世界の大学ランキングで常に上位に入る米・ハーバード大学。最近この名門大学が、ある調査で最下位になり、米国に衝撃が走っています。
ハーバード大が最低の評価を受けたのは「言論の自由」。米大学の表現の自由を守るために1999年に設立された非営利団体「Foundation for Individual Rights and Expression(FIRE)」が、米国の大学254校を対象に調査してまとめた「2024年版大学における言論の自由ランキング(The College Free Speech Rankings)」で、ハーバード大がビリになったのです。
この調査には約5万5000人の学生が参加し、各大学における言論の自由を13の側面から評価しました。例えば、評価項目には「自分の考えをどれくらい言いやすいか」「リベラル派/保守派にどれくらい寛容か」「大学側のサポート体制」「銃規制や中絶といった問題について、どれほどオープンに議論することができるか」があります。
最下位になったハーバード大では、どんな結果が得られたのでしょうか?
【ハーバード大の言論の自由(回答者数:209人)】
26%: キャンパスで話をさせないために登壇者をやじり倒すことは決して許されないと回答した人の割合
50%: キャンパスで自己検閲したことはほとんどない、または一度もないと回答した人の割合
39%: 自分の発言を他人が誤解して、自分の評判が傷つくのではないかと心配したことはないと回答した人の割合
3.3人: 保守派の学生1人に対するリベラル派の学生の割合
総合得点は0点で、言論環境は非常に悪い。
1位になったミシガン工科大学と比べてみましょう。
【ミシガン工科大学の言論の自由(回答者数:135人)】
52%: キャンパスで話をさせないために登壇者をやじり倒すことは決して許されないと回答した人の割合
52%: キャンパスで自己検閲したことはほとんどない、または一度もないと回答した人の割合
49%: 自分の発言を他人が誤解して、自分の評判が傷つくのではないかと心配したことはないと回答した人の割合
1.1人: 保守派の学生1人に対するリベラル派の学生の割合
総合得点は78.01点で、言論環境は良い。
このように見ると、確かにハーバード大とミシガン工科大との間に差があることが明白です。
FIREの調査を受けて、Fox Newsがハーバード大の学生に取材したところ、大方の人は同大学は自分の意見を言っても安全な場所であると述べていたとのこと。学生によっても見解は異なるようですが、もしかしたら本音ではないのかもしれません。
【出典】