宅配や地域の交通サービスとして無人運転車の開発が世界各地で進んでいます。最近では米・サンフランシスコ発のスタートアップが、車椅子に対応した無人自動運転車「WAV」を発表し、注目を集めています。
黒と白の四角い箱のように見えるクルマ。それが、サンフランシスコを拠点とするクルーズ社が発表した新型車両「WAV」です。同社によれば、世界で初めて車椅子に対応した無人自動運転車とのこと。
同社は、無人の自動車を開発し、すでにサンフランシスコの市内でドライバー不要の完全自動運転車のサービスを提供しています。今回はそのテクノロジーをさらに上回り、車椅子の方にも広く利用できるよう設計されています。
自動車が停止して、ワゴン車のようにサイドの扉が大きく開くと、自動で車体が下がり、スロープが出てきます。このスロープを使って、車椅子ごと車内に乗り込むことができるようになっています。
The transportation status quo is not only unsafe, it is inaccessible. Over 41 million Americans with disabilities deserve better transportation options.
I’m excited to introduce the @Cruise WAV, the world’s first self-driving, wheelchair accessible vehicle. (1/5) pic.twitter.com/lPSLYF87TI
— Kyle Vogt (@kvogt) September 14, 2023
しかし、クルーズ社に対してはさまざまな声が上がっているのが現状。というのも、8月に街中を走行している同社の完全自動運転車が消防車と衝突事故を起こしたからです。
カリフォルニア州陸運局が調査を開始しているものの、サンフランシスコの市民やユーザーたちは、その安全性に疑問を持ち始めている模様。クルーズ社のクルマが走行できないようにトラフィックコーンが置かれたり、あげくの果てにはハンマーで破壊される事件が起きたりしています。
より多くの人が、気軽に外出できることを目指しているこれらの無人運転車ですが、本当に信頼されるようになるまでには、長い道のりが必要かもしれません。
【主な参考記事】
SFGATE. Cruise unveils steering wheel-less car for wheelchair users before attaining federal approval. September 14 2023