和食は出汁(だし)をとったりと準備が大変そうだし、味つけも繊細でむずかしそう……と感じるでしょうか? そもそも和食は、日本古来の日常食。気負わず、「ごはん」と「汁物」のシンプルな組み合わせで楽しむ、一汁一飯(いちじゅういっぱん)の魅力を見直してみましょう。
恵比寿で日本料理店「賛否両論」を営む、料理人の笠原将弘さんが提案する一汁一飯のレシピ『汁とめし』は、冷蔵庫の残り物など身近な食材で簡単につくれて、しかもおいしいと話題。今回は、笠原さん直伝の『汁とめし』レシピ3種を短期集中連載でお届けします。
第2回は、笠原さんもお気に入りだという汁物「くたくた玉ねぎととうふの豚汁」のレシピを解説いただきました。
3種の具材だけで旨みたっぷり!
「くたくた玉ねぎととうふの豚汁」のつくり方
「豚肉の旨みたっぷりの豚汁と白米があれば、それだけで立派な食事になると思いませんか?」
汁物のなかでも豚汁が大好物だという笠原さん。以前、新潟で食べた豚汁有名店の味を笠原さん流に再現したのがこのレシピだそう。にんじんやごぼうなどの根菜は一切入っていない代わりに、玉ねぎがたっぷりで、優しい甘さに心もほぐれるよう。使う材料が少ない分、買い出しや調理が楽なのもうれしいですね。
【材料(2人分)】
・豚バラ薄切り肉……150g
・玉ねぎ……2個
・木綿どうふ……1丁
・出汁……300ml
A
・みそ……大さじ2
・白みそ……大さじ1
【作り方】
1.玉ねぎは縦薄切りにする。とうふは半分に切って1cm厚さに切る。豚肉は5cm長さに切る。
2.鍋に出汁、豚肉を入れて中火にかけ、肉をほぐしながら煮る。煮立ったらアクをしっかり除き、弱火にしてAをとき入れる。玉ねぎを広げて加え、とうふをあまり重ならないように並べ、ふたをして弱火のまま30分ほど煮る。
3、とうふをくずさないようにしながら全体をまぜ合わせる。
「豚肉や煮汁が隠れるほど玉ねぎがたっぷりのレシピです。煮汁が蒸発しないようにふたはぴったりと閉めましょう」
以上の豚汁のつくり方をはじめ、お米のおいしい炊き方や、見たら必ずつくりたくなるおいしい一汁一飯レシピは、笠原将弘さん著『汁とめし』にまとめられています。豚汁レシピはほかにも2種類あるのでぜひ、チェックしてみてください。
笠原将弘『和食屋が教える、旨すぎる一汁一飯 汁とめし』(主婦の友社)
冷蔵庫の残り物で作れ、シンプルなのに満足できる___頑張らないでもしみじみとおいしい、笠原流・究極2品献立という提案の書。予約の取れない日本料理店「賛否両論」店主が、いま提案する献立こそ「汁とめし」なのです。食材の組み合わせや作りやすさを極めた、汁物とごはん物の厳選レシピ、計84品を収録。
次回は、笠原さんがレシピを考案する時点で「これは絶対旨い」と確信したという「たこしば漬け焼きめし」を紹介します。
Profile
料理人 / 笠原将弘
1972年、東京都生まれ。高校卒業後「正月屋吉兆」で9年間修業したのち、父の死をきっかけに武蔵小山にある実家の焼き鳥店「とり将」を継ぐ。2004年、東京・恵比寿に「賛否両論」をオープンし、予約のとれない人気店として話題になる。2013年には名古屋に直営店をオープン。テレビ番組のレギュラー出演をはじめ、雑誌連載、料理教室など幅広く活躍する。2023年6月にはYouTubeチャンネル『【賛否両論】笠原将弘の料理のほそ道』を開設。流暢な語り口で調理のコツを惜しみなく解説し、チャンネル登録者数は56万人超。
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