「タイマー学習法」と呼ばれるテクニックがある。これはまさに文字通りタイマーを活用した学習法のことで、大まかに言うと以下の3通りが存在する。
1. 25分勉強したら5分休む、といったルーティンを組むことで集中力を継続させる学習法
2. 60分必ず勉強する、などのように制約的に時間を決める学習法
3. テスト形式でどれだけ問題を解くスピードを高められるか計測する学習法
1は作業の「区切り」として、2は自分への「約束ごと」として、3は目標の「数値計測」として、それぞれタイマーを使用している。要するに言葉の上で「タイマー学習法」と一括りにされてはいるが、これらは完全に別物だといえる。
スピードアタックに最適な学習タイマーが登場
さて、この3つのタイマー学習法のうち、資格取得のための勉強に導入すると良いといわれているのが、3の問題を解くスピードをタイマーで計るタイプ。当然だが試験には制限時間があり、所要時間は意外とタイトなことが多い。さらに、社会人での受験の場合、学生の頃のテスト感覚もだいぶ薄れがち。つまり、あらためて “時間内に問題を解ききるペース配分” を掴むためのタイマーが必要になってくるというわけだ。
そこでオススメしたいのが、2023年8月4日にキングジムから発売された、学習タイマー「ルラップ」。このタイマーはラップタイムを計るのに特化した機能を備えており、ペース配分を掴むための勉強に最適なのだ。
キングジム
学習タイマー「ルラップ」
2800円(税別)
3色展開
形状は、最近の学習タイマーのなかでも画面の見やすさで人気の高い平置き&斜め液晶タイプ。液晶が斜めの設計なので、画面が陰になりにくくて視認性が高いところがポイントだ。上部には操作用の小ボタン4つと大ボタン2つ、時間を知らせてくれるLEDを備えている。
基本的にはこの合計6つのボタンを使って操作するのだが、一見では操作方法が分かりづらいため、慣れるまでは戸惑うことがあるかもしれない。ここで簡単に説明しよう。
まずカレンダー&時計モード、タイマーモード、デイカウントモードの3モードを「MODE」ボタンでそれぞれ切り替える。タイマーモードは、2段に区切られた画面の上段が大問ごとのラップタイム、下段が総カウントを表示する。時間(HOUR)・分(MIN)・秒(SEC)ボタンで時間を入力してスタートすると「カウントダウン」、設定せずにスタートすると「カウントアップ」タイマーとして働く仕組みだ。
カウントダウンまたはカウントアップ中、左側の大ボタン「LAP / RECALL」を押すたびに、ラップ1、ラップ2……と記録していってくれる。従来のタイマーでもラップタイム(途中までの所要時間)が計れるものは多いが、「ルラップ」は、各ラップ(大問)間の所要時間を記録・表示してくれる、という点がユニークである。例えば、スタート~ラップ1は18分45秒、ラップ1~ラップ2は16分28秒、というように都度確認が可能なのだ。
一般的には、ラップ計測可能な学習タイマーは、それぞれスタートから最初のラップまでの時間(競技用ストップウォッチでスプリットタイムと呼ばれるもの)しか表示されないものが多く、各ラップ間の時間を出すには、都度引き算をする必要があった。それが、ラップ間ごとのタイムが表示されるなら、例えば模試の大問1を解くのに何分何秒、そこから大問2を解くまで何分何秒、と見たままで読み取れるわけだから、これはもう端的に使いやすいの一言に尽きる。
この機能を活用すれば、自分がどの問いで解くのに詰まったか、といった点も簡単に可視化できるので、勉強の効率も上げやすいはず。単に早解きスピードアタックをする場合でも、どの問題で時間を稼ぐことができたか? など、解像度の高い分析が可能になる。結果として、自分に合ったペース配分が掴めるようになる、というわけだ。
試験まであと何日? が常に見えるデイカウントモード
もうひとつのデイカウントモードも、他にはあまり見られない機能である。こちらは事前に設定しておいた日まで「あと何日か」を常時表示してくれるというもの。
もともとキングジムには、デイカウント専用タイマー「LIMITS」という製品があるが、つまりはこれと近いことができるよ、ということなのだろう。試験当日まであと何日、と表示しておくことで勉強のスケジュールを立てやすくしたり、自分にプレッシャーをかけることもできそうだ。もっとも、筆者はこういうのを常に表示しておくとストレスで胃をやられるタイプなので、個人的にはあまり使いたくない機能ともいえるのだが……。
しかし、総合的には前述の通り、操作感の分かりづらさはあるけれど、ラップ機能の使いやすさが本当に優秀。サイレント設定(タイマー音なし・LED発光だけで時間を知らせる)のような基本的な機能もきちんと備えており、図書館での使用もできるなど、テスト対策の勉強用としては間違いなくオススメできる製品といえるだろう。