2018年にキングジムから発売されたクリアファイル「カキコ」は、書類をファイリングしたままで紙面に書き込みができるという特殊な形状をしたファイルブックである。ページをペラペラとめくって閲覧しつつ書き込みもできるとあって、一度慣れたら「もうこれ以外使えない」というレベルで、利便性の高い製品と言えるだろう。
そのカキコシリーズに今年新たに登場したのが、特殊な機能を搭載した「カキコ ジャバラタイプ」である。ファイル本体はA4サイズだが、A3書類を横に2枚並べて閲覧できる。そしてもちろん、カキコ最大のポイントである、ファイリングしたままの書き込みも可能だ。
と、ざっと説明はしたが、これだけではどういう構造になっているのかピンとこないと思うので、本記事では、その特徴をしっかり紹介していこう。
キングジム
クリアーファイル カキコ ジャバラタイプ
16ポケット 1150円/24ポケット 1350円(いずれも税別)
5色展開
書類をバババッと並べて閲覧できる “新カキコ” 登場
2023年6月に発売されたカキコ ジャバラタイプは、先にも述べた通り、A4サイズの本体にA3書類などを2枚並べて見開きにできる、というファイルである。文字だけで説明すると少々ややこしいが……ひとまず先におさらいとして、カキコシリーズ独自のファイリング方式について説明しておこう。
一般的なクリアファイル(クリアポケットファイル)は、透明のポケットをページのように綴じたもので、上または側面に開いた口から書類を差し込むことでファイリングができる。対して、カキコシリーズは、ページの上下に小さなフラップが付いており、ここに書類を挟んで固定。すると、その挟まれた部分以外はオープンなので、書類に直接、自由に書き込みができるという仕組みだ。
もちろん、一般的なクリアファイルと同様に、ページをめくって閲覧することも可能なので検索性も高い。今までの製品のメリットはそのままに、書類を取り出すことなく書き込みできるという利便性がプラスされているのである。
そんなカキコシリーズに新たに加わったカキコ ジャバラタイプは、スナップボタンをパチパチとはずして表紙を開くと、前モデルと同じ上下フラップのポケットページが続いている仕様。そのままページをめくっていくことも可能だが、これだとA4書類を見開き2枚、もしくはA3書類1枚を閲覧することしかできない。
2枚続きの見開きにするためには、まず表紙に戻って裏側にあるスナップボタンをはずす。表紙と裏表紙が分離したら、そのまま表紙と裏表紙を左右に引き離すように開いていく。すると、先ほどまでジャバラ状に折りたたまれていたポケットページの片面8ページ(16ポケットモデル)、または片面12ページ(24ポケットモデル)が横並びに展開する、という仕組みだ。
中央から畳むと、A4書類が4枚横並び(A3なら2枚)にできる。さらに、ページをめくると新たにまた4枚が見開きで出てくる、という構造だ。A3の大きな図面やチャートを連続して閲覧することもできて、もちろん綴じたままの書き込みも可能。建築や不動産、イベント運営など、「こういうのが欲しかった!」という業種の人もいるのではないだろうか。
ちょっと不安要素もあるけど、この機能は唯一無二
ジャバラポケットは裏面にもフラップがついているので、単純に表裏を逆にすれば倍のページが使用できる。裏ページ面に綴じた書類を閲覧するときは、裏表紙側のスナップボタンだけをはずして開くことで、表紙側と同じようにめくっていける。
ただし、ジャバラ展開中は表紙が分離しているため、机や譜面台などの平面に置かないと安定せず、ページが伸びきって大変なことになってしまう。これは構造上、仕方ないところだが運用する上では注意しておくべきだろう。
とはいえ、ファイリングした書類にそのまま書き込みができる点には、相変わらず唯一無二の価値がある。そこに加えて、新搭載されたジャバラポケット機能による複数ページ同時の閲覧・ページめくりに、「この機能を待ってた!」と感じるユーザーも多そうだ。ジャバラ無しで気楽に運用したいなら、スナップボタンを片方だけ外して運用すればOK。もしくは、前モデルのカキコと2冊持ちで、上手く使い分ければうんと満足感も高まりそうだ。