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2024/1/2 17:00

なぜ流行ったの?「耳をふさがないワイヤレスイヤホン」注目の理由と、人気製品を振り返る

2023年は、耳をふさがないスタイルで、音楽リスニングやハンズフリー通話が楽しめる左右独立型ワイヤレスイヤホンがヒットしました。人気を集めた理由を考察しながら、2023年に発売された耳をふさがないイヤホンの中から、筆者がおすすめする製品を紹介します。

 

耳をふさがないワイヤレスイヤホンがブレイクした「3つの理由」

いまはシリコンやウレタンフォームを素材に使用したイヤーピースを耳に挿入する、遮音性能の高いイヤホンが広く普及しています。加えて、電気的な信号処理によるアクティブノイズキャンセリング機能を追加した、耳栓タイプの製品が主流です。

 

一方、2023年にはイヤーピースを使わず、耳に極小サイズのスピーカーを乗せて音を聴くようなスタイルで楽しめる「耳をふさがないワイヤレスイヤホン」が多くのメーカーから誕生しました。

 

耳を塞がないワイヤレスイヤホンは骨伝導技術を採用する製品が数年前に話題を呼び、その後は音楽と同時に周囲の音を“ながら聴き”できるイヤホンとして、ワークアウトやビジネスシーンで活用するユーザーが増えました。

↑ワークアウトやビジネスのシーンでワイヤレスイヤホンを活用する機会が増えました

 

そんな耳をふさがないワイヤレスイヤホンが2023年にブレイクした大きな理由は3つあると筆者は考えます。

 

ひとつは、使う機会が増えたことです。コロナ禍を経て、リモート会議などのコミュニケーションツールとしてはもちろん、最近ではオーディオブックの“ながら聴き”を楽しむ方も多いと聞きます。自宅など静かな場所で、周囲の環境音にも注意を向けながらオーディオブックを聴く使い方に、耳をふさがないワイヤレスイヤホンは向いていると思います。

↑耳をふさがないリスニングスタイルは、日常のさまざまなシーンにフィットすることが、多くのユーザーに伝わりつつあります

 

もうひとつの理由として、骨伝導以外にもさまざまな方式による耳をふさがないワイヤレスイヤホンが増えて、ユーザーの期待に合致する選択肢が充実したことが挙げられます。

 

骨伝導方式の耳をふさがないワイヤレスイヤホンといえばShokz(ショックス:旧After Shokz)の製品が認知拡大を牽引してきた立役者ですが、そのShokzが同じ耳をふさがないスタイルでありながら、骨伝導ではないエアー・コンダクション方式のワイヤレスイヤホン「OpenFit」を夏に発売しました。骨伝導に比べてエアー・コンダクション方式は厚みのある低音を出しやすいことから、OpenFitを含む同方式を採用する製品が音楽ファンから高く評価されました。

 

また、2022年秋に発売した軟骨伝導方式を採用するオーディオテクニカの「ATH-CC500BT」も、一体感のあるサウンドが楽しめることから、耳を塞がないワイヤレスイヤホンの選択肢に彩りを加えています。

 

そして3つめの理由は、耳をふさがないワイヤレスイヤホンが価格帯別に豊富なバリエーションが出揃ったからではないでしょうか。2023年末に市場を見渡せば、ちょっと試してみたい方におすすめできる1万円以下のモデルから、音にこだわった2万円以上のハイエンドモデルまでさまざまな新製品があります。

 

すでに“耳をふさぐ”イヤホンを持っている方々が、2台目・3台目のワイヤレスイヤホンとして買い足してみたくなる、魅力あふれる製品がいま充実していると言えます。

 

購入時に押さえておきたいポイントは?

耳をふさがないワイヤレスイヤホンの購入を検討する際には、以下3つのポイントを押さえながら自分に合う1台を見つけてください。

 

【1】音の伝達方式

先述したShokzの製品を例に挙げると、耳に近接させる小さなスピーカーのように使うエアー・コンダクション方式のOpenFitと、「OpenRun」などのモデルに代表される骨伝導方式の製品があります。エアー・コンダクション(空気振動)方式は力強く低音を出せるところに特徴があり、一方の骨伝導方式の場合、頭蓋骨の振動により音を伝えるため、ユーザーが聴いているサウンドが外に漏れにくいところが魅力です。

 

【2】イヤホンの装着スタイル

いまは左右独立型ワイヤレスイヤホンが人気を集めていますが、耳をふさがないワイヤレスイヤホンは体を動かすスポーツや家事などの場面で活躍します。イヤーフックで耳に掛けて固定するタイプや、左右のイヤホンがネックバンドで固定されているワイヤレスイヤホンなどがあります。後者はイヤホンを使わない間、耳から外して首に掛けられるのでスポーツシーンなどで利便性を実感できると思います。

 

【3】とにかく実機を試してみる

上記2点のポイントに注目しながら、購入を検討しているイヤホンをショップなどで試聴・試着してみることを強くおすすめします。イヤーチップを使って耳の中に固定するイヤホンと違って、耳をふさがないイヤホンは「耳乗せスタイル」であることから、特に安定した装着感を得ることが大事です。音質も製品によってそれぞれ違うので、自身がよく聴く音楽を基準にしてチェックしてみるとよいでしょう。

 

1万円以下から高価格帯まで、2023年のヒットモデルを振り返る

最後に筆者が2023年に試して、いずれも良い手応えを得た耳をふさがないワイヤレスイヤホンを価格帯別にピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。

 

【1万円以下】

GLIDiC「HF-6000」(想定売価9980円前後)(税込、以下同)

耳かけスタイルの左右独立型ワイヤレスイヤホン。イヤホン単体で約7.5時間の連続再生時間を実現しています。片側約6.5gの軽量設計で、耳に着けたまま快適に過ごせるイヤホンです。ゲームを遊ぶときには映像や入力操作に対する音声の遅れを抑える低遅延モードが便利。

 

nwm「MBN001」(想定売価1万円前後)

NTTグループのオーディオブランド、NTTソノリティが手がけたネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンです。軽くて心地よい装着感、音楽や通話の「声」の明瞭さが特徴。NTT独自の「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術」により、バスや電車の中で使っても聴いている音楽が周囲に漏れにくいことも魅力的です。

 

【1万円〜2万円】

ソニー「Float Run」(直販サイト販売価格 1万8700円)

ソニーの耳をふさがないワイヤレスイヤホンといえば「LinkBuds」シリーズも人気ですが、本機はネックバンドスタイルを採用。16mm口径の大型ドライバーを搭載しているので、厚みのある低音からクリアな中高域まで「まるでスピーカーで聴いているようなサウンド」を楽しめます。

 

オーディオテクニカ「ATH-CC500BT」(直販サイト販売価格 1万7600円)

オーディオテクニカが長年培ってきた軟骨伝導という、⽿の軟⾻部を振動させて音を伝える技術を採用しています。柔らかく自然なサウンドが特徴。aptX HDにも対応しており、音質へのこだわりがオーディオテクニカらしいワイヤレスイヤホンです。

 

【2万円以上】

JBL「Soundgear Sense」(直販サイト販売価格 2万2000円)

JBL初の耳をふさがないワイヤレスイヤホン。耳かけスタイルのイヤホンですが、イヤーフックの角度調整ができるので、多くのユーザーが快適で安定したフィット感を得られます。パッケージに付属するネックバンドを装着すれば、マルチスタイルで楽しめます。

 

Shokz「OpenFit」(直販サイト販売価格 2万4880円)

“骨伝導のShokz”のイメージを覆し、幅広い視野による開発体制を見せつけたShokzのエアー・コンダクション方式による新境地。イヤーフックがしなやかに曲がるので装着感がとても快適です。充電ケースもコンパクトなので、持ち歩きながら使いやすいワイヤレスイヤホンです。

 

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