7月11日に発売となった「アサヒ食彩」。フタが取れて泡がふくらむ「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」に続くフルオープンエンド仕様のフタを採用しており、しかもプレミアムビールということでも、大きな注目を集めています。いったいどんな狙いや味の特徴があるのか、レポートしていきます。
「アサヒ食彩」誕生の背景……実はプレミアムビール市場に追い風が吹いていた
「アサヒ食彩」が発売された背景には、大前提として2023年10月の酒税法改正があります。これによってビールは実質安く、新ジャンル(第3のビール)は高くなるため価格の市場構造が変わり、ビールの需要が高まるのは間違いないでしょう。このビールへの追い風が吹く直前、そしてビール最盛期の夏に向けて「アサヒ食彩」がデビューしたのです。
加えて「アサヒ食彩」がプレミアムビールといえる理由は大きくふたつ。アサヒビールとしては、スタンダードビールでは「アサヒスーパードライ」と「アサヒ生ビール」(通称マルエフ)という二大スターが存在するため盤石だから。そして、プレミアムビールカテゴリーに追い風が吹いているから、です。
プレミアムビール市場が好調な背景には、テレワーク、インドア趣味、家飲みといった新しく習慣化した「家時間の過ごし方」、また中食の充実などに伴う「家ナカでの贅沢」があるとのこと。加えて、今後も予想される物価高騰のなかでメリハリをつけた消費が顕著になるとも。つまり消費の二極化が進み、節約する消耗品と、贅沢を惜しまない嗜好品にわかれるだろうとのことです。
「アサヒ食彩」の味わい特徴……アルザスホップの優雅な果実味とキレのよさがイイ!
では、「アサヒ食彩」はどんな味わいの特徴をもったビールなのでしょうか。ひとつはフランス・アルザス地方産の希少ホップ「アラミス」を含む5種類のホップを使った華やかな香り。また、高濃度で麦汁を発酵させることによる濃厚なコクも持ち味です。
そのうえで生ジョッキ缶を採用しているため、泡のシルキーさは言わずもがなでしょう。とはいえ、論より証拠ということで、実際に開けて飲んでみました。
なお、缶のパッケージ裏面にイラスト付きで「アサヒ食彩の楽しみ方」が載っているのですが、飲み頃温度は4〜8℃。これは、泡をゆっくりもこもこと湧き上がらせるためにも必要な温度帯であり、十分冷やすことが欠かせません。これが不十分だと泡とともに炭酸が吹き出てしまい、具体的には12℃以上になるとこぼれやすくなるので注意が必要です。
泡はノンストップでどんどん肥大化するので、開栓したらすぐにゴクッといきましょう。味はもちろん抜群においしいのですが、口元をふわっと撫でるシルキーな泡の次に押し寄せる、ビールの豊かなうまみがたまりません。
香りは洗練された果実味が印象的。アルザス地方といえば、マスカット(ミュスカ)やリースリング、ゲヴュルツトラミネールといった白ワインぶどうの名産地ですが、どこかこうした白ワインのように優雅なフルーティーさを感じます。
また、余韻がすっきりしていて、わざとらしい重さがないのも好印象。これは「アサヒスーパードライ」に採用されていることで知られる「318号酵母」による仕事だと思います。「318号酵母」の独自性といえば、きわめてキレに優れたビールを造り出せること。このシャープな爽快感は、“スーパードライ党”も納得できる味わい特徴だと思います。
なぜ“食彩”?
なお、「アサヒ食彩」のネーミングの由来は、“泡と香りで食を彩る”。このコンセプトはパッケージにも書いてあり、つまりはフードペアリングがオススメということです。週末などにちょっといい晩酌を、コンビニ飯で楽しみたい時などには最適ではないでしょうか。はたまた夏祭りやキャンプ飯のご馳走に合わせるなど、思いおもいの食シーンで合わせてみてください。
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