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2023/6/23 12:00

米国で日本の「軽トラック」がブーム! 新たなマーケットになるか?

いま、日本の軽トラックが米国でブームになっています。購入価格の2倍以上の輸送費がかかっても、「手に入れたい!」という人が多く、ニューヨークのある輸入業者は、手始めに5台仕入れたところ、1週間で全て売れてしまったそうです。

↑米国へレッツゴー!

 

日本の軽トラック(以下、軽トラ)は軽自動車に分類され、自動車税などの維持費を安く抑えることが特徴。一方、米国のトラックといえば、日本の軽トラをそのまま大きくしたようなピックアップトラックが主流です。運転席や荷台は広く、大型家具なども楽々運ぶことができます。人間の体格も土地の広さも、日本とは格段に大きい米国では、日本の軽トラのような小型車はほとんど存在しないようなもの。だからこそ、日本のコンパクトな軽トラが脚光を浴びているのかもしれません。

 

ニューヨークで輸入自動車を販売するある会社では、ここ数年だけで300台以上の軽トラを売ったそう。別の会社では、受注する自動車のうち、およそ3分の1を軽トラが占めるほど人気が高く、過去7年間で毎年売上を伸ばしてきたとのこと。

 

ディーラーによると、軽トラが人気の理由は安くてコンパクトだから。顧客の多くは牧場や農場の経営者。中には身軽に移動したいというサーファーや猟師もいるそうです。

 

50万人以上のユーザーを持ち、自身で中古車販売会社を経営する、あるTikTokユーザーは、ホンダの軽トラを850ドル(約12万円※)で購入し、米国までの輸送費に2086ドル(約30万円)がかかったと明かしています。上述のニューヨークの自動車販売業者でも、取り扱う軽トラの販売価格はおよそ5000ドル(約70万円)で、その大半を輸送費が占めているといいます。

※1ドル=約143円で換算(2023年6月23日現在)

 

本体価格をはるかに上回る輸送費がかかっても、安くて使い勝手のいい日本の軽トラを欲しがる米国人。ただし、左ハンドルがスタンダードの米国では、右ハンドル車は運転しにくいといったデメリットもあります。昨今、日本で軽トラは衰退しているという見方もありますが、果たして、米国でその人気はどこまで伸びていくのでしょうか?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Move over tiny homes! Americans are now importing mini Japanese ‘Kei’ pick-up trucks that cost as little as $3,000 – but buyer beware…. June 21 2023