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2023/10/21 6:00

ミラーレスカメラ、本格撮影を楽しむなら14万円以下で十分説。

ミラーレスカメラは低価格機もあるが、ボディ単体で14万円程度のモデルでも機能や性能が充実。価格や性能比に優れ、高コスパに本格撮影が楽しめる。

※こちらは「GetNavi」2023年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【教えてくれたのは……】

カメラライター・河野弘道さん

ウェブや雑誌、広告などでの執筆・撮影・編集を軸に活動。普段はミラーレスと一眼レフの併用だが、最近は前者の比重が増大中。

 

上位機種譲りの高機能・高性能を小型・軽量ボディに凝縮!

キヤノンEOS R10

APS-Cサイズセンサー採用の中級機。上位機種EOS R3譲りでディープラーニング活用の被写体認識AF「EOS iTR AF X」を搭載し、人物や動物、乗り物を認識し自動追尾する。連写性能も高く、動く被写体に強い。4K60p対応の動画撮影機能も魅力だ。

・実売価格:13万2000円
・質量:約429g(バッテリー、SDカード含む)
・サイズ:約W122.5×H87.8×D83.4mm
・有効画素数:約2420万画素 APS-Cサイズ
・4K/60p(クロップ時)

 

【POINT!】動く被写体に強く一瞬を逃さない!

被写体認識AFと最高約23コマ/秒連写の組み合わせが秀逸で、動く被写体の一瞬を高確率で捉えられる。ボディ内手ブレ補正は非搭載なので、手ブレ補正機能付きレンズを組み合わせよう。

↑人物や動物の瞳を検出し、AF&追尾する瞳検出に対応。顔、頭部、胴体の検出も可能で、マスク使用時なども機能する

 

↑メイン・サブの2つの電子ダイヤルに加え、背面にマルチコントローラーを装備。AFフレーム移動などに使用可能だ

 

↑電子シャッター使用時にAF追従での最高約23コマ/秒連写が可能。子どもなど、動き回る被写体の一瞬を逃さず撮れる

 

↑バリアングルモニターを採用。加えて、画面のタッチ操作で動画記録の開始/停止ができ、自撮りやVlog撮影にも向く

 

【レンズキットでも20万以下!】

130gと軽量で手ブレ補正機能も搭載の標準ズームキット

EOS R10
RF-S18-45 IS STM レンズキット
実売価格14万8500円

35㎜判換算で約29〜72mm相当となる、標準ズームキット。約4段ぶんの手ブレ補正機能を搭載する。レンズは約130gと軽く本機に最適。

 

広角から望遠まで1本で楽しめる約8.3倍の高倍率ズームキット

EOS R10
RF-S18-150 IS STM レンズキット
実売価格18万1500円

35㎜判換算で約29〜240mm相当の高倍率ズームキット。手ブレ補正機能は約4.5段ぶん。最大撮影倍率0.44倍で、近接撮影にも強い。

 

軽量かつ丈夫なボディと素早く正確なAFが魅力!

ニコン
Z 50

Zシリーズ初のAPS-Cサイズ機。マグネシウム合金製ボディで、丈夫かつ軽量だ。ハイブリッドAFや、人物の顔と動物に対応の被写体認識AF搭載で、AFが素早く正確。自撮りもできるチルト式モニター採用する。ボディ内手ブレ補正は非搭載。

・直販価格:11万9900円
・質量:約450g(バッテリー、SDカード含む)
・サイズ:約W126.5×H93.5×D60mm
・有効画素数:2088万画素 APS-Cサイズ
・4K/UHD/30p

 

【POINT!】リアルタイムの表示を見ながら最高約5コマ/秒連写で撮れる

質感の高いボディとシンプルな操作性が魅力。連写は、基本設定で約5コマ/秒と少なめ(拡張機能で最高約11コマ/秒)だが、被写体の動きをほぼリアルタイムに表示しての撮影が可能だ。

↑薄型ボディだが、グリップは十分な深さで握りやすい。レリーズなどのボタンやダイヤル類も右手で無理なく操作可能だ

 

↑モニター右端に「拡大」「縮小/サムネイル/ヘルプ」「DISP」のタッチキーを配置。タッチ中心のシンプルな操作性を実現

 

↑画像を好みの仕上がりにできる、20種類の「Creative Picture Control」を搭載。静止画・動画両対応で、効果の度合いの調整も可能だ

 

強力な手ブレ補正や防塵・防滴仕様の採用などで安心感あり!

パナソニック
LUMIX
DC-G99D

レンズ内手ブレ補正との連動が可能なボディ内手ブレ補正を搭載し、最大5.0段分の補正が可能。防塵・防滴設計で、撮影環境を選ばない。連写はAF追従で最高約6コマ/秒。4K動画からの切り出しによる、「4Kフォト」にも対応する。

・実売価格:9万9000円
・質量:約536g(バッテリー、SDカード含む)
・サイズ:約W130.4×H93.5×D77.4mm
・有効画素数:約2030万画素4/3型
・4K/30p

 

【POINT!】防塵・防滴設計でフィールド撮影に向く

防塵・防滴に配慮された設計で、山岳などのフィールド撮影に向く。4/3型センサー採用により、小型な交換レンズが多いのも魅力。ただし、センサーが小さいぶん高感度撮影には不利だ。

↑ボディ内手ブレ補正を搭載。レンズ内手ブレ補正対応レンズ使用時には、2つの補正機構を連動させる「Dual I.S.」「Dual I.S.2」に対応

 

↑AF追従で最高約6コマ/秒の連写に対応。しかも、RAW+JPEGで45コマ以上、JPEGで300コマ以上連続撮影できる

 

↑防塵・防滴に配慮した構造を採用。防塵・防滴仕様のレンズと組み合わせれば、多少の雨やホコリなら問題ない

 

性能や機能を重視するなら14万円程度のモデルがベター

コスパ重視でミラーレスカメラを選ぶ場合、10万円以下の入門機を選びがちだ。だが、本格撮影を楽しもうとすると、機能や性能面で物足りなくなる。

 

そこでオススメなのが、ボディ単体で14万円程度、レンズキットで20万円以下の製品だ。おもに入門機より少し上の中級機だが、最新機能が搭載されることも多く、性能を加味すると非常に高コスパなモデルが多い。

 

なかでも、キヤノンEOS R10は、上位機種であるEOS R3にも搭載の被写体認識AFや、電子シャッターを活用した最高約23コマ/秒連写など、最近トレンドとなっている機能や性能を持つ。多くのシーンに対応できる、ハイ・パフォーマンスなモデルだ。

 

これに対し、ニコン Z50は販売開始こそ2019年末だが、頻繁にファームウェアアップデートを実施。人物と動物に対応の被写体認識機能などの機能追加のほか、使い勝手の向上も図られている。そのため、現時点では最新とは言えないまでも、十分に魅力的な製品で、本体の作りも良い。

 

パナソニックのLUMIX DC-G99Dは、センサーサイズが異なり、EOS R10やZ 50とは少し方向性も異なる。防塵・防滴性能など、ハードウェア面で優れており、連写などよりもタフさが重視されるシーンで重宝する1台だ。