スペーシア ベースは商用車に与えられる4ナンバーのクルマ。だがその性格は、フロントシート回りと、リアシートから後ろの荷室で大きく異なるのが面白い。
フロントシートまわりは、他のスペーシアシリーズと変わらない快適さがポイント。足回りも荷物の最大積載量を200kgに抑えたことで乗用車用タイヤの装着が可能となり、ゴツゴツ感もない。
一方でリアシートは、スライドやリクライニングも不可能というエマージェンシー的な存在。だがその割り切りと荷室の活用のために標準搭載されるマルチボードが秀逸。ワーキングスペースになったり、フルフラットにして車中泊も可能なモードにもなる。使う人のアイデアで可能性が広がる。
同車は「なんとなくアウトドア向きだから」と選ぶのには不適格。であればスペーシア ギアのほうがよりアウトドア向けで快適だからだ。だが「キャンプのベース車にしたい」「移動販売車として使いたい」「動くワーキングスペースにしたい」という目的があり、自分なりに作りこんでいくクルマとして最高のモデルだ。