スポーツ
ランニング
2023/12/14 20:30

ブルックス「グリセリン」の最新モデルを、どこよりも早くレポート!/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2023「ブルックス」冬の陣③「グリセリン21」の巻(前編)

 

アメリカ・シアトルを本拠に、全米のランニング専門店でナンバー1の売り上げを誇る「ブルックス(BROOKS)」。日本での知名度は高くはないが、100年以上の歴史を持つ老舗ランニングシューズブランドなのである。

 

ブルックスは2001年、現在もCEOであるジム・ウェーバーが、それまでの野球やアメリカンフットボールのスパイクまで手掛ける総合スポーツシューズブランド路線から、ランニングシューズブランドに特化することを宣言。以降、「RUN HAPPY」をキーワードに、トップアスリートから、ウィークエンドジョガーまで、幅広い層の“走る喜び”をサポートし続けている。

↑ 2024年1月下旬発売予定、「GLYCERIN 21(グリセリン)」2万2000円(税込)。カラー:4色展開(メンズ)、4色展開(ウイメンズ)。サイズ:25~29㎝(メンズ)、22~26㎝(ウイメンズ)。重量:280g(27㎝片足)。ミッドソールドロップ10㎜

 

【関連記事】

アメリカの巨人「ブルックス」が狙う、日本のランニング市場/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

 

代表的なクッションモデル「グリセリン」!

本国アメリカのみならず、欧州やオーストラリアでも人気のブルックス。ブルックスは、東アジアへの強化を打ち出し、急速に地歩を固めつつある。日本では「瞬足」で知られるアキレスがブルックスの総販売代理店となり、2019年から日本での展開をスタート。ということで、今回も東京・新宿のアキレス本社にお邪魔しているのである。

 

「ブルックスの代表的なロングセラーモデルと言えば『グリセリン(GLYCERIN)』です。グリセリンは、ブルックスのクッションタイプのシューズの中でも汎用性が高く、実業団で走るトップアスリートから、タイム更新に挑戦する市民ランナーなどから高い評価をいただいています」

 

と語るのは、アキレスの栗岩克明さん。ご自身もマラソン大会を走る栗岩さんによると、月間300㎞も走る実業団レベルの選手たちは、高強度のトレーニング走(ポイント練習など)の後にグリセリンを履くことが多いのだとか。スロージョグなどで脚のリカバリーを促す際に、積極的にグリセリンに履き替えて走るという。

↑お話を伺った、アキレスでブルックスを担当する栗岩克明さん。中高大と陸上長距離で競技を続け、現在もマラソン大会に出場するエリート市民ランナーである

 

2024年1月下旬に発売開始、最新グリセリン21

「グリセリンは、衝撃の吸収性に優れていると同時に、弾力性、反発性も高いので、気持ちよく走れるシューズです。フルマラソン42.195kmを4時間切って走る、いわゆる“サブ4”を目指すレベルのランナーには、まさにピッタリな一足だと思います」(栗岩さん)

 

筆者もその昔、ラスベガスで行われた夜のフルマラソン大会で、グリセリンを履いて走ったことを思い出した。大陸の内陸部の夜はよく冷えたが、グリセリンのおかげで、足取りも軽やかに、ネオン溢れるゴールを、まさにこのタイムで駆け抜けた。

 

そのグリセリンの最新作が、2024年1月下旬発売予定の「グリセリン21」(20代目のグリセリン20は2022年7月に登場したので、1年半ぶりのニューモデルとなる)。今回、GetNavi webは、日本で初めて21代目となる最新グリセリンの詳細をレポート、しかも試し履きする機会を得たのである!

↑トレンドの厚底でも快適な走りとなるよう、つま先からかかとにかけて揺りかごのようなラウンドを持たせたロッカー構造を採用。前作より2㎜厚となるミッドソールの弾力性と反発性も加わり、転がるように進む!

 

グリセリン21は、オールマイティなランニングシューズ!

「グリセリン21は、オールマイティな一足です。ミッドソールには、ブルックス独自のクッショニング機構である『DNA LOFT v3』を搭載しています。DNA LOFT v3は、EVAにラバーを加え、窒素ガスで発泡させており、衝撃吸収性だけでなく、弾力性と反発性にも優れています。着地衝撃の大きさに応じて反発性が変化するDNAシリーズの中でも、安定性を持ちながらも、よく跳ねるのが特徴です」(栗岩さん)

 

靴裏(アウトソール)は、かかと側も前足部も踏み面が広く、ミッドソールのバネがあっても、グリセリン21の走行安定性の高さを物語っている。さらに、アウトソールに貼られた新開発の「ロードタックラバー」は、軽量かつ弾力性と耐摩耗性に富み、地面を確実にグリップするという。

↑ブルーとオレンジの新しくなった「ロードタックラバー」。ブルーの部材の丸穴から、ミッドソールのDNA LOFT v3のクッション性を直接、指で実感できる!

 

↑ブルックスの本拠地、シアトル。アウトソールには「DESIGNED IN SEATTLE」と刻まれている

 

ランニングそのものを楽しめる1足

かかとから爪先にかけての揺りかごのようなラウンド(ロッカー構造)も、しっかり取られている。さらに、かかととつま先の高低差も10㎜と、最近のシューズのなかでは前傾気味。見た目からして“おぬし、けっこう走れるシューズだな”なのである。

 

「甲を包むアッパーには、新たなエンジニアード・ワープニットを用いているので足馴染みも抜群です。私も毎日のように走るのですが、時間が取れる休日のロング走はグリセリンを履いて走っています。月2回ほどの高強度のポイント練習にはブルックスのスピードタイプを履きますが、翌日のリカバリー走は、グリセリンです」(栗岩さん)

 

グリセリン21は、ガチなレース用ではなく、走ることそのものを楽しめる一足と言えよう。だからこそ、仕事で走る実業団の選手から、走る楽しさにハマったランナー、さらに短い距離でも気持ちよく走り抜けたい負けず嫌いランナーに刺さっているのだろう。

↑ブルックスのクッションタイプのランニングシューズは、かかとのホールド感を高めた造りが特長。ぶ厚く盛られたミッドソールが外に張り出し、安定性を高めている

 

履く人に合わせ、3つのタイプを用意!

なお、グリセリンをはじめブルックスのランニングシューズには、スタンダードなタイプに加え、いくつかのバリエーションを同時に販売している。グリセリン21は、スタンダードも含め全部で3タイプ。フォーム的に着地がブレるランナーには、ガイドレールというサポート部材でミッドソールを補強したモデル「グリセリン GTS(ゴートゥサポートの略) 21」。さらに、足馴染みの良いステルスニットをアッパーに用いた「グリセリン ステルスフィット 21」も同時に展開するという。

 

「同じくグリセリン21なのですが、ブルックスは“ランナーファースト”を追求しているため、履く人に合った、最適なシューズを選んで欲しいと願ってバリエーションを展開します。ぜひショップに足を運び、実際に足を入れて履き比べてみてください」(栗岩さん)

↑グリセリン21は、男女とも4色展開。普段履きもできる配色も用意され、シックなランニングウェアとのコーデも楽しめる

 

いよいよ次回、日本初のグリセリン21試走

最新鋭グリセリン21で走りたい気持ちも、最高潮! 次回は、“今週末、走ってみよっかな~”な気分に合わせ、4つの目的のペース別にグリセリン21を走り比べる。まずは、“足入れ&ウォーキング”、次に“運動不足解消ラン”、さらに脂肪燃焼のための“痩せラン”、最後は颯爽と走り抜ける“スカッと走”である。

 

栗岩さん曰く「ブルックス史上、最高の出来栄えです」というグリセリン21。いよいよ、GetNavi webによる、日本で最初のレポート。どんなパフォーマンスを引き出せるか、乞うご期待なのである!

 

【関連記事】

ブルックスを代表する名ランシュー「ゴースト」のエントリーモデル見参!/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

 

撮影/中田 悟

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】