英・Nothing Technologyが、新アプリ「Nothing Chats」を発表しました。同社の最新スマートフォンのNothing Phone(2)でiPhoneのメッセージアプリ「iMessage」とやり取りできるものです。
このアプリはメッセージングアプリ企業のSunbirdの協力のもと開発され、「NothingスマートフォンでiOSユーザーと青い吹き出しを使って直接メッセージをやり取りできる」と説明されています。
iPhoneの純正メッセージアプリでは、iPhoneなどアップル製品間では青い吹き出し、それ以外では緑の吹き出しで表示されます。米国の若者は、この青の吹き出しに憧れているとの調査結果もありました。
具体的には、対象地域のPhone(2)ユーザーなら、Google Playストアでアプリがダウンロードできるという仕組み。ただし「既存のアップルIDユーザー名でログインするか、アカウントを新規作成」とあり、要はアップルIDが必須です。
また、チャットメッセージは全てエンドツーエンドで暗号化されており、ユーザーが送受信したメッセージはNothingもSunbirdもアクセスできないとのこと。プライバシーは十分に保護されているようです。
Nothingのカール・ペイCEOは、自らNothing ChatsについてYouTubeで説明。一対一のメッセージとグループチャットの両方に対応し、タイピングインジケーター(相手が入力中だと表示)やフルサイズのメディア共有、音声メモもサポートすると語っています。
ただし、既読の受信やメッセージのリアクション、メッセージの返信はローンチ直後には利用できず、「まもなく」使えるようになるとのこと。
この新アプリは11月17日(現地時間)から米国、カナダ、英国、EUのユーザーだけに提供されます。Nothingは利用できる地域の拡大に努めているとも述べており、いずれ日本でも提供されると期待したいところ。
ちなみに、iMessageで吹き出しが青と緑に分けられる理由は、アップルが最近の業界標準規格「RCS」を受け入れず、自社製品間で独自のプロトコルを使っているからです。その一方、アップル製品以外(例えば、Androidスマホ)とのやり取りでは昔ながらのSMSやMMSを使い、緑で色分けしているわけです。
グーグルがアップルにRCS採用を呼びかけているのは「SMS/MMSが時代遅れ」というより(アップル独自規格も進化しています)、iPhoneユーザー同士の「青い吹き出し」の優越感を崩したいのかもしれません。