1ドル140円程度だった2024年初めから円安は一気に進み、4月下旬には34年ぶりに1ドル160円台をつける展開となりました。記録的な円安水準はiPhoneの端末価格にも影響を与えており、しばらくは高止まりが続きそうです。
こんな状況の中、少しでもお得にiPhoneを購入するにはどんな選択肢があるのでしょうか? Apple公式、大手通信キャリア、格安SIM会社などさまざまな購入経路の端末価格を調査・比較してみました。
最新機種の端末価格だけを見るならApple Store
長く使うことを想定すると、多少価格は高くても最新機種を購入するのは良い選択肢といえます。ここでは、最新機種の中から「iPhone 15」(128GB)をピックアップして比較をしてみました。
なお、大手通信キャリアでは、2年程度で端末を返却することで価格が安くなる端末購入プログラムを導入していますが、本記事ではこれに触れず、オンラインショップで一括購入をする場合の金額を比較します。
【iPhone 15 128GBの端末価格】
販売経路 | 一括購入価格 | 割引適用時の価格 |
Apple Store | 12万4800円 | ー |
ドコモ | 14万9490円 | 10万5490円(5G WELCOME割適用) |
au | 14万5640円 | 14万140円(au Online Shop お得割適用) |
ソフトバンク | 14万5152円 | 12万3168円(オンラインショップ割適用) |
楽天モバイル | 13万1800円 | 9万9800円 ※1(キャンペーン適用) |
※2024年5月2日時点の情報(以下同)
※価格は税込(以下同)
※1. ポイント還元も含む実質価格
iPhoneの最新機種は基本的に、Apple Storeまたは大手通信キャリア4社のいずれかで購入できます。
乗り換え割引などを適用しない場合の一括価格はApple Storeが最安値。もっとも価格差が大きいドコモと比較すると、その差は2万4690円となっています。
一方、ドコモの「5G WELCOME割」やソフトバンクの「オンラインショップ割」など、他社からの乗り換え時に使用できる割引を適用すれば価格を大きく下げることが可能。4社のうち、ドコモとソフトバンク、楽天モバイルの3社でApple Storeよりも安価に購入できます。
特に楽天モバイルはポイント還元も含めた実質価格が非常に安く、「iPhoneトク得乗り換え!対象のiPhoneが最大32,000円相当おトク!」を使えば、実質10万円を切る価格で購入できます。
楽天モバイルの割引を最大限受けるためには、「他社からの乗り換え」に加えて「初めて楽天モバイルに申し込むこと」など複数の条件がありますが、クリアできそうなら楽天モバイルでの購入がお得です。
なお、auの「au Online Shop お得割」はiPhone 15 128GBに限って割引額が控えめとなっていますが、他の容量や他機種ではもっと安価に購入できるので、auへの乗り換え時は他機種も参照してみましょう。
また冒頭でお伝えしたように、端末購入プログラムは含まれていません。実際にiPhone 15を購入する際はそのあたりを考慮に入れる場合もあるでしょう。
少しでも節約したいならiPhone 13やiPhone SEが狙い目
iPhoneは毎年9月頃、チップやカメラなどの性能が向上した新製品を発売します。もちろん、最新機種を使うに越したことはありませんが、iPhoneの場合、数世代前の機種でも十分快適に使える性能を有しています。そのため、端末価格を抑えたいのなら旧世代機を購入することも有力な選択肢といえるでしょう。
現在、各社が多く取り扱っている旧世代機は「iPhone 13」と「iPhone SE」(第3世代)です。ここでは、この2機種の価格を比較してみましょう。
【iPhone 13 128GBの端末価格】
販売経路 | 一括購入価格 | 割引適用時の参考価格 |
Apple Store | 9万5800円 | ー |
楽天モバイル | 10万8700円 | 7万6700円 ※(キャンペーン適用) |
UQモバイル | 11万4720円(機種変更) | 9万2720円(他社からの乗り換え) |
※ポイント還元も含む実質価格
2021年発売のiPhone 13 128GBは、Apple Store、楽天モバイル、UQモバイルが販売中となっていました。端末の一括購入価格を比較すると、もっとも安価なのはやはりApple Store。上記の中で唯一、10万円を切る価格で販売されています。
ただし、割引を適用させた場合、楽天モバイルとUQモバイルともにApple Storeの一括価格を下回る結果となりました。UQモバイルの「UQ mobile オンラインショップ おトク割」は、特定のプランやオプションへの加入が求められるなど条件が若干厳しくなっていますが、クリアできそうなら狙い目と言えます。
なお、iPhone 13は品切れが目立つようになってきています。購入を考えている場合、早めに購入したほうが良いでしょう。
【iPhone SE(第3世代)64GBの端末価格】
販売経路 | 一括購入価格 | 割引適用時の参考価格 |
Apple Store | 6万2800円 | ー |
ドコモ | 7万3370円 | 5万6870円(5G WELCOME割適用) |
au | 7万935円 | 4万8935円(au Online Shop お得割適用) |
ソフトバンク | 7万3440円 | 5万1456円(他社からの乗り換え) |
楽天モバイル | 6万4000円 | 4万2000円 ※(キャンペーン適用) |
UQモバイル | 7万935円(機種変更) | 4万8935円(他社からの乗り換え) |
ワイモバイル | 7万3440円 | 5万5440円(オンラインで購入する場合) |
※ポイント還元も含む実質価格
コンパクトで扱いやすいサイズ、Touch ID(指紋認証)の搭載などで根強い人気を誇る機種が、2022年3月発売のiPhone SE(第3世代)です。ここではもっとも安価な64GBモデルの金額を比較してみましょう。
こちらの機種は大手通信キャリア、サブブランドともに取り扱いが充実しており、価格も全体的に控えめ。端末の一括購入価格はApple Storeが最安値ですが、他機種ほどの金額差はありません。たとえば楽天モバイルの場合、割引を適用させなくてもApple Storeとほぼ同水準の価格となっています。
さらに割引を適用すれば、どのキャリア/ブランドもApple Storeより安くなります。このうちau・楽天モバイル・UQモバイルは4万円台で購入可能なので、端末代を安くしたい人はこの3社が有力な選択肢となるでしょう。
MVNOで販売しているiPhoneは中古品であればお買い得なことも
ここまでは、大手通信キャリアとサブブランドにおけるiPhoneの価格を比較してきました。
一方、MVNO各社でもiPhoneは販売されています。たとえば、iPhone SE(第3世代)64GBはmineoなど多くのMVNOが取り扱っています。ここでは、3社の価格をピックアップして比較してみました。
【iPhone SE(第3世代)64GBのMVNO端末価格】
販売経路 | 一括購入価格 | 割引適用時の参考価格 |
【参考】Apple Store | 6万2800円 | ー |
【参考】楽天モバイル | 6万4000円 | 4万2000円 ※(キャンペーン適用) |
【MVNO】mineo | 7万224円 | ー |
【MVNO】QT mobile | 7万2072円 | 6万4865円(BBIQキャッシュバックサービス適用) |
【MVNO】LIBMO | 5万9400円 | 4万9400円(スマホ大特価セール適用) |
※ポイント還元も含む実質価格
前項同様、端末価格ではApple Storeと楽天モバイルが最安値であることがわかります。また、MVNOであるLIBMOの価格も安く、一括価格はApple Storeよりも安い5万9400円(税込)となっています。
ただし注意しなければならないのは、LIBMOは「未使用品」の中古品であると記載されている点です。未使用品の場合、ほぼ新品同様に使える状態ではありますが、保証が劣るなどのデメリットも理解したうえで購入するようにしましょう。
一方、mineoやQT mobileでもiPhoneを取り扱っていますが、どちらもApple Storeの価格より高く販売されています。そのため、これらのMVNOでiPhoneを使いたい場合、Apple Storeで端末を購入してからSIMのみの契約をしたほうがお得です。
今回はApple Store、大手キャリア、サブブランドやMVNOに絞ってiPhoneの端末価格を見てきました。当然、中古に目を向けたり、より昔の機種に絞ればさらに安い端末はあるはずです。そんなときにも価格の目安として参考にしてみてください。